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VOL.951 生活習慣改善と抗酸化サプリメントで精子の質を改善

2021年09月12日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.951            2021/9/12
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今週の内容__________________________________________________________

・最新ニュース解説:生活習慣改善と抗酸化サプリメントで精子の質を改善
・当社製品&サービス
・編集後記


最新ニュース解説 Sep.2021___________________________________________

 生活習慣改善と抗酸化サプリメントで精子の質を改善
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原因不明で体外受精が2回以上不成功だったカップルの男性の精子の質を測定し、質が不良だった男性に3ヶ月間の生活習慣改善と抗酸化サプリメントの服用で精子の質が改善されたとの報告※がデンマークからなされました。

体外受精や顕微授精を受けるようになると、男性側に求められるのは、精子の「数」や「運動能力」ではなく、「質」です。

体外受精や顕微授精では、精子は卵子のところまで到達するだけの数や運動能力ではなく、正常な受精とその後の胚発育のための要件とされる精子の「質」、すなわち、精子DNAの損傷率です。

◎どんな研究だったのか?
原因不明で体外受精や顕微授精が2回以上不成功だったカップルの男性、93名、そして、比較グループとして健康な男性ボランティア10名に、精子DFI検査を2日から3日間の禁欲期間後に実施しました。

そして、DFI検査の結果が不良(DFI > 15%)だった38名の男性に専門のカウンセラーによる生活習慣改善プログラムを作成してもらい、抗酸化サプリメント服用と一緒に3ヶ月間実行しました。

◎どんな結果だったのか?
3ヶ月間の生活習慣改善と抗酸化サプリメント服用後に精液検査と精子DFI検査を実施した結果、精子濃度や総運動精子数には変化はありませんでしたが、精子DFIは有意に低下し、改善しました。

このことから、原因不明で体外受精を2回以上不成功に終わった場合は、男性側の精子の質の低下を改善することが治療成績の改善に結びつくかもしれません。

◎精子の質とは?
精子の数や運動能力、形態はわかりますが、精子の質と言われても、すぐにはわかりません。

精子の「質」とはなんでしょうか?

それは、精子のDNAが損傷していないこと、になります。

そもそも、精子の役割とは父親になる男性のDNA、すなわち、遺伝情報を卵子まで運び込むこと、それに尽きます。

そのため、精子は、卵子の中に進入して、DNAを届けた後は、消滅してしまいます。

この精子によって運び込まれたDNAが卵子内のDNA、すなわち、母親になる女性の遺伝情報と融合し、子どものDNAが形成されるのが新しい命のスタートになるわけです。

この後のプロセスが正常に進むかどうかは、精子と卵子のDNAが綺麗な状態であること、すなわち、二本鎖がつぎれていたり、傷ついていたりしないことです。

DNAが損傷していると、遺伝情報が正確でなくなってしまい、受精が起こらなかったり、胚や胎児の発育がうまくいかなくなってしまいます。

特に、精子DNAの損傷がある場合、初期胚から胚盤胞までの発育が障害を受けやすくなることがわかっています。

そのため、精子のDFIが高くなると胚盤胞到達率が低くなります。

つまり、妊娠、出産には、卵子の質も、精子の質も、どちらも大切なのです。

◎精子DNAの損傷の測定方法は?
精子DNAの損傷は精液検査では測定できませんので、精液検査は精子の質は反映されません。

そのため、精子のDNA断片化指数(DFI)検査が必要になります。

精子DFI検査は、精液中に精子DNAが損傷した精子がどれくらいの割合で存在するかを測定します。

獨協医科大学埼玉医療センターでは、これまでの精子DFI検査後のカップルの治療成績を追跡し、タイミング法や人工授精で妊娠可能かどうかの予測ラインを24%以下と設定しています。

つまり、精子DFIが24%を超えると人工授精での妊娠の可能性が非常に低くなるので、DFIの改善に取り組みながら、体外受精や顕微授精を受けることが妊娠への近道になるということになります。

◎体外受精や顕微授精が不成功に終わったら
今回の研究では原因不明で2回以上治療が不成功に終わったカップルの男性にDFI検査を実施して、DFIが15%を超えた男性が40%でした。

そして、DFIが高かった男性に3ヶ月間、生活習慣改善(運動や食生活)と抗酸化サプリメントを服用してもらったところ、DFIが改善されたと報告されています。

もちろん、DFIが改善されると妊娠率も改善されたかどうかは調査されていませんので不明です。

また、そこまで調査した研究はそれほどなされていません。

そのため、確実なことは言えませんが、体外受精がうまくいかない場合に、今まで見過ごされていた精子の「質」にも目を向けてみることは、やってみる価値があるのかもしれません。

大切なことは、卵子の質を改善するのは困難ですが、精子は、毎日、つくり続けられていますので、生活習慣の改善や抗酸化サプリメントで改善可能なことです。

精子DNAの損傷の主な原因は酸化ストレスと考えられているからです。

この観点からも取り組む価値があると言えます。

◎女性の年齢と卵子の精子DNA修復能力
もう1つ、大切な観点として、そもそも、卵子には精子のDNAが損傷していても、修復する仕組みが備わっています。

ところが、年齢が30代後半以降になると卵子の精子DNAの修復能力が低下することが多くの研究でわかっています。

そのため、女性の年齢が高くなるほど、質のよい精子であることが必要になってきます。

◎質のよい精子をつくるために
現段階では、精子DFI検査は精液検査に比べて、どこのクリニックでも受けられるわけではありません。

今後は普及していくかもしれませんが、現実問題としては、検査を受けなくても、男性パートナーは生活習慣を改善し、抗酸化サプリメントを摂取することで、精子の質の低下を予防することが可能です。

決して、無駄にはならないと思います。

文献)
※)Int Braz J Urol 2021 Sep 2;47. doi: 10.1590/S1677-5538.IBJU.2021.0604. Online ahead of print.
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編集後記____________________________________________________________

男性の年齢は高くなると精子DFIも高くなることがわかっています。

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