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VOL.968 清涼飲料水やスポーツドリンクは飲まない

2022年01月09日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.968         2022/1/9
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・トピックス(2):清涼飲料水やスポーツドリンクは飲まない
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

 サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2021年12月30日 編集長コラム
自分のことを知るということ
https://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20211230.html
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info@akanbou.com


トピピックス(2)Jan.2022_________________________________________

 清涼飲料水やスポーツドリンクは飲まない
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食後の血糖値が上昇しやすい食事は、糖尿病をはじめとする生活習慣病の発症リスクを上昇させることはよく知られていますが、食後高血糖のマイナスの影響を一番最初に受けるのが卵巣や精巣などの生殖器官です。

つまり、知らず知らずのうちに、卵子や精子が高血糖のダメージを真っ先に受けているということです。

そのことを教えてくれる研究報告があります。

血糖値が上昇しやすい食事は、卵巣予備能が正常でも採卵数が少なくなる可能性があるというものです。

イタリアのミラノ大学の研究で、大学病院でART治療を受ける、肥満でもなく、卵巣予備能が正常な18-39歳の女性303名を対象に食事と卵巣低反応の関係を調べた結果です。

採卵日に食事調査を行い、グリセミック負荷やグリセミック指数、炭水化物、食物繊維、全粒穀物、動物性・植物性タンパク質の摂取量を調べ、卵巣低反応(採卵数3個以下)との関係を調べました。

グリセミック指数とは食品ごとの血糖値の上がりやすさの指標で、数値が大きいほど血糖値が上がりやすいことをあらわし、グリセミック負荷は、グリセミック指数に炭水化物の重量をかけた数値で、同じように血糖値の上がりやすさの指標ですが、グリセミック指数が同じでも食べる量が多いと血糖値の上昇度が高くなることから、グリセミック負荷のほうがより現実的に反映されると言えます。

その結果、卵巣低反応(採卵数が3個以下)だったのは303名中48名の16%で、グリセミック負荷が高い食事、炭水化物の多い食事をしていた女性ほど、卵巣低反応が多かったというのです。

どれくらいの程度だったかと言いますと、グリセミック負荷で3つのグループに分けたところ、最大グループは最小グループに比べて卵巣低反応のリスクが約4倍高く、同様に炭水化物では5倍弱、それぞれ高いことがわかりました。

このように、血糖値の上昇しやすい食事は卵巣予備能が正常な女性の卵巣の反応性にマイナスの影響を及ぼすことが示されました。

高血糖について正しく知っておくことはとても重要です。

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことを言います。食事をすると、血糖値が上がります。食事中の炭水化物などが消化吸収されて、ブドウ糖となり、血液に入るからです。

血糖値はインスリンやグルカゴンというホルモンによってコントロールされています。

食後に血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンが分泌され、その働きにより、ブドウ糖が身体の細胞に取り込まれ、エネルギー源として利用されたり、余分なブドウ糖はグリコーゲンへ変換され、血糖値が下ります。

一方、空腹になると血糖値が下がります。そうすると、同じくすい臓からグルカゴンが分泌され、その働きにより、肝臓などに貯蔵されたグリコーゲンをブドウ糖に分解させエネルギーとして使い、血糖値を正常に戻します。

血糖値が上がりやすいとか、上がりにくいというのは、なにを食べるかによって変わってきます。

それは、炭水化物の「質」と「量」で決まりますが、大切なのは「質」です。質の低い炭水化物とは、精製された炭水化物で、早く、消化され、ブドウ糖に分解されるので、食べるとすぐに血液中に出てくるので、血糖値が急上昇するわけです。

食後血糖値が上がりやすい食材の代表選手は砂糖です。そして、精製された穀物である白米や白いパンです。

反対に精製されてない炭水化物は消化に時間がかかり、ブドウ糖は、ゆっくりと血液中に出てくることになるので血糖値の上昇もゆるやかです。

玄米や全粒粉パンなどです。

そして、血糖値が上がりやすい食べ方を続けていると、その度にインスリンが大量に分泌されることが繰り返しますので、インスリンの分泌器官であるすい臓の大きな負担がかかり、しまいにはインスリンの効き目が悪くなり、さらにすい臓に負担がかかりといった悪循環を招くことになり、これが進むと糖尿病を発症することになります。

その前に糖尿病予備軍というステップがあり、糖尿病になるのは、相当、インスリン抵抗性(インスリンの効き目が悪い状態)が進行した結果です。

ところが、糖尿病予備軍になる前の段階で、起こり得るのが、卵巣や精巣、子宮内膜への悪影響です。

◎清涼飲料水やスポーツドリンク、フラペチーノは飲まない
血糖値の上昇を招かない食べ方を心がけることが大切ですが、今回は、1点に絞り、清涼飲料水やスポーツドリンク、フラペチーノを、一切、止めることを提案したいと思います。

なぜなら、それらには「大量」の砂糖や人工甘味料が添加されているからです。

具体的にはコカコーラには57g、午後の紅茶レモンティーには36g、ポカリスエットには30g、いろはすみかんには24g、モンスターエナジーには45g、リポビタンDには18g、R-1ヨーグルトドリンクには15g、キャラメルフラペチーノ・トールサイズ(38g)、抹茶クリームフラペチーノには44g、抹茶ティーラテには24g、三ツ矢サイダーには55gといった量です。

中には、一見、健康的なイメージの飲料もありますが、相当な砂糖が添加されているのです。

これらの飲料を空腹時に飲むのが最悪です。さらに、そこに甘いスイーツを合わせるとより最悪な事態を招きます。

血糖値スパイクといって、「糖尿病ではなく普段は正常な血糖値なのに、食後の短時間だけ血糖値が急上昇する」状態を招きます。

そもそも、これらの砂糖の量が、ヒトの身体に知らず知らずのうちにどれだけ負担になっているのか、想像してみましょう。

WHOの砂糖摂取量に関するガイドラインでは、1日の摂取カロリーに砂糖が占める割合は10%未満に抑えるべきで、5%未満ならなおよいとしています。5%とは平均的な成人なら砂糖約25グラムに相当しますので、清涼飲料水に含まれる砂糖の量がいかに「過剰」であるかがわかると思います。

砂糖入り清涼飲料水は、不妊治療の治療成績に悪い影響を及ぼします。砂糖入り清涼飲料水を多く飲む女性は、そうでない女性に比べて採卵数や良好胚数が少なく、1日に1本以上飲む女性は飲まない女性に比べて体外受精で出産まで至る確率が16%低いという報告がなされています。

敵は、身近に潜んでいます。

2022年のはじまりに際して、まずは、飲料はお茶やミネラルウォーターだけにすることを強くお勧めします。

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・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
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編集後記____________________________________________________________

いわゆるソフトドリンクだけでなく、エナジードリンク、乳酸菌飲料などにも大量の砂糖が添加されていることを知っておきたいですね。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]     VOL.968
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