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VOL.027 不妊治療にエントリーするその前に

2004年02月07日

                         
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□■□       ◆妊娠しやすいカラダづくり◆
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◇           《毎週土曜日配信》        VOL.027

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http://www.nature-g.com
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》》》》》》》「自然療法による不妊改善」が、テーマです《《《《《《《
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妊娠の成立には、排卵→受精→分割→着床という4つの過程をクリアしなけ
ればなりません。ところが、このプロセスのどこかがうまくいかなくなると、
なかなか妊娠出来ません。不妊症になるおそれがあります。

まずはこの状態を病気と捉えるのではなしに、たまたま、うまくいかないと
ころをセルフケアによる、自然な方法によって、本来、私たちに備わってい
る生殖能力を取り戻すことにチャレンジしませんか?

そんなチャレンジを私たちは応援させて頂きます。

このメルマガの内容に関してのご感想、ご意見、
または不妊改善に関するご相談や体験談等をお寄せ下さい。
下記メールアドレス宛にお送り下さい。

◆メールアドレス:info@nature-g.com

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皆さん、こんにちは。いつもご購読ありがとうございます。
また、この号から購読を始められた方、
数あるメールマガジンの中から
当マガジンを選んで頂いてありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

まずは、公的な不妊専門の相談センターが、
広島、岡山で開設されることが決定したというニュースからお知らせします。

2月6日付けの中国新聞は、
広島県、岡山県が「不妊専門相談センター」を開設することを決定した、
と報じています。
広島県は、広島大学病院と連携し、
同病院に不妊専門相談センターを開き、
岡山県も岡山大学医学部・歯学部附属病院に開設するとのこと。
中国地方では、山口、島根、鳥取の各県は既に設置済みで、
これで中国地方の全ての県で相談センターが設置されることになるそうです。

前号、前々号で取り上げた不妊治療への助成金制度は、
不必要な不妊治療を助長する懸念があるとお話しました。
広島や岡山で不妊専門相談センターが開設されるということですが、
病院内にあって、医療従事者が対応するのであれば、
必然的に解決策は、不妊治療になるのでしょうか。

残念ながら、まだまだ日本では、
解決策においてフリーハンドである不妊カウンセリングを受けることは
とてつもなく難しい環境にあるようです。

なんか、難しい言い方をしてしまいました。
なかなか、妊娠しづらい原因が病気であるケースは、
さほど多くないにもかかわらず、
病気として対処する傾向が強いのでは、
と言いたいのです。

いきなり、薬で卵巣を刺激するよりも、
ちょっと気分転換して、
ストレスを発散するようにアドバイスするのが
最も適切な解決策である場合も多かったりします。
そういう意味では、不妊カウンセラーといっても、
高度な治療を受けるにあたっての心のケアという領域を
出ていないように思います。
解決策は不妊治療一本槍なわけです。
もちろん、解決策が鍼灸一本槍、健康食品一本槍、整体一本槍、
漢方一本槍も同様ですが。

当事者としては、
そんな環境を嘆いて、
他人のせいばかりにもしている訳にはいきません。
専門家と言われる人ほど、
解決策がその専門一本槍になるという傾向があることを十分に心得て、
自分にとって、何が適切なのか、何が必要なのかを
自分で取捨選択することしかありません。
もちろん、一本槍ではない医療従事者もたくさんおられます。
そんな専門家と巡り合えるに越したことはないのは言うまでもありません。

それでは、先週に引き続きサプリメントの使い方です。

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◆自分で出来る不妊改善 まずは、サプリメントを試してみる〜その2

サプリメントの使い方 〜 子宮内膜症の場合

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妊娠しやすいカラダづくりの実践編としてのサプリメントの利用法をご紹介
しています。以前にもサプリメントをご紹介した際に、具体的な使い方とい
う観点で紹介して欲しいという声にお応えしたものです。

