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VOL.1049 野菜や果物が精子を守る

2023年07月30日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.1049              2023/7/30
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今週の内容__________________________________________________________

・トピックス:野菜や果物が精子を守る
・お知らせ:不妊相談会
・編集後記


トピックス Jul. 2023________________________________________________

 野菜や果物が精子を守る
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果物や野菜を多く食べる男性ほど精液検査結果が良好で、それは血液や精液中の抗酸化力の改善によるものかもしれないという研究報告がなされています(1)。

果物と野菜の食べる量を、3日間に飲食したものを記録用紙に記録してもらうことで算出する一方で、精液検査や精液や血液中の抗酸化力も測定し、果物や野菜の食べる量と精液検査結果や精液や血液中の抗酸化力との関係を調査した研究です。

結果は、果物とや野菜をたくさん食べる男性ほど精子濃度や生存率、精子運動率が良好で、かつ、精液や血液中のトータルの抗酸化力も高かったというものです。

男性の精子は、活性酸素から自らを守る仕組みがなく、宿命的に酸化ストレスに弱い性質があります。

そのため、ビタミンやミネラル、ポリフェノール等の抗酸化物質が豊富に含まれている果物や野菜は精子を守ってくれる働きがあるのは当然のことかもしれません。

そこで、抗酸化力を維持できるような「野菜の食べ方」をまとめます。

野菜にはビタミンAやビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化ビタミンだけでなく、これまで発見されたものだけでも数百種類にもなるファイトケミカルと呼ばれている植物性化合物が含まれています。

代表的なファイトケミカルにはポリフェノール類や有機硫黄化合物、テルペノイドなどがあります。

そのため、精子を守るセルフケアの中心は野菜の食べ方になります。

1)食べる野菜の種類を増やす
野菜によって、どんな抗酸化物質が、どんな組み合わせで、どれくらい含まれているか、全く異なります。

そして、抗酸化物質によって、どんな活性酸素を、どのように無毒化するのか、すなわち、抗酸化作用の発揮の仕方は、全くことなります。

数多くの種類の抗酸化物質を揃えることで、多彩な抗酸化作用が備わることになります。
そのためには、毎日、同じ野菜を食べ続けるのではなく、できるだけ多くの種類を食べる必要があります。

2)色々な色の野菜を揃える
野菜の種類を増やす場合、同じような色ではなく、さまざまな色の野菜を組み合わせます。
ファイトケミカルは野菜の色の素で、色が異なると働きも異なります。そのため、さまざまな色を組み合わせることで、多彩な抗酸化作用が備わることになります。

野菜を選ぶ際には、赤、オレンジ、黄色、紫、緑など、異なる色を組み合わせることを意識します。

3)旬の野菜を中心にする
野菜の多くは品種改良され、一年中いろいろな野菜が買えるようになりましたが、野菜に含まれる栄養素の量は一年中同じではありません。

野菜の種類や栄養素による違いはありますが、見た目は変わらなくても、旬の時期に最も多く含まれます。

そのため、旬の野菜を中心にすることで摂取できる栄養素も変わってくるはずです。

4)生鮮野菜を選び、調理加工済み野菜は避ける
冷凍野菜と生鮮野菜に含まれる栄養素の量を比較すると冷凍野菜は生鮮野菜に比べて栄養素の量が70%から50%以下だったという研究報告がなされています。

冷凍の工程そのもの、また、冷凍の際の洗浄や切断により栄養素が損なわれるのかもしれません。

また、同様に惣菜の野菜も生鮮野菜に比べて含まれる栄養素が少ないという報告もなされています。

同じ量の野菜を食べても、調理加工済み野菜よりも生鮮野菜を食べるほうが抗酸化物質を有効に摂取できると言えます。

5)カットしたらすぐに食べる
野菜をカットすると酸化酵素が作用し、栄養素を酸化することが知られています。

ブロッコリーで酸化酵素の抗酸化作用への影響を調べる実験を行なったところ、1分後に76%、15分後には60%に減少したことを確かめた研究報告がなされています。

そのため、野菜を調理(カット)した後は、できるだけ早く食べ、レモン汁などで和えることが大切です。

そういう意味ではカット野菜として販売されている野菜も避けるのが無難かもしれません。

6)ゆで過ぎない、ゆで汁を再利用する
栄養素によっては加熱すると壊れる性質のものがあり、ゆでると減ってしまいます。

そのため、必要以上にゆでることは避けたいものです。

また、水溶性の栄養素はゆで汁に溶出するので、下ごしらえのために使ったゆで汁を汁物などに再利用するとよいかもしれません。

ただし、その場合でもゆで時間が長くなれば、ゆで汁中の栄養素も分解してしまいましので、ゆで過ぎは禁物です。

以上です。

とにかく、野菜には自然の恵みとしか言えないほど、多種多様なファイトケミカルが存在します。

普段の少しのことで、この恵みをいただけるか否かが決まるようです。


文献)
1)Front Nutr 2021; 8: 753843.


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お知らせ____________________________________________________________

東京都調布市のウイメンズクリニック神野主催の第31回不妊相談会が2023年9月16日の土曜日に開催されます。

院長の神野正雄先生は、情熱をもって不妊治療、特に、高度生殖医療に取り組まれ、高齢による卵巣機能低下が原因の不妊症に対して、独自の考え方と方法で、高い実績を挙げておられる先生です。

当サイトのドクターに訊くでも、「質のよい卵を育むための生活習慣~高齢不妊との正しい戦い方」というテーマでインタビューさせていただき、記事にしています。

神野先生は、現代における不妊の主な原因は、晩婚化によって、お子さん望むようになったときには、女性は、既に、妊娠しづらい年齢に差し掛かっていることが多くなったこと。また、現代に特有の不健康な生活習慣、すなわち、夜更かし、ストレス、歩かない生活、質の悪い食生活などが、インスリン抵抗性を招き、卵子や精子の質を低下させていることを指摘されています。

また、抗糖化機能性食品「ヒシエキス」が、ART反復不成功の高齢不妊患者さんの妊娠率を改善することを臨床試験により見出され、国内や海外の学会で発表され、論文にもなっています。

これまでの不妊相談会では、なぜ不妊になるのか、カップルで取り組むべきことはどんなことなのか、高度不妊治療とはどんなものなのかを解説しています。

個別相談も可能だそうです。
※先着8組まで。

◎第30回不妊相談会
日程:2023年9月16日(土)
時間:14:15~15:30
場所:調布市民プラザ あくろす 3階 ホール1
定員:50名
費用:無料
参加希望の方は下記あてお電話でお申込みください。
042-480-3105

・詳細はこちら
https://www.akanbou.com/seminar/fe2e3eea095dcb247c974836448a9d7c99bebd5d.pdf

・ウイメンズクリニック神野サイト
https://xs132599.xsrv.jp/index.html


編集後記____________________________________________________________

今が旬の夏野菜は色鮮やかでみずみずしいという特徴があります。旬の野菜は栄養価が高く、特にビタミン類とミネラルを多く含んでいます。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.1049
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:https://partner-s.info/
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