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VOL.016 ホルモンバランスを整える

2003年11月29日

                         
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□■□       ◆妊娠しやすいカラダづくり◆
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◇           《毎週土曜日配信》        VOL.016

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http://www.nature-g.com
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》》》》》》》「自然療法による不妊改善」が、テーマです《《《《《《《
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妊娠の成立には、排卵→受精→分割→着床という4つの過程をクリアしなけ
ればなりません。ところが、このプロセスのどこかがうまくいかなくなると、
なかなか妊娠出来ません。不妊症になるおそれがあります。

まずはこの状態を病気と捉えるのではなしに、たまたま、うまくいかないと
ころをセルフケアによる、自然な方法によって、本来、私たちに備わってい
る生殖能力を取り戻すことにチャレンジしませんか?

そんなチャレンジを私たちは応援させて頂きます。

このメルマガの内容に関してのご感想、ご意見、または不妊改善に関するご
相談や体験談等をお寄せ下さい。お待ちしています。下記メールアドレス宛
にお送り下さい。

◆メールアドレス:info@nature-g.com

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皆さん、こんにちは。いつもご購読ありがとうございます。
また、この号から購読を始められた方、数あるメールマガジンの中から
当マガジンを選んで頂いてありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

いよいよ11月も最後の週末になりました。
本格的な冬の到来です。
マスコミの健康情報も冬対策のオンパレードです。
ある健康番組でも取り上げられていましたが、
よく噛んで食べる人は、カゼを引きにくいカラダの人が多いようです。
逆に、カゼを引きやすい人は、
モノをあまり噛まないで食べる人が多いとのこと。
だ液の役割は、消化作用だけに留まりません。
殺菌、消毒作用、ウイルスを叩く免疫作用など時と場合に応じて、
本当に頼もしい限りなのです。
当然、よく噛む人は、だ液の分泌が盛んですから、
カゼやインフルエンザウイルスも体内に侵入する前に叩いてしまうわけです。
一口30回以上噛む、こんな単純なことで、体質が変わってくるのですね。

日々の何気ない生活習慣の積み重ねとは本当に恐ろしいものです。
であれば、味方につけるに限ります。
体質なんていうと、なかなか変えるのは難しいのではと思いがちですが、
案外、こんな単純な生活習慣を変えることで、カラダを変わるものです。

カラダは外見からは、なかなか分からないものですが、
常に新しくなっています。
私たちのカラダを形づくっている約60兆の細胞は、
栄養を基に一定のスピードで新しい細胞と入れ替わっています。
つまり、今、現在、どのような体質であっても、
生活習慣や食事によって、いくらでも作り替えることが出来るのです。
因に、皮膚は約28日、血液は3〜4ヶ月、筋肉は早いところで1ヶ月、遅い
ところでも6〜7ヶ月、そして、脳も1ヶ月で約40m%、約1年で全て、
入れ替わってしまいます。

生殖関連で言いますと、女性は出生時に既に卵巣の中に
卵のもとの原子卵胞を持っていますが、
基本的には、毎月1個ずつ卵巣から排卵されます。
男性の場合は、精子は平均74日で常に作られています。
ですから、例え、精子の数や運動率に問題があったとしても、
74日ですから、約3ヶ月後には新しい精子になっているのです。

なかなか授からないとお嘆きのあなたも、
カラダは常に入れ替わることを知る必要があります。
今日のあなたは、昨日のあなたと全く同じではありません。
決して、落胆したり、焦ることなく、
お二人の生活をみつめることから始めましょう。

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冷え性には一番辛い季節到来ということですが、
今日の日経新聞の土曜版に「ショウガで冷え性克服」という記事が、
掲載されています。ダイジェストをご紹介しましょう。

ショウガはカラダを温め、発汗を促す作用があり、様々な漢方薬に使われ、
料理のスパイスとしても重宝されているのは、皆さんご存知の通りです。

冷え性の原因は医学的には解明されていません。
食生活や生活習慣の変化に伴い、
人間の体温が低下しているのが一因ではないかとされています。

冷え性に効くショウガを普段の食事に取り入れてみる価値は十分。
例えば、薬膳ポトフ。ニンニクや香辛料もたくさん含むので体のしんから
温まる料理だそうです。詳しいレシピは、下記のページを参照下さい。

http://www.sbfoods.co.jp/spiceherb/db/db01.asp?Menu=Select&SubjectID=331

また、朝食の味噌汁に入れるのもよいとのこと。

もっと手軽に、しかも頻繁に取り入れるなら、飲み物に混ぜましょう。
よく知られているショウガ湯、ショウガ入り紅茶、
甘酒やレモネードに入れてもおいしいとのこと。
冬の起きがけに飲めば、内臓からぽかぽか温まるのがよく分かる。
ハチミツを入れるとショウガの辛みを和らげることも出来るそうです。
朝の定番に加えてみてはいかがでしょうか?