不妊治療に、ステップアップ法という治療方針があります。原因がなかなか
特定しづらい不妊症にあっては、色々な治療を検査と平行して進めていきな
がら、原因となる要因を徐々に追い込んで行くという手法を取らざるを得な
いという側面があるわけです。治療を開始すれば、それなりの結果を期待す
る側からすれば、なんか色々な治療法や薬の実験台にされているような気持
ちになるかも知れませんが、なぜ、ステップアップという方法を取らざるを
得ないのかを十分に理解しておく必要があります。

そういう意味で言えば、サプリメントを利用する目的は、治療を始める前の
セルフによるステップアップのスタートと言えるかも知れません。やはり自
然に妊娠出来るに越したことはないわけですから、薬に比べて作用が緩やか
なサプリメントでまずは、改善を試みるというのは価値のあるステップでは
ないでしょうか。また、治療が始まってからも、治療の成功率を高めるとい
う目的での利用もあります。

●子宮内膜症
横浜のアモルクリニックの児島先生の著書「不妊治療」によりますと、子宮
の内膜組織が何らかの原因で子宮以外の場所で増殖・剥離を起こし、血液が
外に出られなくて周囲の臓器と癒着を起こし、生理痛や腰痛などの症状を起
こすこととしています。子宮内膜症が不妊原因になるのは、卵管に癒着が起
こり通過不能になったり、子宮の癒着が受精卵の着床をじゃまをするという
ケースが考えられます。

この子宮内膜症は、検査上正常で、不妊の原因が明らかでない機能性不妊と
言われる人の20〜60%が持っているといわれています。そして、症状や
程度は、人によるかなり異なります。自覚症状の全くない人から、生理中は
痛み止めの薬を使っても寝込むほどの人もいます。

ですから、治療法も病状の進行の程度によって、薬物療法、手術、両者の併
用という3パターンあります。この子宮内膜症に対して、フランス海岸松樹
皮の抽出物が有効な場合があるようです。

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フランス海岸松樹皮抽出物(パインバーク)
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恵寿総合病院産院院長の小濱隆文博士は、子宮内膜症の患者39名に対して、
フランス海岸松樹皮の抽出物を月経7日前から14日間、継続して1ヶ月間、
それぞれ1日に30mg投与した結果、重度の月経痛、下腹部痛および子宮・
付属器の抵抗性・圧痛が認められ、内膜症の治療効果の指標となる、子宮・
付属器の可動性が改善された症例も認められたと報告しています。

フランス海岸松樹皮抽出物の働きは、鎮痛作用、血小板凝固抑制作用、子宮
及び付属器の可動性の回復にあるようです。

また、不妊改善という観点から見ると、卵巣や子宮周りの毛細血管の血流の
改善によって、生殖器官の機能の向上という点からも人工授精や体外受精な
どの不妊治療の成功率を高める働きもあるようです。
http://www.nature-g.com/shohin/yarbaprima/10.html

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            ラズベリーリーフ
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現代程、医療が進んでいなかった時代に、出産を助けるハーブとして利用さ
れてきました。ラズベリーリーフは、子宮筋や骨盤の調整をする事により、
子宮内膜症や生理痛をはじめとするあらゆる婦人疾患に利用されてきた女性
のためのハーブです。
http://www.nature-g.com/shohin/eclectic/05.html

★いずれも産婦人科において、利用実績が豊富ですが、各人によって症状や
進行度はさまざまです。ご利用を検討される方は、メールにてご相談下さい。


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◆自分で出来る不妊改善 まずは、サプリメントを試してみる〜その3

サプリメントの使い方 〜 男性不妊の場合

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男性不妊の原因で最も多い、精子の数と運動能力については、ビタミン療法、
漢方薬、ホルモン剤等のさまざまな薬物療法が試みられるが、どの方法が最
も効果的であるのか、これも個人差がかなり大きいようです。アメリカの医
学誌「Fertility & Sterrility」へコエンザイムQ10の精子数と運動能力
の改善効果実験の結果が、2004年の1月号に掲載されています。

