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VOL.531 高度生殖医療は「最後の砦」か?

2013年08月18日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.531 2013/8/18
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・編集長コラム:高度生殖医療は「最後の砦」か?
・連載企画:第11回 脱日常  脱ルーティーン
・妊カラ編集室から
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2013年8月17日 妊娠報告
25回以上の人工授精で不妊と不育症を克服
http://www.akanbou.com/houhoku/houkoku-2013081701.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


編集長コラム Aug.2013_______________________________________________
 
 高度生殖医療は「最後の砦」か?
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一人目のお子さんを体外受精で授かった女性の3分の1は2年以内に二人目
のお子さんを自然妊娠で授かっているという、オーストラリアのモナーシュ
大学の研究者らによる最新の調査結果が発表されています。
http://p.tl/dFDm

一人目を体外受精で妊娠、出産した236名のメルボルンとシドニー在住の
オーストラリアの女性に聞き取り調査をしたところ、その内の33%の女性
が2年以内に二人目を自然妊娠していたというのです。

不妊原因でみれば原因不明が多かったとのことですが、それにしても3分の
1という割合は、少々、驚きです。

「最初の体外受精は必要なかったのかもしれない・・・」ということが言え
るのかもしれません。

ただ、当然、その時点では体外受精が必要であるという「判断」をしたわけ
です。

ですから、そのこともさることながら、この調査結果は不妊症というか、人
間の生殖器官や生殖機能の「複雑さ」や「あいまいさ」を物語っているよう
に思えるのです。

要するに、一人目のお子さんを切望している時には体外受精が必要な状態で
あったのだけれども、その後、そうでなくなるなんてことは、しょっちゅう、
起こり得ることなんだと。

妊娠を妨げているのは、一般に「不妊原因」として知られているもの以外に
たくさんあって、かつ、その時々で、割と変わってしまうものなのかもしれ
ないということです。

たとえば、子宮内膜症があって、その影響で卵管が通りづらく、自然妊娠が
難しかったのに、体外受精で妊娠、出産したことで、生理が止まっている間
にその程度が緩和されて、自然妊娠が望めるようになることだってあるかも
しれません。

また、一人のお子さんを授かったことで、夫婦ともども、気持ちに余裕が出
て、子づくりのための(義務化された)セックスから解放されたり、セック
スの回数が増えたりするということもあるのかもしれません。

さらに、不妊治療をステップアップしていく、その中で、次第に、自分たち
の「力」に対する自信が失われたり、感じるストレスも強くなったりして、
「本能」や「野生」が押し込められるようになり、その結果、本来、備わっ
ていたはずの「妊娠する力や妊娠させる力」が低下していたのが、治療から
解放されたら、それらが復活したということもあり得ます。

つまりは、身体や心の状態は、常に一定ではなく、その時々で、男女の生殖
能力を大きく左右するというわけです。

で、言いたいことはここからなんです。

だからこそ、その時々で、必要と考えられる治療を受ければいいということ
です。

もっと言えば、体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療も「最後の砦」
なんかじゃなく、その時々で、必要があれば受けるという考え方が大切だと
思うのです。

体外受精は、女性の卵管や男性側に問題があって、卵子と精子が出会えてい
ない場合に、確実に出会わせたり、最も強力、かつ、効率的に、卵巣を刺激
し、たくさんの卵子を成熟させ、妊娠するだけの力が備わった質のよい卵子
に出会える確率をうんと高めることを目的とした治療なわけです。

顕微授精は、もちろん、卵子と精子を一緒にしても受精が起こらない場合に、
卵子の中に精子を注入して授精させることを目的とした治療です。

自分たちに必要なことは何なのか、そのためにどんな治療を、どれくらい受
けるべきなのか、それぞれの治療を受ける目的をもっと意識すべきではない
か、そう思います。

たとえ、高度生殖補助医療と言えども、すべての目的をカバーする治療では
決してないわけです。

もしも、間違って過大な期待を抱いてしまえば、なぜ、これだけのお金と労
力をかけても妊娠できなのかという、大きなストレスを溜め込み、自分たち
を間違った袋小路に追い込んでしまいかねません。

妊娠を妨げてしまうモノやコトはたくさんあって、その時々で、変わるとい
う状況の中では、一つの手段に頼ってしまうほどリスキーなことはありませ
ん。

自分たちのカラダやココロの状態を冷静にみつめて、自分たちなりの解決策
を戦略的に考えて、実行していくことが大切でしょう。

そういう意味では、体外受精ではなく、"夫婦の絆"こそが、「最後の砦」な
のではないでしょうか?

