メルマガ

VOL.445 卵巣年齢と卵巣のアンチエイジング、そして、精子の質

2011年12月25日

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 妊娠しやすいカラダづくり 第445号 2011年12月25日発行

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.akanbou.com

お子さんを望まれるカップルを応援します。

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。


━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼2012年に向けて
卵巣年齢と卵巣のアンチエイジング、そして、精子の質


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2012年に向けて
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 卵巣年齢と卵巣のアンチエイジング、そして、精子の質
--------------------------------------------------------------------
 
2011年最後の妊カラです。

2011年を振り返り、そして、2012年に向けて、参考にしてもらえる
ようなお話しができればと思います。

トピックは、卵巣年齢と卵巣のアンチエイジング、そして、精子の質の3つ
です。

---

今年、私にとって最も印象に残っているのは、アンチミューラリアンホルモ
ン(以下、AMH)のことです。

AMHは、卵巣にあとどれくらい卵子が残っているのか、すなわち、卵巣予
備能と呼ばれる"卵巣年齢"を知るための手掛かりになるホルモンなのです
が、個人差が本当に大きいのですね。

この分野の第一人者でいらっしゃる、名古屋の浅田レディースクリニックの
浅田義正先生に、2000人以上の患者さんの年齢とAMH値の関係のグラ
フをみせていただいた時には、本当に驚きました。

年齢に関係なく、AMH値のバラツキがとても大きいことが、一目瞭然でし
た。

30代前半でもAMHがゼロに近い値の女性、反対に、40代でも比較的高
い値の女性が、決して、珍しくないのです。

卵巣の老化スピードが早い女性もいれば、遅い女性もいるということに他な
りません。

つまり、30代だから余裕があるとか、反対に、40代だから急がないとい
けないとか、一概には言えないわけです。

出口の見えないトンネルにたとえられる、先の見えにくい不妊治療で最も悩
ましいのは、予め、確実に妊娠に至る治療方法を知る方法がないことでしょ
う。

どんな治療を、どれくらい続けるべきか、どのタイミングでステップアップ
すべきか、迷ってしまいます。

手遅れになって、後々、後悔するのも嫌だし、かといって、慌ててステップ
アップすることで不必要な治療を受けることになってしまうのも避けたいも
のです。

自分たちにふさわしい治療のペースや治療方法を自ら選択するためには、お
おまかにでも自身の卵巣年齢を知っておくに越したことはありません。

そのために、AMHがとても役に立つというわけです。

------

さて、年を重ねることで妊娠率が低下してしまうことに対して、私たちに出
来ることと言えば、出来るだけ早く、子づくりや不妊治療をはじめることだ
けなのでしょうか。

もちろん、卵巣年齢を逆転させることは出来ません。

卵巣内の卵の数を増やすことは出来ませんが、妊娠できるかどうかは、卵巣
内の卵の"総量"ではなく、その周期に成熟する卵の"質"次第です。

妊娠するだけの力を備えた卵に巡り合えるかどうかは、ほとんど、"運"で
すが、私たちに出来ることもあります。

高度な不妊治療においては、可能であれば卵巣を刺激して、採卵する成熟卵
の数を増やすことで、質のよい卵に巡りあう確率を高めることです。

そして、"卵巣のアンチエイジング"です。

卵巣のアンチエイジングと言っても、"必殺技"や"飛び道具"は存在しま
せん。

何も特別なことをするわけではなく、本当に当たり前なことばかりです。

まずは、血流をよくすること。

卵巣も、子宮も、臓器の1つで、かつ、末端に位置するため、心臓から最も
遠いところある臓器です。

そのため、血流が滞りやすくなる宿命にあり、血流が滞ると、卵巣や子宮へ
の酸素や栄養素、ホルモンを供給が不十分になると、当然のごとく、生殖機
能が低下してしまいます。

そのため、常に、血流をよくしておくことが卵巣の機能低下の予防になるわ
けです。

また、必須栄養素のバランス。

これが悪ければ、卵の健全な成育、成熟は望むべくもありません。

たんぱく質や糖質、脂質の3大栄養素にビタミンやミネラル、食物繊維を加
えた5大栄養素が過不足ないことです。

ところが、厚生労働省の調査では、30代40代の女性で、葉酸や鉄、亜鉛、
カルシウムなど、卵の成育に絶対に欠かすことのできない栄養素が必要十分
量が摂れているとは言い難い状況にあります。