これによると、精子の運動能力の低い男性22人に対して、調査をしたとこ
ろ、全員、精液中のコエンザイムQ10が正常な人に比べて少ないことをつ
きとめました。そこで、1日あたり、200mgのコエンザイムQ10を服用
させ、6ヶ月後に、精液中のコエンザイムキュー10の増加と同時に精子の
運動能力が改善されたとのことです。

これまでもイタリアの研究を始めとして、コエンザイムQ10の精子の運動
能力の改善効果はいくつかの論文で発表されています。

精子の運動能力の低下が見られる方は、コエンザイムQ10を試してみる価
値がありそうです。
http://www.nature-g.com/shohin/nisshin/05.html


★子宮内膜症にしろ、精子の運動率にしろ、その程度は人によって大きく異
なります。ですから、サプリメントの効果は一概には決して言えません。た
だし、これまでの内外の研究結果を見ると、明らかに有効なケースも数多く
見受けられるわけで、その程度がそれほど重大なものでない限りにおいては、
本格的な治療に入る前にセルフで一定期間試してみる価値はありそうです。
また、その場合、サプリメントを薬と同じような感覚で利用するのではなし
に、バランスのとれた食事を取ることも心掛ける必要があります。


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妊娠への扉を開ける「カギ」はあなたのそばにある。
  「妊娠力」 こまえクリニック院長 放生 勲著 
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パート6 不妊治療へのエントリーについて

★不妊治療のドアをノックする前に

本当は「妊娠力」があるのに、その力を発揮できていないために妊娠しない
カップルが実に多いことから、この「妊娠力」という本を書いた。しかし、
医療機関の助けを必要とするカップルもいる。そんな方たちには、信頼でき
る医師との出合いがとても大切だ。

私は、不妊治療を否定するつもりは全くない。卵管が両方とも完全に閉塞し
ているのなら、自然妊娠は物理的に不可能。ですから、私のカウンセリング
を受けにこられ、専門的な不妊井治療が必要であると判断して、紹介状を書
いた方は大勢いる。

そして、このような大前提をふまえたうえで再度、「不必要な不妊治療は避
けるべきだ」と言いたい。

不妊治療に進むべきかどうか、判断材料になるチェックリストを紹介します。
その上で、不妊治療が必要だと思われたのなら、ご夫婦の心をひとつにして、
医療機関のドアをノックすればよい。その場合でも、医師があなたがたの「
妊娠力」を高める手助けをしてくれる、そんな思いで治療に臨んでほしい。

★あなたには不妊治療が必要?

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セルフチェックリスト
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□基礎体温表に高温期がない(一相性)

□月に5、6回以上セックスをしていて、1年以上妊娠しない

□生理痛がひどくて会社を休むことがたびたびある

□生理が2ヵ月間こないことがたびたびある

□不正出血がひんぱんに見られる

□不妊治療を受けることについて、夫婦で十分に話し合い、合意している

□女性の年齢が35歳以上である

以上の項目にひとつでも該当するものがあれば、不妊治療も積極的に考える
べきです。

★不妊を「複雑」に考えないで!

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自分は不妊なんだと
自己暗示をかけていませんか?
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不妊を複雑に考えてしまうことは、あなたの「妊娠力」によい影響はあり
ません。このことは、不妊治療をおこなっている方にも言える。なかなか
赤ちゃんができないとい状況で、「ああ、自分は不妊症なんだ」と自分で
自分に暗示をかけ、子作りに対する気力が失せてしまい、医師の治療に任
せきってしまうような場合はよくない。

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自分を自分で病気にしない
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自分を不妊症と決めつけないことが第一。いったん、そう思ってしまうと、
どんどんその疑念は大きくなりがちです。そして、その原因を自分で探ろ
うとして、深みにはまってしまう方が多いのです。

不妊治療を受けているからといって、自分は不妊症だと決まったわけでは
ないと、気持ちを前向きに持つことが大切。

★不妊の原因は、ほぼ男女平等

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なぜ女性ばかりが
検査を受けるのか?
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子供ができない原因の全てが女性にあるとされた時代は、すでに過去のも
のとなりました。ところが、女性の検査は多岐にわたる。いっぽう、男性
は1回の精液検査のみ。原因を持っている確率が五分五分であれば、男性
の検査はとても重要。

