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VOL.430 カラダを実りの秋モードに切り替えよう

2011年09月12日

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 妊娠しやすいカラダづくり 第430号 2011年9月12日発行

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お子さんを望まれるカップルを応援します。

なかなかお子さんが授からないことに悩むカップルが、
悩みを克服するために、"二人で話し合い、考えを整理"して、
"自分たちにふさわしい答えを出す"上でのヒントになるような情報を、
出来る限り客観的な視点で、毎週末、登録頂いた皆さんに配信しています。


━[今週の内容]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼今月の特集
カラダを実りの秋モードに切り替えよう

▼妊カラ編集室から
Fine祭り2011 ひとりじゃないよ 不妊!

▼編集後記


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 今 月 の 特 集
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 カラダを実りの秋モードに切り替えよう
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9月も中旬になり、気温はあいかわらず30度、夜も寝苦しかったりするも
のの、秋の気配は少しずつ感じられるようになった今日この頃です。


━ 秋は流産しにくくなる

藤田保健衛生大の中沢和美教授(産婦人科)が、約2800人の妊婦のデー
タを追跡したところ、10~11月ごろに妊娠すると流産する確率が低くな
る傾向があると報告しています。

この傾向について、季節的に繁殖期がはっきりした動物がいるように、人間
も季節で体のリズムが変化する可能性があるのではないかと推測しています。

平成元~3年に受診した妊婦の最終月経があった月別に3年間の平均流産率
を集計したところ、最終月経が10月と11月だった人の流産率だけがいず
れも7%と低く、他の月は16~22%と2倍以上だったとのこと。

また、昭和58年からの12年間に、同じ病院の約1万1400件の出産の
分布を調べた結果、前年の10~11月に妊娠した人が出産する、8~9月
ごろが年間のピークの一つになっていたといいます。


━ "待つ"という感覚も大切にしたい

このことは何を意味するのでしょうか?

明らかな理由はわかりませんが、私たち人間も、他の動物たちと同じように、
大自然の影響を少なからず受けているということなのでしょうか。

秋に流産率が低くなるということは、生命力のある受精卵が育まれるような
環境が、この季節には整うということなのかもしれません。

いずれにしても、新しい生命の誕生は、最先端の医療をもってしてもコント
ロールできない領域の影響を受けているということに他なりません。

特に、不妊治療を受けるようになると、月経周期にあわせて、さまざまなホ
ルモンをコントロールし、人間の生殖能力までも、医療でコントロールでき
るかのような錯覚に陥ってしまいかねません。

そして、その錯覚は、妊娠できなかったときの心の落ち込みを大きくしてし
まいます。

私たちの生殖能力は大きな自然の支配を強く受けていることを自覚すると、
もう少し余裕をもって赤ちゃんを待つという感覚を持てるようになるかもし
れません。

また、そのことでストレスが多少なりとも緩和されるようになるでしょう。


━ 自然のパワーを味方につけるために

一方で、新しい生命の誕生は大自然の影響を強く受けているのであれば、そ
の力を味方につけて、妊娠のチャンスを大きくしたいものです。

秋という、生命力の強い受精卵を育む季節の恩恵を最大に受けましょうとい
うことです。

そのために必要なことは、カラダを夏モードから秋モードに切り替えること
です。

そして、そのポイントは自律神経です。

私たちの身体には、夏でも、冬でも、つまり、外部の気温が変化しても、体
温を37℃前後の一定に保つ調整機能が備わっています。

37℃前後が体内のさまざまな代謝に関わる酵素が最も働きやすい環境だか
らです。

そのため、暑くなれば、汗をかくことで、寒くなれば、筋肉をふるわせるこ
とで、体温を一定範囲内に保とうとするのです。

ところが、エアコンやエアコンによる屋外と屋内の気温の差は、その体温調
節機能を戸惑わせることになってしまいます。

その結果、体温調節機能を司る自律神経のバランスに、影響を及ぼしてしま
うことになりかねません。

体温調節機能が戸惑っても、若い頃は、若さでカバーできるのでしょうが、
30代も半ばを過ぎると、それによって、自律神経、ひいては、ホルモンバ
ランスや免疫機能にも影響を及ぼしてしまいます。


