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妊娠しやすいカラダづくり No.1173 2025/12/21
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今週の内容__________________________________________________________
・最新ニュース解説:妊娠中の「鉄のとり方」が、赤ちゃんの認知発達に関係する?
・お知らせ:不妊相談会
・編集後記
最新ニュース解説 Dec. 2025__________________________________________
妊娠中の「鉄のとり方」が、赤ちゃんの認知発達に関係する?
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妊活は、妊娠がゴールではなく、元気な赤ちゃんを迎えることまで見据えた準備であるという視点がとても大切です。
最近、妊娠中の鉄のとり方と、生まれた赤ちゃんの1歳時の神経発達との関係を調べた大規模な前向き研究の結果が報告されました(1)。
◎どんな研究だったのか?
中国の出生コホート研究で、約3,700組の母子を対象に、妊娠初期・中期・後期それぞれの鉄摂取量と鉄の種類別、すなわち、食事からの鉄か、サプリメントからの鉄か、また、ヘム鉄か、非ヘム鉄かを調査し、出生児の生後1歳時の神経発達(認知・言語・運動)との関係を調べました。
◎わかったこと
この研究で注目すべき点は、「鉄をどれくらい摂ったか」ではなく、「どんな鉄を、いつ摂ったか」でした。
妊娠中の総鉄摂取量(食事+サプリ)と 赤ちゃんの発達との明確な関連はありませんでした。また、鉄サプリメント摂取量とも神経発達との関連はなかった一方で、妊娠後期に、食事から「ヘム鉄」を多く摂っていた母親の赤ちゃんは1歳時の認知発達が良好である割合が高かったことがわかりました。
◎なぜ「ヘム鉄」なのか?
鉄には大きく2種類あります。
肉・魚など動物性食品由来のヘム鉄と野菜・豆・穀類、サプリメント由来の非ヘム鉄です。
ヘム鉄は、体への吸収率が高く、他の食事成分の影響を受けにくいことから胎盤や脳への鉄供給効率が高いといった特徴があります。
妊娠後期は、赤ちゃんの脳の中でも、記憶や学習に関わる領域が急速に発達する時期です。
そのため、この時期に十分な鉄が届くことが、認知発達の土台づくりにつながる可能性が示唆されたというわけです。
◎メッセージとして
この研究は、サプリメントを否定するものではありませんが、鉄は飲んでおけば安心ではなく、食事の質が重要であることを、改めて教えてくれます。
また、ほとんどのサプリメントは非ヘム鉄ですが、ヘム鉄のサプリメントもあります。
ただし、妊娠を目指す段階から、バランスのよい食事、そして良質なたんぱく質とともに、鉄を含む食材を意識することが大切です。
それが、将来の赤ちゃんの発達を見据えたプレコンセプションケアであると言えます。
◎実践ポイント
1)食事が主体で、サプリメントは不足予防の補助
サプリは「不足の補助」であり、食事は「質の土台」です。
鉄のサプリは非ヘム鉄が主体ですが、神経発達との関連が示されたのは食事由来のヘム鉄です。
鉄のサプリメントを選択する際、可能であれば、ヘム鉄を原料に使用しているサプリメントがベターです。
2)特に重要なのは「妊娠後期」
妊娠後期は胎児の脳重量が急増し、海馬・基底核など認知関連領域が発達する時期です。この時期の鉄供給が、1歳時の認知発達と関連します。
3)ヘム鉄を多く含む食品例(現実的な選択肢)
・肉類:牛赤身肉(もも、ヒレ)、豚レバー(※摂りすぎ注意)、鶏レバー(少量・頻度管理)
・魚介類:かつお、まぐろ(赤身)、いわし、あさり・しじみ
・実践しやすい工夫:「毎日レバー」ではなく赤身肉+魚をローテーションし、1日1食、動物性たんぱく質を主菜にビタミンC(野菜・果物)と一緒に摂ることです。
◎最後に
サプリを飲んでいるから、食事は気にしなくていいとう考え方は間違っています。また、野菜からも鉄を摂取できますが、非ヘム鉄中心になってしまいます。肉も大事です。
鉄は卵子・精子の質、また、妊娠成立後の胎盤機能や胎児の脳発達に不可欠で、妊娠の成立から出産まで連続して重要な必須ミネラルです。
妊娠してから慌てるのではなく、妊娠前からの準備が重要です。
妊娠期の鉄管理では、量だけでなく「どんな鉄を、いつ、どう摂るか」が重要です。特に妊娠後期は、赤ちゃんの脳の発達を支えるために、食事からのヘム鉄摂取を意識しましょう。
文献:
1)Nutr J 2025; 24: 131
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お知らせ__________________________________________________________
東京都調布市のウイメンズクリニック神野主催の第33回不妊相談会が2026年1月25日の日曜日に開催されます。
院長の神野正雄先生は、情熱をもって不妊治療、特に、高度生殖医療に取り組まれ、高齢による卵巣機能低下が原因の不妊症に対して、独自の考え方と方法で、高い実績を挙げておられる先生です。
当サイトのドクターに訊くでも、「質のよい卵を育むための生活習慣~高齢不妊との正しい戦い方」というテーマでインタビューさせていただき、記事にしています。
神野先生は、現代における不妊の主な原因は、晩婚化によって、お子さん望むようになったときには、女性は、既に、妊娠しづらい年齢に差し掛かっていることが多くなったこと。
また、現代に特有の不健康な生活習慣、すなわち、夜更かし、ストレス、歩かない生活、質の悪い食生活などが、インスリン抵抗性を招き、卵子や精子の質を低下させていることを指摘されています。
さらに、抗糖化機能性食品「ヒシエキス」が、ART反復不成功の高齢不妊患者さんの妊娠率を改善することを臨床試験により見出され、国内や海外の学会で発表され、論文にもなっています。
これまでの不妊相談会では、なぜ不妊になるのか、カップルで取り組むべきことはどんなことなのか、高度不妊治療とはどんなものなのかを解説しています。
個別相談も可能だそうです。
※先着26名まで。
◎第34回不妊相談会
日程:2021年1月25日(日)
時間:13:30~15:00
場所:調布市文化会館 たづくり 11階 1103 学習室
定員:26名
費用:無料
参加希望の方は下記あてお電話でお申込みください。
042-480-3105
・詳細はこちら
https://xs132599.xsrv.jp/setumeikai.html
・ウイメンズクリニック神野サイト
https://xs132599.xsrv.jp/index.html
編集後記____________________________________________________________
あらためて食事が主であり、サプリは補助ということを教えくれた研究でした。
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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.1173
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
企業サイト:https://partner-s.info/
情報サイト:https://www.akanbou.com/
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