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VOL.821 体内時計を整える

2019年03月10日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.821                              2019/3/10
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・トピックス:体内時計を整える
・お知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2019年3月10日 最新ニュース
父親の受精前後の葉酸レベルと胚の成長の関係
https://www.akanbou.com/news/news.2019031001.html
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2019年3月4日 編集長コラム
レモン50個分の栄養素は本当に必要なのか?
https://www.akanbou.com/column/henshuuchou/20190304.html
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トピックス Mar.2019________________________________________________

 体内時計を整える
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早いところでは、サクラが咲き始める季節になりました。春は、植物は芽を出し、花々はつぼみをつけ、地中の虫が動き始める、生命力溢れる時です。

動植物は自然サイクルと一体のようですが、私たち人間も、他の生き物と同じように、これからの季節は妊娠するにはよい環境であるはずです。

ーー 体外受精の治療成績を季節別に比較してみると

2004年にthe British Fertility Society Conferenceで、イギリスのチェスターとリバプールの病院で1997年から2001年に体外受精を受けた約3000組のカップルの季節別の治療成績を比較した研究結果が発表されています。

治療が春から夏(5〜9月)にかけて実施された場合と秋から冬(11〜翌年2月)かけて実施された場合では、卵巣刺激に要した排卵誘発剤の量は前者のほうが少なく、妊娠率もよかった(20%対16%)とのこと。

あたたかい時期に治療を行ったほうが排卵誘発剤の量が少なくて済み、妊娠率も高かったというわけです。

また、2010年にブラジルのサンパウロの病院で実施された1932組の顕微授精の治療成績を季節別に比べた研究結果が発表されています。

受精卵の成育率やクオリティ、着床率、妊娠率は季節による違いがなかったけれども、受精率だけが春が73.5%、夏68.7%、秋69.0%、そして、冬が67.9%と、春が最も高く、冬が最も低かったというのです。

同じ治療を施しているのに排卵誘発剤の量が少なくて済んだり、同じように顕微授精を施しているのに受精率が高いというのは、卵の生きようとする力によるものとしか考えられません。

そして、それは春から夏にかけて最も高くなるというわけです。

ーー 体内時計を整えて自然の生命力を享受する

自然界に生命力が溢れる季節を迎え、私たちも生活リズムを自然のサイクルにあわせることで、その恩恵を最愛に享受したいものです。

そのためのポイントが「体内時計を整えること」です。

一言で言ってしまえば、しっかり、体内時計をリセットするということです。

私たちに備わった体内時計は1日は25時間なので、毎日、きちんと、リセットしなければ、どんどん乱れていってしまいます。

年齢が高くなればリセット力が低下していくのでなおさらのころです。

そのため、毎日、"意識的に"体内時計をきちんと合わせ、しっかりと、生体リズムを整えることがとても大切になってきます。

ポイントは「食事」、「運動」、「睡眠」です。

■生体リズムを整えるコツ その1 朝の太陽光
毎朝、太陽の光をゆっくり、しっかり浴びることです。

「光」は体内時計に強い影響を及ぼします。起床後、すぐに窓をあけて、太陽の光を浴びることで、体内時計が補正されます。曇りや雨に日には、明るい蛍光灯でも効果的です。

反対に、夜に強い光を浴びると、体内時計の針は逆に1時間遅れてしまうこになります。夜に強い光を浴びることが習慣化してしまうと、生体リズムはどんどんずれていって、原因不明の体調悪化を招いてしまいます。

そのため、夜の光は禁物です。特に蛍光灯やLED照明のような青色を含む光が悪さをします。また、寝る前の1時間前はPCやモバイルの画面は見ないようにしたいものです。

■生体リズムを整えるコツ その2 夜のメラトニン分泌
夜のメラトニン分泌を活性化させることです。

メラトニン分泌が活発になると、良質な卵が育ちやすくなるとの研究報告もありますから、直接的な効果が期待できるかもしれません。

メラトニン分泌を活性化させるため工夫は3つあります。

1)日中にできるだけたくさんの光を浴びておく
2)十分な運動をしておく
3)メラトニンを補充する

■生体リズムを整えるコツ その3 朝食重視の食生活
朝食、それも、パンとジュースとか、サラダだけというような簡単なものではなく、良質のたんぱく質を含んだバランスのとれた、しっかりした内容の朝食を食べることです。

たんぱく質と糖質を含んだ朝食が体内時計のリセットを促すことがわかっているからです。

以上が基本です。

さらに、生体リズムを整える生活習慣を挙げます。

◎早寝早起き(毎日同じ時刻に。特に、起床時刻)
◎朝のウォーキング
◎時々、時計を見る

体内時計を毎日丁寧に合わせ、生体リズムを整えることは、何も特別なことをする必要はありません。あたりまえなことを、あたりまえに、あえて言えば、あたりまえ度を高めることです。

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お知らせ____________________________________________________________

■不妊治療と経済的負担に関するアンケート2018へのご協力のお願い
http://www.akanbou.com/seminar/20181014-4870.html

■不妊患者の経済的負担の軽減等を目指すための署名活動へのご協力のお願い
http://www.akanbou.com/seminar/20181014-4871.html


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 https://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・お勧めの本:妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
 http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

暦の上では立春が過ぎ、日が長くなっているのを実感できる季節になり、恒例の「体内時計を整える」をお送りしました。

睡眠と妊娠しやすさとの間にはメラトニンというホルモンが介在していると考えられています。暗くなると分泌され、睡眠の導入や質を深めます。

そして、このホルモンは卵胞液中に高濃度で存在し、排卵が近づくにつれて、すなわち、卵胞が大きくなるにつれて、その濃度が高まるというのです。

その働きは強力な抗酸化作用で、卵子を酸化ストレスによるダメージから守っていると考えられています。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]      VOL.821
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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