━ 自律神経を整える

自律神経を整えるといっても、そもそも、自律神経とは、私たちの意志とは
無関係に働く、自立(自律)した神経なわけですから、直接的に介入できる
ものではありません。

あくまでも、間接的に働きかけるしかないのです。

自律神経は、交感神経と副交感神経が交互に働くことで、身体のさまざまな
機能をコントロールしているとされています。

このため、自律神経のバランスを整えるには、ごくごく、簡単に言ってしま
えば、メリハリをつけるということになります。

まずは、肉体的にも精神的にも、そして、生活面でもメリハリをつけること
が大切です。

1)とにかく動いて汗をかくことを心掛ける

涼しくなってくると屋外にいることが爽やかに感じるようになります。

そこで、運動です。

とにかく、身体を動かすことで、じわしわと、汗が出てくるような、自然な
発汗を促すのが効果的です。

体温調節機能が低下してしまうと、汗をかくにくくなってしまうことがあり
ます。

湯船に浸かったり、半身浴で、汗をしっかりかくことも必要ですが、身体を
動かすことで、体温をあげ、そして、汗をかくことで、自律神経のバランス
を整えることになります。

2)深呼吸(呼吸法)をする 

深く、ゆっくりとした呼吸を繰り返すことは、自律神経のバランスを整える
のにとても効果的です。

ゆっくりと、深く、息を吸うと、交感神経優位になり、反対に、ゆっくりと、
深く、息を吐くことで、副交感神経が優位になります。

そして、このことを繰り返すことで、自律神経のバランスが整うというわけ
です。

3)大笑いする

呼吸法と同様、大笑いしているときは、交感神経優位になり、その後、副交
感神経が優位になります。

身体を動かし、深呼吸を繰り返し、大笑いする。

自律神経は身体のざまざまな機能をコントロールしているので、そのバラン
スが崩れると、いわゆる不定愁訴といって、いろいろな不調が起こり得ます。

ところが、そのバランスを整える方法は、
本当に、単純で、簡単なのですね。

エアコンという、ある意味で、不自然な環境にいることによって、起こりえ
る身体の不具合は、人間として備わった身体の働きのメリハリをつける、つ
まり、人間として(進化論的に)、自然な状態を維持することで、元通りに
なるのですね。


━ 体温を上げる

秋モードにスムースに移行するためのもう1つのポイントが「体温」です。

夏から秋にかけて、改めて、身体を冷やさない、そして、意識的に体温を上
げることが大切な時になります。

本来、暑い夏であるにもかかわらず、薄着とエアコン、飲食で、身体を冷や
すのが、現代の夏です。

そして、季節が変わり、気温が下がってくると、さらに、身体を冷やしてし
まうことになります。

体温が高いとか、低いとかは何によって決まるのでしょう。

身体の温かさのもとになる"熱"はどのようにしてつくられているのでしょ
う。

身体の中で、食べることで取り入れた糖や脂肪などのエネルギー源を、呼吸
で取り入れた酸素によって、燃やすことで、エネルギーが放出される際に発
生する熱によるものなのです。

エネルギーの代謝に伴い産生される熱ということです。

ですから、体温を上げるには、まずは、このエネルギー代謝がスムースにい
くようにすること、そして、基礎代謝を高めることです。

1)エネルギー代謝をスムースにする

エネルギー代謝をスムースにするためには、まずは、エネルギー源になる糖
や脂質をしっかりと摂取する、また、それらを燃やすための酸素を効率的に
取り込む(呼吸法)、そして、、代謝をすすめるのに必要な、ビタミンやミ
ネラルなどの微量栄養素を不足することなく摂取する、こういうことになり
ます。

2)基礎代謝を高くする

私たちの身体は絶えずエネルギーを消費しています。

つまり、活動時だけでなく、安静時にも、エネルギー源を燃やして、エネル
ギーを産生し、熱を放出しているわけです。

そして、安静時のエネルギー消費のことを安静時代謝と言うのですが、これ
が基礎代謝で、基礎代謝で消費されるエネルギーのほとんどが、体温をつく
るわけです。

ですから、体温を高くするためには、この基礎代謝を高めるのが最も効果的
なわけです。

そのためには、基礎代謝の中で最も熱を産み出す筋肉をつけることです。

筋肉は身体の中の最大の臓器であり、筋肉も細胞でできているわけですから、
動かしていないときでも、活動しています。

ですから、筋肉は、安静時に最も多く、熱を発するのです。

そして、筋肉を増やすためには、筋力トレーニングを習慣化することです。

例えば、腕立て伏せやスクワット、腹筋、ダンベル運動などです。

体温を上げるためには、これらの筋力運動を根気よく続けることです。

3)たんぱく質の多い朝ごはんを食べる

最後は、朝ごはんです。

体温は夜中の2~3時頃最低になり、明け方から徐々に上昇し始めます。

朝に体温をしっかり上昇させるためには、食べること、それも、熱の産生が
より多くなるたんぱく質をとることです。

お勧めは、和食(ごはん、納豆、卵)です。納豆と卵の組み合わせは理想的
なたんぱく質だからです。

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記事への感想やご意見は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


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 妊 カ ラ 編 集 室 か ら
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NPO法人FineのFine祭りが今年も開催されます。赤ちゃんを待っているカップ
ルがこれだけ集まるイベントは他にありません。

