曇り時々雨、のち晴れますように

小倉 智子

不妊の特徴その2:パートナーとの決定

2018年10月31日

こんにちは。

10月も終わりになりましたね
というか、おもいっきり、最終日ですね

前回、不妊の心理の特徴を書いたのですが、
思ったより、関心を示してくださった方が多かったので、
今回も少し難しいお話のご紹介です。

不妊を経験すると、
辛い気持ちになりますよね。

その原因はいろいろあるのですが、
の一つが前回のブログで書かせていただいた、
不妊特有の心理があるから、
です。

なかなか知る機会がない、
特有の心理なので、
なんでこんなに辛いんだろう、
と思うことがあると思いますが、
実は生殖物語の書き換え、
たくさんの、繰り返される喪失、
それらによるトラウマがある、
とわかると
ちょっと納得しますよね。

さらに、今回は不妊の特徴、その2、として、
なぜ、こんなに辛いのか、を
説明すると、
不妊はパートナー(夫婦)で
決めないといけないから、
です。

パートナーとして一緒に生活をしている男女が
(最近では男女とも限らないのですが)
子供が欲しいと思っても授からないとき、
どのようにすればいいのかを
二人で決めないといけません。

それが辛い

たとえば、
風邪をひいた、
骨折をした、
癌と診断された、
となったとき、
パートナーに相談したり、
パートナーの気持ちを聞くことがあっても、
最終的には自分の体ですから、自分で決めることができますよね?

でも不妊は
二人の関係によっておこるもので
一人だけで「不妊症」と診断されることはありません

仮に、女性に子宮がなく、男性が精子が作られない体であっても、
パートナーとなったお二人が子供はいらない、
夫婦二人の生活をしたい、
と思えば

不妊ではない

のです。

でも、パートナーのどちらかが、もしくは二人ともが
子供が欲しい、でも授からない、
となって初めて

「不妊症」

と診断されます。

気持ち次第で、診断名がつくというのは、
当に不思議な分野です。

だからこそ、難しい。

女性はすぐに治療したいのに、
男性は治療してまで、子供は欲しくない、
思うと、二人の気持ちを尊重しあうことは
しいですよね。

一人では決められない難しさ。
しかも「病気」ではない。

どうすればいいのか?

まずは、上記したように、
そうだ、二人で決めないといけないから、
難しいんだ、辛いんだ、
ということを理解すること。
それが不妊の特徴であることも認識すること。
そう思うと、少し焦りが減るかもしれません。
こんなに複雑なことだから、すぐに解決できないよね、という風に。

次に、
もしパートナーとの意見が異なっていて、
子供をもつことに、平行線になっているのなら、
前回のブログに書いた生殖物語について、
お互いに、もう一度どんな物語なんだろう、と思い返し、
子供をもつことを考えてもいいかもしれません。

あるいは、カップルカウンセリングを利用するのもよいと思います。
二人だと、感情的になることも、
第三者がいることで、冷静になったり、
カウンセラーに客観的に見てもらうことで気づきがあります。


カウンセリングを利用することは、
まだ抵抗があったり、負担があるようなら、
不妊の問題は二人の問題で、
どちらかが決めていいよ、というものではなく、
自分はこう思う、あなたはこう思う、
から、こうやっていけば、ふたりとも納得できるよね、妥協できるよね、
という話し合いができるといいなあ、と思います。