不妊治療に入ろうとしている女性に、赤ちゃんが欲しいと考え始めてから、
不妊治療の入り口までのアプローチをなるべく長くとってほしいとの思い
がある。女性にとって、精神的にも肉体的にもストレスの多い不妊治療。
それが本当に必要ではない人はたくさんいるはずです。不必要な苦痛を味
わい、本来自分たちが持っている「妊娠力」を低下させてしまうことには
注意してほしい。

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男性にもストレスの影響がある
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男性の精液検査もストレスと密接に関係していることが知られています。
男性の仕事量が多いとき、ストレスが強いとき、精子数や運動率は低下す
る傾向がある。

ある役所の子供には10月生まれが多いのですが、その機関に働く人には、
秋口から年末にかけて大変忙しいのですが、年が明ければガラリと余裕が
できて、精神的、肉体的、時間的余裕がうまれるから。そんな時にはセッ
クスの回数が増えてもおかしくない。おそらくは、リラックスできたこと
により、精子の数も、運動率もよくなったのではないかと思うのです。

不妊治療は、男性側にも強いストレスやプレッシャーを与える。ストレス
が妊娠力を低下させるのは、女性だけでなく、男性にも当てはまる。不妊
の原因はここでも男女平等なのです。

★不妊治療は、基礎体温表を3ヶ月つけてから

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毎日検温することの意味
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慌てて不妊治療に入ることのないよう、基礎体温表をとりあえず3ヶ月つ
けてみる。ふたりの気持ちを話し合えるし、気持ちの準備もできる。この
3ヶ月間に妊娠してしまうかも知れません。

不妊治療を始めることになった場合でも、3ヶ月分の基礎体温表があれば、
医師はその表からかなりの情報を得ることができる。

なによりなのは、その表によって、自分自身の体の状態をかなり客観的に
知ることができる。もし、理想的な波形をしていれば、病院に行くのは、
ちょっと待ってもよいかも知れません。

★子宮卵管造影のない不妊治療はない

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なぜ、子宮卵管造影が必要なのか
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この検査は子宮内部の形に異常と、卵管の通過性、卵管と卵巣の癒着がない
かどうかも調べることができる。もし、両方の卵管が閉塞していれば、たと
え人工授精でも妊娠できない。体外受精しかない。

また、この検査をすることで、卵管の詰まりや、多少の癒着が解消されて、
この検査のあと、6ヶ月間は妊娠率がアップし、検査後3ヶ月は特に妊娠し
やすい。

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設備がない婦人科、
あってもはしょる婦人科は不妊治療に向かない
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子宮卵管造影検査は、一般的に不妊治療の初期の段階でおこなわれることが
おおい。両方の卵管が詰まっていれば、いくらタイミング法を試みても無駄
で、治療効果の高い検査ですから、早くおこなえば、自然妊娠の可能性も高
まる。

もし、不妊治療を受け始め2〜3ヶ月以上経っているのに、子宮卵管造影が
おこなわれず、その話題もでないようでしたら、別のドクターに相談してみ
ることをすすめる。

★不妊は「夫婦ふたりの問題」であると同時に、「女性の問題」です

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心は二人三脚でも
痛みを感じるのはひとり
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現実に不妊治療を受けなければならないのは女性。たとえ、男性に不妊原因
があってとしても、人工授精や体外受精となると、実際の治療は女性になる。
不妊井治療というのは、女性の負担の大きい医療。

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不妊治療のストレスを
カップルで共有しよう
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女性側のに肉体的、精神的な負担を男性がきちんと理解していないと、やが
て夫婦関係にきしみが生じたり、赤ちゃんが欲しいという気持ちに対して、
夫婦間の温度差を生じることになる。

