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VOL.1084 身体に備わった自分を守る働きを意識する

2024年04月07日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.1084            2024/4/7
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今週の内容__________________________________________________________

・編集長コラム:身体に備わった自分を守る働きを意識する
・お知らせ:研究参加者募集:あなたの有機フッ素化合物(PFAS)汚染を調べませんか?
・編集後記


編集長コラム Apr. 2024______________________________________________

 身体に備わった自分を守る働きを意識する
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最近、有害性が懸念されている化学物質「PFAS」が各地の河川や地下水から検出されたという報道が相次いでいます。

PFASとは有機フッ素化合物の総称で、撥水剤や消火剤、コーティング剤等に用いられていて、環境中で分解されにくく、蓄積性が高いことから、水道水や井戸水などから体内に取り込まれる可能性があるそうです。

そして、蓄積すると、生殖機能を低下させるおそれがあるとの研究報告があります。

これまでも、有機塩素系殺虫剤・農薬のDDTやプラスチック容器から溶け出すビスフェノールA(BPA)、さらには、大気中の汚染物質であるPM10やPM2.5なども、妊娠や出産にマイナスの影響を及ぼす可能性が指摘されています。

そもそも、すべての化学物質は多少なりとも有害性がありますが、現代社会では、さまざまな化学物質が私たちの生活のあらゆる面で、なくてはならないものになっています。

今後は、もっと身近なものになることはあっても、少なくなっていくことは考えにくいところです。

であれば、その対策として化学物質が体内に入るのを神経質に避けても限界があります。入れないことはもちろんのこと、私たちの身体に備わった、無毒化や排泄作用を高めることも大切なのではと思います。

それは、もともと私たちの身体に備わっている、あらゆる有害なものからの自己防御反応のことです。

たとえば、ビタミンB群にはDDTの生殖機能への有害性に対する抑制作用があります。 ビタミンB12が充足している女性ではDDTレベルと妊娠率は関連しませんが、ビタミンB12が不足し、かつ、DDTレベルが高い女性では妊娠率が低く、ビタミンB群濃度とDDT、妊娠率との相互作用が確認されています。

また、大豆食品や葉酸にはBPAの生殖機能へのマイナスの影響を打ち消す作用があります。BPAは食器や容器などに使用され、そこから溶けだし、体内に取り込まれていると考えられていますが、大豆食品の摂取量が少ない、もしくは、葉酸濃度が低い女性ではBPA濃度が高くなるほど体外受精妊娠率が低くなる一方、大豆食品の摂取量が多い、もしくは、葉酸濃度が高い女性ではBPA濃度が高くなっても妊娠率は低下しません。

さらに、葉酸には大気汚染物質による生殖機能の低下を緩和するという報告までなされています。

必須栄養素には、化学物質の生殖機能へのマイナスの影響を打ち消してくれる働きを有するものがあるようです。

加工食品を多量に食べることは、化学物質を取り入れやすくなる一方、栄養バランスが悪くなり、必須栄養素が不足するリスクが高くなります。

一方、新鮮な食材をメインにバランスよく食べることは、化学物質を取り入れたり、必須栄養素が不足したりするリスクの低下につながります。

いずれかが習慣化すると、マイナスとプラスの差の蓄積の影響は小さくはないかもしれません。

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↓編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/
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記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


お知らせ__________________________________________________________

   研究参加者募集:あなたの有機フッ素化合物(PFAS)汚染を調べませんか?
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東京都調布市にあるウィメンズクリニック神野では、京都大学との共同研究「体内PFAS (有機フッ素化合物) 濃度と生殖補助医療成績との関連に関する研究」に参加いただける方を募集しています。

PFASとは有機フッ素化合物の総称で、撥水剤や消火剤、コーティング剤等に用いられていて、環境中で分解されにくく、蓄積性が高い物質であることから、水道水や井戸水などから体内に摂取されていると考えられています。

最近、PFASによる地下水汚染が日本全国で徐々に明らかとなってきており、東京都多摩地域もPFAS汚染が示され、 さらに多摩地域住民の血漿中PFAS濃度が高いことも示されました。

PFASの体内蓄積は、妊孕性低下との関連も示されています。

そこで、高度生殖補助医療を受けられる患者さんを対象に血液や卵胞液中のPFAS濃度を測定し、治療成績との関連を調査する研究がはじめられることになり、参加される方を募集します。

詳細は以下をご覧ください。
https://www.akanbou.com/PFAS_study.pdf


編集後記____________________________________________________________

春を迎えるこれからの季節、積極的に緑の中で過ごしたいですね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.1084
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:https://partner-s.info/
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