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VOL.125 不妊治療医が勧める妊娠力を高める方法

2005年10月08日

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           妊娠しやすいカラダづくり 
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 2005/10/8 #125
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このメールマガジンは、不妊に悩むカップルが、悩みを克服するために、
二人で話し合い、考えるうえでの道筋を整理したり、
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2005年10月7日 最新ニュース
子宮を温存する子宮腺筋症の手術
http://www.akanbou.com/news/news.2005100701.html
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いでともみ先生の気功教室の最新情報
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★10月22日(土)の教室に3名の方が受講可能となりました!

既に満席となっていました10/22ですが、
この数日で、バタバタとキャンセルが出来まして、
3名の空きが出来ました。

受講を希望される方はメールにてお申し込み下さい。
メールには、お名前、ご住所、年齢、受講希望日を明記下さい。
info@akanbou.com

★開催場所のお知らせ

・10/22  日本橋公会堂 2F 第1第2和室
・10/29  代々木八幡区民センター 3F 和室1号
・11/5  日本橋公会堂 2F 第1第2和室

★実施要項に記載の妊カラクラブ事務局の電話番号が間違っていました

ご予約頂いた方々に送付しました実施要項に記載されていた
事務局の電話番号が間違っていました。

・045-566-0097 → 間違いでした。
・正しくは → 045-566-0073

ご迷惑、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。

━〈特別レポート〉━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

        不妊治療医が勧める妊娠力を高める方法

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今週は、10月3日にアメリカの医療情報サイトWebMDに掲載された、
"妊娠する力を高める方法"をご紹介しましょう。
http://my.webmd.com/content/Article/113/110611.htm?pagenumber=1

アメリカの3人の著名な不妊専門医が治療の成績を左右するものやことを、
自分の臨床経験やさまざまな専門文献から紹介しています。

"妊娠しやすいカラダづくり"のための最新のセルフケア情報で、
すぐにでも実践可能なことばかりです。

既に、ご存知のこともあれば、
はじめて聞くというものあるかとは思いますが、
参考になるのではないかと思います。

▼妊娠力を高めるということ

何の苦労もなく子供を授るカップルもいれば、
医療の力を借りなければ、妊娠を望めないカップルもいます。

その中間にいるカップル、要するに、子供を望んでいるんだけれど、
妊娠しづらいというカップルが増えています。

未だ検査や治療を受けていないカップルもいれば、
通院はしているんだけれども、
何が問題なのか分からないというカップルもいます。

アメリカ生殖医療学会ニュースの編集長で、
ロサンジェルスのシーダーズシナイ病院の生殖医療センター長である、
ピサルスカ博士は次のように話しています。
https://referrals.cedars-sinai.edu/physdetail.aspx?pid=298917
医学的な観点では良好な状態であっても、
なかなか妊娠しないというケースも少なくありません。
そんなことから、私たちはさまざまな要因をみることにしています。

▼最も影響が大きいのはタバコ

不妊専門医は、まずは、タバコを挙げます。

妊娠後は赤ちゃんへの悪影響を考えて、
タバコを吸うべきでないと知っているものの、
タバコは妊娠する力をも低下させることについては、
意外にも、さほど知られていないと専門医は指摘しています。

ニューヨーク大学病院の生殖系内分泌科の副部長で、
ニューヨーク大学医学部の助教授のリッチアーディ博士は、
http://www.med.nyu.edu/clinician/liccif01.html
喫煙は男性と女性、いずれの妊娠力を低下させ、
妊娠率に影響を及すと指摘しています。

生殖医療専門誌「Fertility and Sterility」1994;vol6.に掲載の研究では、
喫煙習慣のある男性の精子は平均を17%下回っており、
最近のポーランドの調査研究では、喫煙は精子の数を劇的に少なくし、
精子の健康を損なうことが明らかにされています。

前出のピサルスカ博士は、
タバコを吸う女性は、一生、子供が出来ない確率が高くなり、
たとえ、子供を授ったとしても、
妊娠までに大変時間がかかるようになると話しています。

さらに、不妊治療において、タバコを吸う女性は、吸わない女性に比べて、
より多くの排卵誘発剤が必要とされるのが普通であるとも言います。

また、影響を及すのは自分が吸うタバコだけではありません。
最近の生殖医療専門誌「Human Reproduction」May 26,2005 では、
受動喫煙は高度な不妊治療を受けている女性の成功率を低下させることを、
明らかにしています。