貴重な情報が得られるだけでなく、仲間と交流できる機会です。

私たち、株式会社パートナーズは、NPO法人Fienの活動を賛助会員として応
援しています。

今年のFine祭りでも展示スペースに出展する予定です。

メルマガをお読みいただいている方々とお目にかかれるのを楽しみにしてい
ます。

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『Fine祭り2011 ひとりじゃないよ! 不妊』開催概要
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http://j-fine.jp/matsuri/2011/matsuri.html

◆日時:2011年11月3日(木・祝) 10:00~16:30(予定)

◆会場:日経ホール(東京都千代田区大手町)

◆講演
「男性不妊と言われたら ?現代男性不妊事情?」
原 利夫氏(はらメディカルクリニック 院長) 

「見つめよう! かけがえのない生命の営みを!」
見尾保幸氏(ミオ・ファティリティ・クリニック 院長)

「絆をつむぐこと、いのちをつなぐこと」
平山史朗氏(東京HARTクリニック、臨床心理士・生殖心理カウンセラー)

◆トークタイム
「赤ちゃんがほしい! その時の妻のキモチ・夫のココロ」
太田光代氏(株式会社タイタン 代表取締役社長)
池上文尋氏(オールアバウト「不妊症」ガイド)
志岐麻子氏 (主婦の友社 季刊『赤ちゃんが欲しい』チーフエディター)
松本亜樹子(NPO法人Fine)

◆展示コーナー:不妊当事者を応援する企業等が参加、商品の展示・販売等。
◆談話室:休憩や交流のためのスペース。仲間づくりのきっかけなどに。
◆入場料:前売り券 1000円、チケットぴあにて発売中
    (*前売り券が余った場合のみ当日券販売、1500円)

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※NPO法人Fineサイト
http://j-fine.jp/index.html


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 株式会社パートナーズ運営サイト
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▼不妊に悩む夫婦の自己決定を支援する情報サイト
→「妊娠しやすいカラダづくり」
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▼妊カラ・男性不妊編
→「男性不妊 ~ ふたりで知っておきたいオトコのこと」
http://www.akanbou.com/dansei-funin/index.html

▼医師がサポートするサプリメントセレクトショップ
→「ネイチャーズギフト」
http://www.nature-g.com/

▼ドコモ、au、ソフトバンク公式携帯サイト
→「おしえて!不妊ナビ」
http://funinavi.edia.ne.jp/index.html

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ツイッターからもさまざまな情報を発信しています。サイトに紹介するほど
でもない研究報告やトピックなども紹介しています。よければフォローくだ
さい。また、皆さんの声もお聞かせいただければ嬉しいです。

・妊娠しやすいカラダづくりツイッター
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 編 集 後 記
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先週の9月9日(金)、10日(土)の2日間、日本受精着床学会総会学術
講演会が東京の京王プラザホテルで開催されました。
http://jsfi2011.org/

今年のテーマは、ART(高度生殖補助医療)は人類の幸福にどこまで貢献
できるのか、でした、

高度生殖補助医療は、この技術が使えなかった時代には、赤ちゃんを諦めざ
るを得なかった多くのカップルに妊娠、出産のチャンスをもたらしてくれた
反面、使い方次第では大きな問題を引き起こしてしまいかねない側面を孕む
技術であることは誰でも認識していましたが、今や、現実のものになってし
まいかねない時代になったということでしょう。

「非配偶者間の生殖医療を考える」というパネルディスカッションがあり、
アメリカで卵子提供を受け、男児を出産された衆議院議員の野田聖子さんに
よる講演もあったようです。

この1年で、妊カラにも「卵子提供」や「代理出産」に関する情報を希望さ
れる声をお寄せいただくことが増えました。

この流れは強くなることがあっても、弱まることはないでしょう。

私たちも今後は非配偶者間の生殖医療について情報の収集に励み、考えてい
きたいと思っています。

ただ、大多数の読者の方々は、不妊治療を受けずに、そして、一般不妊治療
や高度生殖補助医療でお子さんを授かることを希望されていらっしゃると思
います。

このような学会で最新の専門情報を、皆さんに分かりやすい形でお伝えする
ことに、今後も力を注いでいくたいと思います。

また、今回の受精着床学会では、株式会社パートナーズとして、不妊治療ク
リニック専用サプリメントをブース出展しました。

これまで当社のサプリメントをお取り扱いいただいているクリニックの先生
方とお会いでき、また、多くの先生方にも興味をもっていただき、ご意見や
ご要望をお聞きすることができ、大変意義深い2日間でした。


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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.430
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com
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◎配信部数
・自社配信: 201部
・まぐまぐ:5,090部
・合計部数:5,291部(9月12日現在)
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