ただし、体を温めて、発汗作用がある分、
高血圧や胃かいようを患っている人は取り過ぎないように
注意する必要があるそうです。

さて、本日のメインのテーマです。
「ホルモンバランスを整える」です。

今週からは、個別のテーマに入ります。
皆さんからのメールでの質問やご要望のもっとも多いのがこれです。

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      〉〉〉〉 ホルモンバランスを整える  〉〉〉〉

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クリニックで、「ホルモンのバランスが崩れています」と説明を受けたこと
がある方も多いのではないでしょうか。このホルモンのバランスというのは、
どんなホルモンがどのようなバランスで分泌されていることを言うのでしょ
う。ホルモンのバランスが崩れてる?これって病気?なんか直ぐにはピンと
こない、という方もいらっしゃるかも知れません。最初にお断りしておきた
いのですが、妊娠しやすいカラダづくりを実践するために、どんなホルモン
がどんなバランスで分泌されて、それがどんな働きをして云々の知識が必要
なわけではありません。そんなことを知らなくても、妊娠出来ることは間違
いありません。知識の多い、少ないは何の影響も及ぼしません。知識など全
く必要ないのです。ただし、ただしです。なんて言うか、敵を知り、己を知
れば百戦危うからず、ということがあります。知識ではなくて、新しい命を
授かるために人間に備わった生殖力を感じる必要があると思うのです。それ
と、もし、不妊治療を受ける場合には、どんな治療をどんな目的で行うのか、
これは理解しておかねばなりません。治療には、常にプラスとマイナスの両
面があります、必ず、あります。治療を受けるのは、マイナス面を考慮に入
れても、得られるプラス面のほうが大きいと判断してのことです。決して、
先生がやってみようか、と勧めるからではありません。

★月経周期と排卵をコントロールするホルモンの分泌--------------------

女性の卵巣の中の原子卵胞から1個の卵が育ち、排卵することから始まる子
作りのメカニズムは、全てホルモンがコントロールしています。

http://www9.plala.or.jp/someya/tsukuba/ovulation.html

染谷先生の不妊症勉強室というホームページのとても分かりやすい図です。
生殖ホルモンの分泌がどこから、どこに対して指令を出しているのか一目瞭
然です。そして、それぞれのホルモンの分泌量とその働きによる卵巣や子宮
での変化、基礎体温の推移という観点から見てみると、

http://www9.plala.or.jp/someya/tsukuba/hormone.html

こちらの分かりやすさも感動ものです。これで、月経周期における正常な生
殖ホルモンの分泌状態が分かりました。特徴的なのは、排卵前にエストロゲ
ンが徐々に増し一時的にピークを迎えたあとに減少するということ、排卵後
にはエストロゲンとともにプロゲステロンが増えること、生理前になると両
ホルモンが急激に減少していることです。このような2種類のホルモン量が
変化していくことが、「ホルモンのバランス」ということになります

このように、ホルモンの正常な分泌バランスが、月経サイクルを正常化し、
基礎体温が2相性を示し、質の良い卵が排卵されることになります。妊娠の
ための大前提です。

★ホルモンのバランスの崩れはどのようにして起こるのか----------------

それでは、そのホルモンバランスが崩れてしまうのはどのような原因が考え
られるのでしょう。ホルモンの分泌のタイミングや量をコントロールしてい
るのは?さきほどの排卵の仕組みの図を参照下さい。生殖ホルモンの出所は、
脳の視床下部、下垂体、卵巣ですが、どうやら視床下部というところが、源
のようです。