最後にタバコに関するよいニュースを。

喫煙を止めることで、早く、妊娠しやすくなるというもの。

「Fertility and Sterility」April 2004;vol 73では、
禁煙後の男性の精子の数が8倍に増えたと医師より報告されています。

▼ストレスを低減すれば、妊娠する力が高まる

ストレスと妊娠する力の関係は、
必ずしも明らかになっている訳ではありませんが、
確かにストレスと妊娠する力は関連していると指摘する医師は、
ますます増えています。

ニュージャージーのショアインスティテュート不妊病院長、
モーガン博士は次のように話しています。
http://www.allenmorganmd.com/infertility-pages/doctors.html
ストレスが妊娠に影響するという大規模なデータはありませんが、
ストレスを低減することで妊娠力が向上したという研究は、
いくらでもあります。
生殖機能へのストレスの影響が明らかになるのは、
もはや、時間の問題であると信じています。

モーガン博士の病院では、高度な不妊治療を受けている女性に胚移植の前に、
リラックスするために足のマッサージを受けてもらったところ、
これまでは、良好な結果が出ているとのことです。

さらに、顕著な結果を出しているのは、
ハーバード大学のドマー博士のプログラムで、
http://www.bostonivf.com/mind_body_center/ali_domar.cfm
ストレス低減療法を受けている女性は、
単にリラックスの方法を修得することで、
実際に妊娠に至っています。

▼食事と妊娠する力〜最新の研究

食事と妊娠力を結び付けて考える人はそう多くないものの、
新しい研究は、不妊症と診断された人の多くは、
食事から摂取する重要な栄養素が不足していることを明らかにしています。

実際に、最近の医学専門誌「OBGYN News」June 15,2005;vol40:p17 で、
ハーバード大学の研究者は、不妊症のカップルの79%が、
野菜や果物のような抗酸化物質が豊富な食品の摂取が、
平均よりも少なかったことを明らかにしています。

この研究は、男性の生殖機能には、
ビタミンCやE等の抗酸化ビタミンが大切であるという、
それまでの研究を証明した格好になっています。

医学専門誌「the Annals of the New York Academy of Medicine」1987:p498
ビタミンCを1,000mg、1週間摂取し続けた後、
精子の数が、およそ140%増えたことを、医師が報告しています。

もっと新しいところでは、「Archives of Andrology」March-April 2003;vol49
抗酸化作用のあるビタミンEとセレンは、
精子の運動能力を向上させるとしています。

前出のピサルスカ博士は、より興味深く、新しい食事と生殖力との関係は、
魚だとしています。
「British Journal of Obstetrics and Gynaecooooligy」Sept.2002では、
香港の研究グループが明らかにしたところによりますと、
原因不明の不妊症のカップル、男性不妊の男性には、
水銀の血中濃度が高く、偶然ではなく、男性も女性もともに、
魚をたくさん食べていたとのことです。

水銀汚染が懸念される魚を食べるのは、
多少、控えたほうがよいかもしれません。

また、博士は、肥満は女性の生殖力を低下させることから、
正しくダイエットすることが、妊娠する力を高めると指摘しています。

さらに、もしも、あなたがPCOSならば、体重を5%減らすことが、
排卵や妊娠につながる可能性があります。
PCOSは、男性ホルモン過多、インシュリン抵抗性が高く、
無排卵や排卵障害を伴うのですが、オーバーウエイトの女性が多いのです。

▼母なる自然の恵みが妊娠力を高める

何百年も前の昔から語り継がれている、
妊娠によいとされる自然の成分や植物があります。

これまでは、生殖医学の世界では、
どちらかと言えば、それらには関心を示してきませんでした。

ところが、この2年間で、たくさんの信頼のおける研究が、
特定の栄養成分や植物が男性や女性の生殖機能を高めることを、
報告しています。

「Reprooductive Biomedicine Online」Oct/Nov 2003;vol7:p4で、
ドイツの医師グループが、男性不妊への自然療法を報告しています。

亜鉛と葉酸、L−カルニチンのサプリメントで、
精液の質や機能が改善されることを明らかにしています。
人工授精や自然妊娠の妊娠率が向上したことを確認しています。

さらに、「Fertility and Sterility」March 2002;vol77では、
男性不妊患者が亜鉛と葉酸を6ヶ月間摂取することで、
精子の数が74%増加したことが報告されています。

