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VOL.870 自然の恵みをいただくということ

2020年02月23日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.870 2020/2/23
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今週の内容__________________________________________________________

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・人材募集のお知らせ
・編集後記


トピックス Feb.2020_________________________________________________

 自然に恵みをいただくとはいうこと

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スーパーフードとして知られているブラジル・アマゾン原産の果実、「アサイー」に子宮内膜症の抑制効果があるかもしれないというマウスを使った研究報告があります(1)。


このアサイー、高齢女性が体外受精が始まる前に摂取すると治療成績が改善されたという研究結果が、2016年のアメリカ生殖医学会でも発表されています。

過去に1回以上、体外受精が不成功に終わった124名の女性(平均年齢37.8歳)に、次回の治療が始まる2〜3ヶ月前から、600mgのアサイーを1日に3回摂取し、治療に臨んだところ、それまで不成功だった治療周期に比べて、採卵数や受精卵数、染色体異常のない胚盤胞数が増え、染色体異常のない胚盤胞の移植後、8割弱が出産に至ったというのです(2)。

これらは、主にアサイーに含まれるポリフェノールの強力な抗酸化作用によるものではないかと、それぞれの研究グループは考えているようです。

ポリフェノールの一種でぶどうの皮に含まれるレスベラトロールには長寿遺伝子を活性化することで、抗酸化作用をはじめとしたアンチエイジング作用が発揮されることが知られています。

当社と大学による共同研究でも老齢マウスにレスベラトロール入りの餌を食べさせ、体外受精胚移植を実施したところ、若いマウスに匹敵する胚移植後の治療成績が得られました。

ポリフェノールというのは代表的な植物成分で、実際、5000以上もの種類があると言われていて、ほとんどの植物がこのポリフェノールをつくっています。

一つの植物でも何種類かのポリフェノールをつくって、蓄えているのだそうです。

代表的なものを挙げると、赤や青、紫の色素であるアントシアン、マメ科に含まれるイソフラボン、茶の渋み成分であるカテキン類、それらにフラボン、フラボノールをあわせてフラボノイド、そして、前述のレスベラトロールで有名なスチルベノイド、コーヒーに含まれるクロロゲン酸で有名なフェニルプロパノイド、また、柿の渋み成分として有名なタンニンなどです。

要するに、野菜た果物を食べることによる健康効果は、さまざまなポリフェノールを摂取することによると言っても過言ではないわけです。

そもそも、植物は、なぜ、ポリフェノールを自らつくり、蓄えるようになったのでしょうか?

それは、植物は動物と違い、動くことができないため紫外線などの環境によるダメージから自分を守る、強力、かつ、精巧な仕組みを備えておく必要があったからです。

つまり、このような防御システムを備えられるようになった植物が生き残ったということではないでしょうか。

考えてみると、私たちが野菜や果物を食べることは、その防御システムをいただくということになります。

まさに、「自然の恵み」としか言いようがありません。

当然、アサイーやレスベラトロールに限らず、アントシアジンなども動物実験ですが体外受精の治療成績の改善効果をもたらすという研究報告がなされています。

この、ありがたい「自然の恵み」を最大限いただかない手はありません。

植物が活性酸素や乾燥、その他の過酷な環境から自分を守り、サバイバルするためにつくられた成分を取り入れ、私たちの生殖機能を守ってくれるに働いてもらうには、どのように活用すればよいのでしょうか。

これまでの研究結果からポイントを整理してみます。

まず、多くのポリフェノールには生体防御、アンチエイジング作用がありますが、発揮されるメカニズムは、それぞれのポリフェノールによって異なります。

そのため、特定の成分に期待するよりも、「たくさんの種類」を摂取して、その相乗効果を得られるということになります。

そして、気をつけたいのは、多くのポリフェノールは水に溶け、吸収されやすいため、即効性はあるけれども、長続きしないということです。

そのため、こまめに摂る必要があるのです。

このことから、「毎食、できるだけたくさんの種類の野菜や果物を食べること」、これに尽きます。

効果の検証がなされていない(エビデンスがない)、そして、理論的にも必然性のない、高価なサプリメントや健康食品を使うのであれば、そのお金を、毎日の野菜や果物に回すほうが合理的であることは間違いありません。

毎食(朝、昼、おやつ、夜)に、できるだけ多くの種類の野菜や果物を食べることです。


◎文献

1)PLoS One. 2016; 16; e0166059

2)Fertil Steril 2016; 106: e265

◎参考書籍
植物はなぜ薬をつくるのか(文春新書)

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編集後記____________________________________________________________

自然の恵みをいただくことはとてもシンプルですね。

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