視床下部というのは、脳の中の脳幹というところにあります。脳は、大脳、
小脳、脳幹の3つに分けられます。中でも脳幹が脳の中の脳と言われ、脳全
体を掌握している司令塔なのです。まあ、脳の中で一番大事なところ、とい
うことは、人間にとって最も大切なところと言えます。その脳幹には、この
視床下部がある間脳、中脳、橋(きょう)、延髄があります。また、視床下
部の前下方には下垂体という小さな器官が垂れ下がっていて、脳幹の準メン
バーになっています。どれほど視床下部というところが、人間にとって大切
な器官なのかは、その役割を知れば一目瞭然です。まずは、食中枢、生殖の
中枢、内臓の機能を調節する自律神経系の中枢、体温や水分を調節する中枢
が視床下部に存在するのです。どうやら視床下部というのは、生殖ホルモン
の司令塔という働きは、数ある役割の一つのようです。

★視床下部の調子が狂うことによるもの

このように視床下部というところは、自律神経系とホルモンによっていろい
ろな器官に指令を発する内分泌系の中枢なのです。お互いに影響を及ぼしあ
うことは避けられません。

【その1】ストレス

視床下部は、ストレスを受けると副腎刺激ホルモンや自律神経をコントロー
ルして受けたストレスに対処します。過度のストレスを受けた状態では、視
床下部はそれへの対応に追われてしまい、生殖ホルモンの司令塔という役割
まで手がまわらなくなり、結果、卵巣の働きが弱くなり、エストロゲン分泌
の低下に繋がるのではと考えられています。

【その2】不規則な食生活や睡眠

視床下部は、自律神経の司令塔でもあります。不規則な生活によって、自律
神経のバランスが崩れる事で視床下部が混乱、ダメージを受けることで生殖
ホルモンの分泌が大きく影響されてしまうのではと考えられています。

【その3】過度のダイエット

無理なダイエットで生理が止まってしまったということがよくあります。人
間のカラダは、絶えず変化する外部環境のなかで自分の内部の環境を一定に
保とうします。この機能を司っているのも視床下部です。無理なダイエット
による急激な体重の増減が視床下部にダメージを与えてしまいます。また、
食事を我慢することがストレスとなり、さらに視床下部に悪い影響となって
しまう悪循環です。

★ホルモンの流れが妨げられているもの

【その4】骨盤の歪み

卵巣を包む骨盤がゆがんでいると、卵巣の血管や子宮が圧迫され、血行が悪
くなることでホルモンの分泌がスムーズでなくなってしまうことがあります。
過度なストレスもなく、規則正しい食生活も送っているのに、という方は一
度骨盤の歪みを疑ってみてはいかがでしょうか?意外に多いようです。先日
も排卵誘発剤を使っても卵が育たない方が、仙骨の歪みを直して2ヶ月もし
ないうちに妊娠しました。

★不妊治療によるもの

【その5】排卵誘発剤のつかいすぎ

不妊治療における排卵誘発剤が卵巣の機能の低下を招き、自然なホルモンバ
ランスを崩し、不規則な月経周期になってしまうケースがあります。最もよ
く使われるクロミフェンは卵巣へは間接的な作用で、負荷はそれほどかかり
ません。副作用としては、頸管粘液の分泌がほとんどなくなってしまうこと
です。その場合、フーナーテストが不良であれば、AIHが必要になります。
ところが、hMG注射の長期使用は、卵巣の機能を低下させ、卵子の質を著
しく悪くします。卵子の質の低下に対しては、今のところ打つ手がありませ
ん。致命傷になりかねませんので要注意です。行き当たりばったりのステッ
プアップ治療は決して良い結果を招くことはないようです。

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》》》 ホルモンバランスを整えるために
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これまでのお二人の生活をみつめることから始めましょう。もしかしたら、
自分のことは意外と見えにくいということもあります。ストレス、食事、生
活習慣について考えてみましょう。

◎ストレスを溜め込まない生活

◎バランスのとれた食事

◎規則正しい生活習慣の維持

●骨盤の歪みのチェックと矯正

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不妊治療における排卵誘発剤について
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誤解されやすいのは、排卵誘発剤は、妊娠しやすくなる薬ではありません。
排卵誘発剤を使う目的は2つです。まず一つは、排卵障害、何らかの原因で
卵が成長しない、排卵が起きにくい、起きないというときに、ホルモンの不
足を補い、排卵させるというもの。いま一つは、自然排卵はあるけれど、妊
娠の確率を高めるために、複数の卵を排出させるという使い方です。

飲み薬と注射薬があります。いずれも少量から始め、徐々に量を増やしてい
きます。適正量、すなわち排卵が起こる量は個人差があるためです。ざっく
りとした言い方ですが、注射の方が作用が強く、副作用も大きいものがあり
ますが、質の良い卵が排卵させることが出来ます。