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↓編集長コラムバックナンバー
http://www.akanbou.com/column/henshuuchou/
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アンガーマネジメントで妊娠しやすいココロづくり______________________

 第11回 脱日常  脱ルーティーン
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こんにちは。

この夏、6週間ほどの日本里帰りを終えて、先日フロリダへ戻りました。う
だるような暑さのなかでの滞在中、朝日新聞朝刊別刷『be』にフィンランド
がとりあげられ、群ようこさんの小説&映画『カモメ食堂』が紹介されてい
ました。

あぁ、懐かしい!

あの映画は、DVDで友人に譲ってもらって、何度も繰り返し観た大好きな
映画なのです。小説では、映画では紹介されていなかった「なぜそれぞれの
登場人物がフィンランドへ向かったか」が詳しいとあったので、気になって
買って帰りました。

この先少しネタばれになってしまいますが、ご了承ください。

さて、カモメ食堂の3人の女性にはそれぞれの事情があることがよくわかり
ました。映画でも目をひく芯の強さを持ちながらも、ひょうひょうと生きる
主人公のサチエ(がどうやってフィンランドで開業したかはずーっと知りた
かったので、嬉しかった!)はさておき、あとの2人はどうやら精神的にも
物質的にも日本に居場所がない、今自分のおかれた現状にどうしても腹が立っ
て仕方がない、といった理由をもとにフィンランドへ向かったようです。

とにかく、「今いる場所や拘束されるものから逃げたい」という精神状態に
なったら、何もフィンランドまでいく必要はないかもしれませんが、「とり
あえずその場を離れる」というのは、賢策でしょう。

その場所から身を離してみることで、客観的に自分をみることができるよう
になるでしょうし、ただ単によい気分転換が必要なだけだったことに気づく
かもしれません。この2人も、サチエの食堂を手伝いながら、かつての自分
を振り返りつつ、今の自分を新しく発見・開拓してゆきます。

でも私がすごいなぁ、と思ったのは2人の行動力。

すでに自分の力ではどうにもできないまわりとの軋轢にストレスを抱えなが
らも、「行く」と決めたら、必ず行く。そうしてフィンランドまでやってき
ます。言葉も不自由で旅慣れていない2人にとって、旅の計画自体もストレ
スになっていた可能性さえあるのですが、2人はそれぞれ有言実行。

これって、きっと「旅を実行」した時点で、2人は自分自身あるいはストレ
スフルな環境に勝っていたのでしょう。つまり2人は、フィンランドに来て
から新しい自分を発見できたのではなくて、計画を立てて実行(=脱・日本)
した時点で新しい自分に出会っていたのかな、と。

一皮むける、なんて言い方もありますが、きっかけはこの2人のように脱・
日本かもしれないし、例えば、パンツをやめてスカートを履く、朝日新聞か
ら日経にかえてみる、なんていう小さな脱・日常なのかもしれません。そこ
には居心地の悪さやストレスがついてくることもあるでしょう。

でも、それでもいちど変えてみる、とにかくやってみる、に重きをおいてみ
てはいかがでしょう。

人は、ルーティーン(日常)が好きです。それがたとえ居心地の悪いもので
あっても、です。なぜならそこから抜け出すには変化が必要。その変化が怖
い、面倒、ストレスになる、といった理由からです。

ですが、敢えてそこへ飛び込むことでストレスへの耐性も上がるかもしれま
せんし、脱ルーティーン=冒険ということばに置き換えてみてください。な
んだかほら、ちょっとわくわくしてきませんか?

ん?まだピンと来られない方は、『カモメ食堂』ご覧になることをお勧めい
たします。クールなお話と涼しげな映像で、ちょっと旅に出た気分になれま
すよ、きっと。

(ロワ佐奈子)

*この連載は隔週でお届けしています。
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妊カラ編集室から____________________________________________________

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内をメールにてお送りします。

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・メール:info@akanbou.com
・フリーダイヤル:0120-601-281

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私たちはお子さんを望まれるカップルを応援します。

▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
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▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 〜 ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/

▼お子さんを望まれるふたりのためのサプリメント
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http://babyandme.jp/

▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html


編集後記____________________________________________________________

今日は長いお盆休みの最後で、明日から、また、日常の生活がはじまるとい
う方も少なくないでしょうね。

このお盆はご縁があって、ベトナムの不妊治療関係の行政のトップにお話を
お伺いしたり、治療現場を見学させていただくという、得難い経験をさせて
いただくことが出来ました。

言葉では言い尽くせない刺激がありました。

この貴重な経験をいろいろな形で役立たせねばと思っています。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.531
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お子さんを望まれるカップルの"選択"や"意志決定"をサポートします
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理して、自分たちに最適な答えを出すためのヒントになるような情報を、出
来る限り客観的な視点で、お届けしています。
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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・合計部数: 5,345部(8月18日現在)
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