■編集者より
不妊治療にエントリーする際の"チェックリスト"や基礎体温表を3ヶ月つ
けてから、というアドバイスは、不必要な不妊治療をストレスをためながら、
受け、せっかく備わっている妊娠力を低下させているカップルを数多く診て
こられたからでしょう。前号でご紹介したアメリカでの調査、1年間妊娠し
なかったカップルの90%強は、2年目に自然妊娠しているという現実を考
えると慌てて不妊治療を受けることの愚がよく理解頂けたのではないでしょ
うか。

ただし、私たちも決して、不妊治療を否定している訳ではありません。先週
頂いたメールの中にも、アメリカの調査結果から、何がなんでも自然妊娠を
目指すというメールを何通か頂きました。しかし、それもまた、一本槍な偏
狭な考えであると言わざるを得ません。これまでにもなんどかお話していま
すが、物理的に精子と卵子が出会えないケースや不妊原因が病気である場合、
男性の精子数や運動率が極端に悪いケースなどは、高度な生殖補助に頼らざ
るを得ません。そのようなケースであれば、早く治療をスタートするのが得
策です。また、年齢も考慮にいれなければなりません。

いずれにしても不妊治療は、"戦略的に"考えていく必要があるのです。そ
して、不必要な不妊治療を避けなければならないのと同様に、不必要な焦り
やストレスも避けなければなりません。

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        ★誌上カウンセリングに応募下さい★
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妊娠しやすいカラダづくりVOL.011にアンケートが掲載されています。
それをコピー、貼付けてご利用下さい。バックナンバーは下記URLから。
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■編集後記 
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神戸の産婦人科医が、「着床前診断」を
日本産婦人科学会へ無申請で3例実施していたことが、
マスコミで盛んに報道されています。

着床前診断というのは、体外受精を実施する際に、
受精卵の染色体異常や性別などを調べて、
問題のない受精卵のみを選んで着床させることです。

"命"の選別を人間が行うという批判があることから、
日本産婦人科学会では、
着床前診断の実施には、重い遺伝病の診断に限定しており、
実施には、これまで申請が認められたケースはありませんでした。
アメリカやイタリアでは規制はなく、
イギリスやフランスでは条件付きで実施されているようです。
その目的は重い病気が子供に遺伝するのを防ぐだけでなく、
男女の産み分けでも実施されています。
男児を希望する場合は、予めいくつかの受精卵のうち、男性のものだけを
選別して胚移植(子宮に戻す)しますから、
確実に希望する性別の子供がもてる訳です。

神戸の産婦人科医は、その着床前診断を無申請で、
ようするに黙って(内緒で)、3例実施したというのです。
2例は男女産み分け目的で、
1例は高齢出産のため染色体異常を防ぐため、
患者の切なる要望に応えた、ということです。
日本では、この着床前診断は法的には規制されていませんから、
日本産婦人科学会の自主的なルールです。

報道によりますと、
この産婦人科医は、当初、マスコミの取材に対しては、
学会の頭の固い年寄りには申請しても、100%却下されることが
確実なので、無申請で実施したと応えています。
ところが、驚いたことには、
マスコミに取り上げられ、
学会側でもこの件について調査を始めるとということになると、
なんと、この産婦人科医は「謝罪文」を学会に提出したのです。
この対応の早さを見ると、予定されていた行動と見るのが妥当でしょう。

私は、なにも、病気が子供に遺伝するのを防ぐことに比べて
男女の産み分けが、着床前診断の動機として相応しくない、
と考えるわけでは決してありません。
患者のニーズの内容は別として、
医療をサービス業と捉え、
患者のニーズに徹底的に応えていくという姿勢というか、
信念からの実施であれば、"謝罪"するでしょうか?

事前に許可を求めても、認められないならだまってやってしまおう、
みつかったら謝ったらしまいさ、という考えはあまりにも子供じみていて、
実際に着床前診断を受けられた方の心境はどんなものなのでしょう。

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妊娠しやすいカラダづくり LCN [Life Care News] No.027
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【発行】 株式会社ライフケアマネージメント
【編集】 細川忠宏
【監修】   荻田浩司(内科医・医学博士)
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