メルマガ

VOL.1081 地中海食の発展型グリーン地中海食

2024年03月17日

____________________________________________________________________

 妊娠しやすいカラダづくり No.1081            2024/3/17
____________________________________________________________________


今週の内容__________________________________________________________

・トピックス:地中海食の発展型グリーン地中海食
・お知らせ:研究参加者募集:あなたの有機フッ素化合物(PFAS)汚染を調べませんか?
・編集後記


トピックス Mar. 2024________________________________________________

 地中海食の発展型グリーン地中海食
--------------------------------------------------------------------
地中海食は世界的に有名な健康食で、その「アンチエイング」効果を検証した研究報告は膨大な数にのぼります。

妊娠や出産に際してもよい影響を及ぼすという研究報告も多くなされていて、地中海食に近い食べ方をしている女性ほど体外受精の妊娠率が高かった、また、妊娠中の食事パターンが地中海食に近い妊婦ほど妊娠合併症のリスクが低いという研究報告があります。

そんな中で、最近、同じ地中海食でも、ポリフェノール含む食材を多く食べている人ほど死亡率が低いというイタリアの研究、また、野菜や果物の多い地中海食は、他の健康的な食事よりも肝内脂肪を減少させ、非アルコール性脂肪性肝疾患を半減させるというイスラエルの研究報告がなされています。

もともと、地中海食は新鮮な野菜や果物を多く食べることが特徴の一つではありますが、野菜や果物をもっと食べることで、地中海食のアンチエイジング効果が高まるということに他なりません。

この食べ方を地中海の発展型「グリーン地中海食」と呼ばれています。

イスラエルの研究、改良型地中海食としてグリーン地中海食の有効性を世界で初めて検証したのですが、その研究のグリーン地中海食とはどのような食べ方だったのか、見てみましょう。

まずは、赤身肉をさらに減らし、ハムやソーセージなどの加工肉は食べません。

その一方、1日あたり28gのクルミを間食として食べ、3〜4杯の緑茶を飲みます。

さらに、プロテインシェイク(マンカイ・チアシード・ヘンプシード・豆腐など)を飲みます。

他の食材としては、トマト、カリフラワー、ほうれん草、ケール、フェタチーズ、オニオン、キュウリ、サーモン、マス、ツナ、サバ、ニシン、イワシ、オリーブオイル、ヨーグルト、玄米、大麦、鶏肉、オリーブの実など、不飽和脂肪酸が多く水溶性食物繊維がふくまれているものをよく食べるというものです。

発展型地中海食は、元来、ヘルシーな地中海食から、さらに赤身肉や食肉加工品を減らし、代わりに植物性たんぱく質を豊富に取り入れているのが第一のポイントです。

二番目に、間食としてのクルミは、その成分の約7割はオメガ3脂肪酸です。

つまり、スイーツ類のほとんどは、動物性脂肪と砂糖ですが、その代わりに健康的なオメガ3脂肪酸を摂るということです。

三番目にポリフェノールの豊富な摂取です。

赤や青、紫の色素であるアントシアン、マメ科に含まれるイソフラボン、茶の渋み成分であるカテキン類、それらにフラボン、フラボノールをあわせてフラボノイド、そして、ぶどうの皮に含まれるレスベラトロールで有名なスチルベノイド、コーヒーに含まれるクロロゲン酸で有名なフェニルプロパノイド、また、柿の渋み成分として有名なタンニンなどです。

そもそも、植物は、動物と違い、動くことができないため紫外線などの環境によるダメージから自分を守る、強力、かつ、精巧な仕組みが備わっています。

その中心が、「さまざまなポリフェノールをつくり、蓄えておくこと」ということになります。

自ら身を隠したり、逃げたりすることができない植物が、環境や外敵から自らを守るための「武器」です。

そして、このポリフェノール、ヒトにとってはビタミンやミネラルのような必須栄養素ではなく、生体異物ですが、私たちをも守ってくれる「武器」になるというわけです。

もちろん、ポリフェノールだけをサプリメントで摂るというのも有りだとは思いますが、地中海食をベースにして、その上で、ポリフェノールを積極的に摂取するほうがベターです。

摂取する上での重要なポイントが2つあります。

1つは、出来るだけ多くの種類の野菜や果物を食べて、満遍なく摂るということです。

これまで名前の知られたポリフェノールは、よく調査研究されているということであって、ほとんどの植物に含まれているわけですから、とにかく、多くの種類の野菜や果物を食べるように工夫することが大切です。

もう1つは、毎日、摂取するということです。

ポリフェノールは水に溶けやすい性質があるため、比較的短時間で作用しますが、効果は長時間持続しないことが知られているからです。

--------------------------------------------------------------------
記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


お知らせ__________________________________________________________

   研究参加者募集:あなたの有機フッ素化合物(PFAS)汚染を調べませんか?
-----------------------------------------------------------------------
東京都調布市にあるウィメンズクリニック神野では、京都大学との共同研究「体内PFAS (有機フッ素化合物) 濃度と生殖補助医療成績との関連に関する研究」に参加いただける方を募集しています。

PFASとは有機フッ素化合物の総称で、撥水剤や消火剤、コーティング剤等に用いられていて、環境中で分解されにくく、蓄積性が高い物質であることから、水道水や井戸水などから体内に摂取されていると考えられています。

最近、PFASによる地下水汚染が日本全国で徐々に明らかとなってきており、東京都多摩地域もPFAS汚染が示され、 さらに多摩地域住民の血漿中PFAS濃度が高いことも示されました。

PFASの体内蓄積は、妊孕性低下との関連も示されています。

そこで、高度生殖補助医療を受けられる患者さんを対象に血液や卵胞液中のPFAS濃度を測定し、治療成績との関連を調査する研究がはじめられることになり、参加される方を募集します。

詳細は以下をご覧ください。
https://www.akanbou.com/PFAS_study.pdf


編集後記____________________________________________________________

元々、地中海食は和食に似た食べ方ですが、和食よりも野菜や果物を多く食べる食べ方でした。発展型のグリーン地中海食を意識すれば、さらに野菜や果物を増やす必要があるのかもしれません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.1081
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします。
--------------------------------------------------------------------
不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:https://partner-s.info/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎発行部数
・自社配信: 1,532部
・まぐまぐ: 2,041部
・合計部数: 3,573部(3月17日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決してありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負いませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属します。一切の無断転載はご遠慮下さい。