排卵誘発剤に限ったことではありません、薬剤全般に言えることですが、そ
の作用には、表の作用と裏の作用があるということです。効くのと同時に副
作用もあるということです。要は、使い方です。それぞれの状況に応じて、
適切な使い方をすれば、妊娠の確率は飛躍的に高まります。ですから、他の
薬同様、信頼のおける医師に使用目的とそのリスクの説明を受け、そのプラ
ス面とマイナス面を天秤のかけて、プラスの方が大きければ使用すべきです。

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自然療法について
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排卵誘発剤のような薬剤に対して、食品やサプリメントは比較的緩やかな作
用で、足りないホルモンの代わりになったり、バランスを整える作用が発揮
されるケースもよく見られます。特効薬にはなり得ません。ところが、相乗
効果や薬や治療の補完効果が期待出来るものです。いずれにしても、習慣的
に摂取することが大切です。

◎大豆食品
イソフラボンが女性ホルモン様物質として作用するようです。豆乳、納豆、
豆腐等の食品。

◎黒大豆
大豆同様、イソフラボンですが、黒大豆コーヒーは、軽度の排卵障害に有効
であるとの臨床試験が実施されているようです。

http://www.cigario.co.jp/products/black/daizu/index.html

排卵が全くない人を対象として、上記に製品を1日1袋を3ヶ月、飲み続け
た結果は、4割の人が排卵し、漢方薬や排卵誘発剤と併用した場合は、8割
が排卵したと言います。効果が出る人には、短期間で効果が出るのが特徴な
ので、1ケ月飲み続ける価値はありそうです。

◎マカ
既に紹介済みですが、ホルモンバランスの調整に期待して。

http://www.nature-g.com/shohin/naturesgift/01.html


▼ホルモンについて知れば知る程そのシステムの精巧さには驚かされます。
この精巧なホルモンシステムに人間が介在することで、逆にバランスを崩す
ことにもなるのです。皮肉なものだと言わざるを得ません。不妊治療では、
さまざまな薬を大量に使用しますが、この薬が原因で月経周期が乱れ、なか
なか元に戻らなくなってしまいます。
 元来、ホルモンはとても微量が絶妙のタイミングで増えたり減ったりして
システムが成り立っているわけですから、そこに足らないからといって、合
成のホルモンを直接卵巣に働きかけるのはリスクが高くなります。特に、注
射によって直接卵巣に働きかける強い作用を持つ排卵誘発剤の多用は注意す
べきです。薬剤全般に言えることは、何かの作用を起こさせる場合、必ずプ
ラスの作用だけではなしに、マイナスの作用も伴うということです。たとえ
排卵の誘発に成功したとしても、月経周期が乱れ卵の質が低下したりします。
 不妊治療におけて注意しなければならないのは、原因の特定が出来ないた
めに、これをやってだめだったから、あれを取りあえずやってみようか、と
いう方針のない「ステップアップ」治療が延々と継続されることです。治療
の方針はもちろん、その方法についてはしっかりと説明を受け、プラス面と
マイナス面をしっかり理解し、リスクを認識すべきだと言えます。そのため
には、信頼出来るクリニック選びが最も重要になってきます。いざ、治療が
始まってから先生と議論したり、クリニックを転々とするのも難しい面があ
ります。

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■編集後記 
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人間のホルモンシステムは、
石器時代からほとんど変わっていないと言われています。
しかし、現代社会は生活スタイルが激変しています。
昔には到底考えられなかったストレスに晒される機会が増えてしまい、
私たちのホルモンシステムは危機に瀕しているといっても
過言ではありません。
自分でしっかりと防衛しましょう。

尚、誌上カウンセリングは、1号当たりのボリュームが相当なものになって
しましますので、別途誌上カウンセリング専用の号を不定期で配信していき
ます。

皆さんからのご意見、ご要望、ご感想等もどしどしお寄せ下さい。

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        ★誌上カウンセリングに応募下さい★
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妊娠しやすいカラダづくりVOL.011にアンケートが掲載されています。
それをコピー、貼付けてご利用下さい。バックナンバーは下記URLから。

http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000116311

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妊娠しやすいカラダづくり LCN [Life Care News] No.016
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【発行】 株式会社ライフケアマネージメント
【編集】 細川忠宏
【監修】   荻田浩司(内科医・医学博士)
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