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VOL.1164 超加工食品と男性の生殖機能

2025年10月19日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.1164                2025/10/19
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今週の内容__________________________________________________________

・最新ニュース解説:超加工食品と男性の生殖機能
・編集後記


最新ニュース解説 Oct. 2025__________________________________________

 超加工食品と男性の生殖機能
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超加工食品を習慣的に食べることで、男性の精子をつくる力や男性ホルモン分泌能が低下し、男性の生殖機能にマイナスの影響を及ぼす可能性があることが、デンマークで実施された研究で明らかになりました。

また、エネルギーや脂質摂取量の多い少ないではなく、食品の加工度の高いか低いかが、精子形成や男性ホルモン分泌に関連していることから、食品の加工度そのものが男性の生殖機能に直接影響する可能性があることもわかりました。

近年、超加工食品の摂取量が肥満や糖尿病など生活習慣病との関連で注目されています。超加工食品とは、「砂糖や塩、油脂を多く含み、保存料などが添加されており、きっちり包装されて日持ちも良い食品」のことです。

ただし、超加工食品の摂取量が男性の生殖機能に与える影響については十分な調査、検討がなされていませんでした。

そこで、コペンハーゲン大学の研究グループは、超加工食品の摂取割合と男性の精液検査結果や性ホルモン分泌との関連を調査しました。

研究は18~45歳の健康な男性381人(平均BMI:24.7)を対象とし、食事内容を食物頻度調査票を用いて調査し、総エネルギー摂取量に占める超加工食品の割合を4つのグループに分け、精液所見・ホルモン値・代謝指標との関連を解析しました。

その結果、超加工食品の摂取量が最も多いグループでは、精子総数が約25%少なく、精子濃度および運動率も有意に低下しました。

また、男性ホルモン(テストステロン)濃度は約10%低下し、HOMA-IRは有意に上昇しました。
さらに、超加工食品の摂取が10%増加するごとに、精子総数は4.5%低下しました。

研究者は、その一因として「肥満や血糖コントロールの悪化」を指摘しています。

つまり、超加工食品を多くとることで、体の代謝バランスが崩れ、結果として精子を作る力やホルモン分泌に影響していると考えられるというわけです。

さらに、食品包装に使われるプラスチック由来の化学物質(フタル酸やBPA)が、ホルモンの働きを邪魔している可能性も示されています。

もちろん、こうした食品を完全に避けるのは現実的ではありません。

大切なのは全体の食べ方を意識することです。

加工度の低い食材(野菜、果物、魚、大豆、全粒穀物など)を中心にすることで、精子の質だけでなく、体全体の代謝やエネルギーも整いやすくなります。

男性の生殖力は、日々の食生活によって左右されます。

「できるだけ自然に近い食品を選ぶ」という小さな工夫が、男性の生殖機能を保護することになるはずです。

最後に超加工食品について。

超加工食品とは、その名前の通り、加工の程度が非常に高い食品で、ファストフードをはじめ、ソーセージや菓子パン、清涼飲料水などが代表的なものです。

食品をその加工度によって分類する「NOVA分類」によって、一番加工度の高いグループに属しているものが、超加工食品と呼ばれます。

NOVA分類は、栄養学や公衆衛生学の分野で広く利用されており、この分類法による食品の分類は、以下の4つです。

【グループ1:食品をまったくまたはほとんど加工していないもの】
・果物、野菜、穀物(新鮮なもの/絞ったもの/冷凍/乾燥させたもの)
・豆類
・いも類
・きのこ(生/乾燥させたもの)
・肉(かたまり/切り身)
・魚介類
・卵
・牛乳(新鮮なもの/低温殺菌/粉末)
・果物または野菜ジュース(新鮮なもの/砂糖や香料を添加していないもの)
・ナッツ類、種子(塩分や糖分を添加していないもの)
・ハーブやスパイス
・プレーンヨーグルト
・緑茶、紅茶、コーヒー、飲料水

【グループ2:加工食品の原料】
・植物油
・バター、ラード
・砂糖、糖蜜(サトウキビやビート由来)
・はちみつ、メープルシロップ
・塩

【グループ3:加工食品】
・塩漬けまたは瓶詰めの野菜や豆類
・塩漬けまたは砂糖漬けのナッツや種子
・乾燥・熟
・燻製の肉や魚
・魚の缶詰め
・シロップ漬けの果物
・包装されていない作りたてのパンとチーズ 

【グループ4:超加工食品】
・スナック菓子
・クッキー
・チョコレート
・ケーキ
・アイスクリーム
・大量生産されたパン
・マーガリン
・朝食用シリアル
・炭酸飲料
・エナジー飲料
・乳飲料
・フルーツヨーグルト
・パイ、パスタ、ピザ
・肉や魚のナゲット
・ソーセージ、ハム
・ハンバーガーやホットドッグ
・インスタント食品 

・文献
1)Cell Metab. 2025; ;37: 1950.

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編集後記____________________________________________________________

バランスよく食べるだけでなく、加工度の低い食材を中心にすることも大事です。

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