メルマガ

VOL.801 マインドフルネスでニュートラルなこころの状態を

2018年10月21日

____________________________________________________________________

 妊娠しやすいカラダづくり No.801 2018/10/21
____________________________________________________________________


今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・最新ニュース解説:マインドフルネスでニュートラルなこころの状態を
・お知らせ
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
--------------------------------------------------------------------
2018年10月20日 最新ニュース
マインドフルネスは不妊症女性患者のストレスを低減する
http://www.akanbou.com/news/news.2018102001.html
--------------------------------------------------------------------
記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


最新ニュース解説 Oct. 2018_________________________________________

 マインドフルネスでニュートラルなこころの状態を
--------------------------------------------------------------------
マインドフルネスをベースにしたメンタルケアプログラムが長期間不妊に悩み、体外受精に臨む女性のストレスや抑うつ症状を軽減させ、健康状態を改善させるというランダム化比較対照試験の結果がブラジルから報告されています。

プログラムは瞑想を中心に、リラクゼーション法や自律訓練法、イメージ療法、バイオフィードバックなどからなり、週に2時間を8週間続けられるものです。

このプログラムを平均7年間、不妊に悩み、これから体外受精を受ける予定の女性に受けてもらい、その前後のストレスや抑うつ状態、健康状態の変化をプログラムを受けなかった女性と比較したところ、プログラムを受けなかった女性では変化が見られなかったのに対して、受けた女性ではストレスや抑うつ症状が軽くなり、トータルの健康状態も改善がみられたというのです。

不妊治療患者にマインドフルネスをベースにしたプログラムの有効性を検証した研究は、既に2013年にポルトガルのグループによって実施しされ、やはり、ストレスや抑うつ症状を測るスコアが低下したことを報告しています。

マインドフルネス瞑想や心理療法は、日本でも医療として、不安障害やうつ病などの精神疾患の治療に用いられていますが、ストレスフルな不妊治療を受ける女性にとって、取り組み方次第ではとても有効な方法になるかもしれません。

もちろん、これらの研究で実施された不妊治療患者のために開発されたマインドフルネスをベースにしたプログラムは、どこでも受けられるわけではありません。

ただ、マインドフルネス瞑想は、多少の訓練が必要かもしれませんが、誰でも、どこでも、お金もかからずに取り組めて、「たんたんと」、治療に臨むのに、役立つはずです。

現在、不妊治療を受けていらっしゃる方にとって、ニュートラルな精神状態でいることが、とても大切であるのにもかかわらず、なかなか、難しいと思うからです。

◎マインドフルネスとは?
マインドフルネス瞑想は、最近、日本でも関心が高まっているので、耳にしたことがある方も少なくないと思いますし、もしかしたら、実践しているという方もいらっしゃるでしょう。

マインドフルネスが、日本で知られるようになったのは、アメリカでマインドフルネス、すなわち、もとをたどれば、仏教の教えですが、それをベースにしたメンタルケアや心理療法のプログラムが開発され、広まり、ある種のムーブメントというか、生き方として定着したからです。

仏教の瞑想法がアメリアで洗練され、それが日本に伝わったというイメージでしょうか。IT企業のグーグルが社員研修に導入しているそうです。

さて、マインドフルネスとはなんなのでしょう。

日本マインドフルネス学会では以下ように説明しています。

「マインドフルネスを、"今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること" と定義する。」

「なお、"観る"は、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味である。」

要するに、心が、「今」、「ここ」にある状態であると。

そして、自分の内や外で起こっていることを、評価したり、批判したりしないで観ると。

◎「今、ここに」とは?
なかなか、言葉では伝わらないと思いますし、そもそも、私自身が説明する資格があるとも思えないので、興味をもたれた方は、是非、ご自身で行動を起こしてもらうしかないのですが、考えてみれば、私たちは、普段、なにかしら考えていて、それは、「今」ではなく、「過去」のことであったり、「未来」のことであったりします。

つまり、心ここにあらず状態です。

たとえば、前回の治療結果や次回の治療についてあれこれ思ってみたりしると思いますし、前回の治療がなぜうまくいかなかったのか、その原因をあれこれ考えを巡らせたり、次回の治療がうまくいくかどうか心配したり、そして、いったい、いつになったらうまくいくのか不安になったりしていると思います。