また、最近の報告では、「Fertility and Sterility」Sep 2005 pp662-671
60名の男性不妊患者を対象とした二重盲検試験によって、
半年間のL−カルニチンの摂取が精子の運動率を向上させたことを、
報告しています。

前出のピサルスカ博士は、これらの自然な療法の全てが、
妊娠率を高めているのかは定かではないとしながらも、
精子の数や運動率が改善されていることは明らかであると指摘しています。

女性ではどうでしょうか。

「Journal of Reproductive Medicine」April 2004;vol49に掲載された、
小規模の試験で、葉酸やビタミンE、ビタミンB6、B12、鉄、
マグネシウム、亜鉛、セレン、L−カルニチン、
そして、チェストツリーというハーブをブレンドしたサプリメントで、
妊娠率が向上したとしています。

同様に、ドイツの研究では、
チェストツリーを摂取した女性は、
摂取しなかったグループの女性に比べて、
妊娠率が大きく改善されたと報告されています。

▼睡眠不足と殺虫剤が妊娠を妨げる

妊娠する力を高める要因がいろいろあるのに対して、
逆に妊娠する力を低下させるものもあります。

その中で、最も重要なのは、殺虫剤です。

前出のリッチアーディ博士は、
エストロゲンの受容体と結合するものが多くあって、
エストロゲンではないにもかかわらず、
体内ではエストロゲンのように振る舞います。

そして、エストロゲンは生殖に深く関わるホルモンですから、
ホルモン撹乱物質(環境ホルモン)には高い関心を払っていると言います。

「Biology of Reproduction」March 2000 では、
DDTの仲間である人工の合成化学物質メトキシクロルに暴露すると、
男性ホルモン(テストステロン)のレベルが低下させ、
男性の生殖能力を低下させることが明らかにされています。

エール大学から発表された新しい研究によりますと、
殺虫剤に使用されているメトキシクロルは、
女性の生殖機能をも低下させることを明らかにしています。

前出のアメリカ生殖医療学会のピサルスカ博士は、
これらの化学物質の男性や女性の生殖機能への調査を、
世界レベルで実施するプロジェクトをスタートさせたと話しています。

ただし、家や庭で、殺虫剤を使用しなければ問題ないとしています。

また、生殖能力に影響を及す要因として、
決して直接的ではありませんが、"睡眠"が挙げられます。

専門家は、食欲や体重の調整にかかわるホルモンである、
レプチンとの関連を指摘しています。

そのレプチンは、女性の生殖機能に深くかかわっていますが、
睡眠不足はレプチンの分泌量を低下させるのです。

不妊の女性は、レプチンの値が低いことも分かっています。

さらに、ベスイスラエルディーコネス病院で実施された試験では、
3ヶ月間もの間、月経が止まってしまった女性のスポーツ選手に、
1日に2回、レプチンを注射したところ、
月経が復活したというのです。

もちろん、睡眠不足によってレプチンが低下し、
妊娠する力が低下した女性が十分な睡眠をとることで、
レプチンの補充効果があらわれ、妊娠する力が復活するかどうかは、
定かではありません。

ただ、リッチアーディ博士は以下のように話しています。
もしも、あなたが慢性的な睡眠不足で、
月経が不順であれば、
レプチンの影響を受けているのかもしれません。
そして、それが妊娠するチャンスを低くしているのかもしれません。


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■編集後記 
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特別レポートはいかがでしたでしょうか?

いずれもアメリカの著名な不妊治療医が、
日頃の臨床経験や文献からの意見ですので、
大変参考になると思います。

実際に高度な生殖補助医療を実施したとしても、
それぞれの治療成績、要するに、どれだけの確率で妊娠できるのかは、
大変低いものと言わざるを得ず、また、個人差も大きいものです。

そんな現実で、少しでも成功率を上げて、
そして、少しでもリスクを下げるためには、
何がポイントとなるのか、
よく理解頂けたのではないでしょうか?

高度な治療でも、一般の治療でも、
はたまた、自然にまかせて授るのを期待する場合でも、
このような、生活習慣や食生活による"カラダづくり"が大切なのですね。

時間はかかるかもしれませんが、
じっくりと腰を据えて、取り込んでまいりましょう。

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妊娠しやすいカラダづくり No.125
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【発 行】 株式会社ライフケアマネジメント内
      [妊娠しやすいカラダづくりプロジェクト]
【発行責任者】細川忠宏(不妊カウンセリング学会所属)
【編 集】 酒井奈緒
【監 修】  荻田浩司(内科医・医学博士)
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