問題を効率よく解決するためには、決して、珍しい成分の健康食品やサプリ
メントではなく、原料の出処がはっきりしていて、適切な量が配合された、
信頼のおけるビタミンやミネラルなどを、サプリメントで補充することも大
切なことです。

そして、ホルモンバランス。

女性の複雑なホルモン分泌を支配しているのは、全身の細胞に存在すると言
われている「体内時計」です。

体内時計が機能するためには、早く寝て、早く起きる、規則正しい生活リズ
ムが不可欠です。

当たり前、かつ、誰でも知っていることばかりですが、現代の生活では、意
識的に取り組む必要があるのかもしれません。

------

卵巣年齢も、卵巣のアンチエイジングも、母親になる女性のことで、男性は
蚊帳の外なのでしょうか?

男性について言えば、顕微授精という治療法が確立されてからは、たとえ、
重度の男性不妊であっても、1個の精子さえあればよいというような風潮が
ありました。

ところが、最近は、精子の質が、妊娠の成立や継続に不可欠であることがわ
かってきました。

つまり、卵子の質だけではなく、精子の質もとても大切で、卵子の質だけで
は片手落ちだというわけです。

今年は、精子のDNAの損傷率が顕微授精の治療成績に影響を及ぼすとの報
告が多数なされています。

つまり、精子が"あるかないか"というだけでなく、精子の"質"も問われ
るのです。

活性酸素の発生量が多くなるようなライフスタイルの男性、禁欲期間の長い
(射精する頻度の少ない)男性の精液中には、DNAが損傷された精子の割
合が高いことも、多くの試験で確かめられ、明らかにされました。

考えてみれば、既に全ての卵子を卵巣内にたくわえている女性とは異なり、
男性の場合は、日々、新たに精子をつくり続けているわけで、体内の環境が
及ぼす影響は精子のほうが直接的で、改善の余地も精子のほうが大きいのか
もしれません。

そういう観点から言えば、男性こそ、精子にやさしい体内環境を目指すべき
でしょう。

抗酸化サプリメントの精液所見や治療成績の改善効果についての報告も多数
なされた年でした。

---------

前号は、後悔しない選択、そのものについて考えましたが、この号では、そ
のための参考にしてもらいたいテーマをピックアップしました。

今年は3月11日の震災、それに続く原発事故で、本当に大変な年でした。

いろいろなことを考えさせられました。

妊娠しやすいカラダづくりは、来年で9年目になりますが、その経験を糧に
し、そして、新たなスタッフを迎え、役立つ情報の発信に努めたいと考えて
います。

来年もよい年にしましょう。

どうぞ、よいお年をお迎えください。

--------------------------------------------------------------------
記事についての感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.445
--------------------------------------------------------------------
発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎配信部数
・自社配信: 201部
・まぐまぐ:5,010部
・合計部数:5,211部(12月25日現在)
--------------------------------------------------------------------
◎免責事項について
当メールマガジンの提供する情報は医師の治療の代わりになるものでは決し
てありません。プログラムの実行は各人の責任の元で行って下さい。プログ
ラムの実行に伴う結果に関しては、当社の責任の範囲外とさせて頂きます。
--------------------------------------------------------------------
◎注意事項
読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載させていただく
場合がございます。匿名などのご希望があれば、明記してください。また、
掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。メールに記載された内容
の掲載によって生じる、いかる事態、また何人に対しても一切責任を負い
ませんのでご了承ください。
--------------------------------------------------------------------
◎著作権について
当メールマガジンの内容に関する著作権は株式会社パートナーズに帰属しま
す。一切の無断転載はご遠慮下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎バックナンバー http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000116311
◎ご意見・ご感想はメールにてお願いします info@akanbou.com
◎配信解除 info@akanbou.com宛に空メールをお送り下さい。
◎妊娠しやすいカラダづくりサイト http://www.akanbou.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━