もしも、この通りであれば、こころは「過去」や「未来」にあり、そして、そのことを「評価」しまくっているわけです。

それによって、頭の中では、不信や自信のなさ、後悔、不安、心配がうずまいているはずで、このような状態が常態化しているかもしれません。

ただし、冷静になって、よくよく考えてみると、それらは、さしたる根拠がなく、ほとんど、推測であり、取り越し苦労であり、考え過ぎであることがすぐにわかると思います。

つまり、自分で、自分の認識を歪めているのです。

そこで、マインドフル瞑想で、ここをを、「今、ここに」つなぎとめることで、過去の後悔、そして、未来への心配、不安で頭がいっぱいになってしまっている状態から抜け出すのです。

そして、ありのままの自分でいることで、歪みが緩和されるようになるはずです。

◎こころがニュートラルな状態に
リプロションクリニックの松林先生は、ご自身のブログで「妊娠には「ニュートラルな気持ち」で!」ということで「平静な心」が重要であると指摘されています。

そのまま、以下に貼り付けます。

--------[松林先生のブログここから]------------

「先生の患者さんで妊娠・出産した最高齢の方は何歳ですか?」と訊かれることがあります。

「50歳の方です。ただし、妊娠治療中ではありません、治療をやめた後の自然妊娠です」と答えると、皆さんビックリされます。その方の妊娠・出産については、英語の論文として2003年に発表し、「治療をやめることは妊娠を諦めることではない」こと、「平穏な心が大切である」ことを示しました。

平穏な心は、張りつめていた気持ちが途切れた時に、知らず知らずに生じるようです。引っ越し、転勤、転職など、あるいは治療のお休み期間中やステップアップ直前など、気が抜けている時に自然妊娠することをしばしば経験します。

体外受精の妊娠判定日は誰もが緊張していますが、何も考えていないような時によく妊娠します。

私は、このような状態を「ニュートラルな気持ち」と表現しています。この様なことは意外に多くありますが、医学を学んだ医師にとって、何となく科学的でないことは頭の外に置いておこうとする傾向にあるため、真面目に取り組むことがほとんどなかったように思います。

私はエビデンスを重んじる医師(科学者)ですが、その一方で、心のケアの重要性を研究し発表して来ました。このような領域を研究することによって私が常に感じるのは「生命の神秘」です。
私たち人類がクリアできない領域がまだまだ多く残されているように思います。

--------[松林先生のブログここまで]------------

大切なのは、それでは、どのようにして「ニュートラルな状態」になるかです。自分で、「引っ越し、転勤、転職など、あるいは治療のお休み期間中やステップアップ直前」をつくるわけにもいきません。

私は、「マインドフルネス瞑想」だと思います。

興味をもたれた方は、現在、多くのマインドフルネス関連の書籍が出版されていますし、セミナーなども開催されています。

取り入れてみてはいかがでしょうか?

--------------------------------------------------------------------
記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


お知らせ____________________________________________________________

◎【放映予告】10/25 NHK・BS1「精子力クライシス」
http://www.akanbou.com/info/20181025-4875.html

◎不妊治療と経済的負担に関するアンケート2018へのご協力のお願い
http://www.akanbou.com/seminar/20181014-4870.html

◎不妊患者の経済的負担の軽減等を目指すための署名活動へのご協力のお願い
http://www.akanbou.com/seminar/20181014-4871.html

◎Fine まつり2018のご案内
http://j-fine.jp/matsuri/2018/matsuri.html


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 https://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
 http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

10月25日の木曜日の午後9時からNHKのBS1スペシャルで「精子力クライシス」が放映されます。

番組のホームページは以下です。
http://www4.nhk.or.jp/bs1sp/x/2018-10-25/11/21859/3115491/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.801
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします。
--------------------------------------------------------------------
不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、二人で話し合い、考えを整理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出来る限り客観的な視点でお届けしています。
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎発行部数
・自社配信: 1,459部
・まぐまぐ: 2,856部
・合計部数: 4,315部(10月21日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決してありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負いませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属します。一切の無断転載はご遠慮下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎バックナンバーはこちらでご覧いただけます。
http://akanbou.com/mailmagazine/
◎ご意見・ご感想はメールにてお願いします。
info@akanbou.com
◎配信解除、アドレスの変更はこちらからお願いします。
http://akanbou.com/mailmagazine/
◎妊娠しやすいカラダづくりサイト
http://www.akanbou.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━