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VOL.767 身体を動かすことは「デフォルト」なのかもしれない

2018年02月25日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.767 2018/2/25
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・今月のトピックス: 身体を動かすことは「デフォルト」なのかもしれない
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年2月25日 最新ニュース
ART女性患者の運動と妊娠率、出産率:メタ解析
http://www.akanbou.com/news/news.2018022501.html
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2018年2月23日 曇り時々雨、のち晴れますように
平昌オリンピック
http://www.akanbou.com/column/reproductivecounseling/20180223.html
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今月のトピックス Feb.2018__________________________________________

 身体を動かすことは「デフォルト」なのかもしれない
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体外受精や顕微授精の治療周期前の運動習慣は、良好な妊娠率や出産率に関連するという研究結果が中国の研究者らによって発表されました(1)。

研究はメタアナリシスという方法で、これまでに女性患者の運動習慣と治療成績の関連を調べた8つの試験(対象者総数:3683名)で得られたデータを統合し、解析しています。

その結果、運動習慣のある女性は、ない女性に比べて、妊娠率が1.96倍、出産率が1.95倍だったというのです。

ただ、着床率も運動習慣のある女性のほうが良好だったものの、有意な差ではなく、流産率は関連しなかったとのこと。

あくまで、関連したということで、運動することで治療成績がよくなったことを確かめたものではありませんが、運動習慣そのものは心身の健康にプラスになることは間違いありませんので、治療成績にもプラスに働くことは、当たり前のことと言えるのかもしれません。

この論文の筆者は、運動が治療成績に良好な影響を及ぼすメカニズムとして、以下の3つを挙げています。

まずは、健康状態が改善され、エネルギーバランスが整うことが生殖機能と密接に関連しているのではないかということ。

また、運動習慣によってインスリンの効き目がよくなり、そのことが、卵巣の働きや子宮内膜の状態にプラスに働くのではないかということ。

そして、最後にメンタル面への影響を挙げています。運動習慣はメンタルストレスを緩和させ、そのことも生殖機能にプラスに働くということ、です。

身体のエネルギーをつくる効率をよくし、生殖機能だけでなく、精神面にもプラスに働き、生殖機能をバックアップするというものです。

どちらかと言えば、直接的というよりも、間接的で、根本的、言わば、「縁の下の力持ち」と言えるでしょうか。

もっと言えば、身体を動かすことで、正常に働くように、私たちの身体はできているのかもしれません。

ところが、現代は、あらゆる場面で、身体を動かす必要がない社会になっています。

「冷え」を訴える声をよく耳にしますが、もしかしたら、私たちの身体は、元々、身体を動かさないと冷えるようにできているのかもしれません。

つまり、身体を動かすことが、コンピュータで言うところの「デフォルト(初期設定・動作条件)」なのではないかと。

実際に、その昔は、身体を動かさなければ生きていくことができなかったわけです。

身体のあたたかさ、すなわち、「熱」は、糖や脂肪などのエネルギー源を酸素で燃やし、エネルギーをつくるときに、放出されるものです。

身体を動かすことはエネルギーをつくる効率を高めます。

もしも、身体を動かすことがヒトの標準仕様であれば、あらゆる生活の場面で身体を動かす必要がなくなった現代社会では、身体が冷えるのは、不思議なことでもなんでもなくて、当たり前なのかもしれません。

であれば、現代においては、運動は、私たちに備わった、体内のあらゆる働きに、気持ち良く働いてもらうための鍵になります。

これを使わない手はありません。

私たちの身体が、日々刻々と、つくっているエネルギーは、残念ながら「溜めておく」ことができません。

つまり、運動は習慣的にやらないと意味がないとうことです。

日常生活に組み込んで、頑張らなくても、身体を動かすような生活の仕組みをつくることが大切だと思います。

私たちに備わったというか、授かった身体が、気持ちよく、働くように、自分たちの生活を見直してみる必要があるのかもしれません。


◎文献)
1)Reprod Biol Endocrinol 2018; 16: 11

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編集後記____________________________________________________________

まだまだ、寒い日が続きます。

外出時の防寒対策や温まる食べ物、温まる飲み物で、身体を、"外から、内から"温めることも大切ですが、即効性がありますが、一時的、依存的なものです。

そのような、「他力本願的」に温めることもさることながら、自らが自らの身体を温める、言ってみれば、「自家発電的」に温かくなると、飛躍的に効果が高まります。

自分で冷えにくいカラダをつくるという感覚です。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.767
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://partner-s.info/
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・合計部数: 5,046部(2月25日現在)
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