曇り時々雨、のち晴れますように

小倉 智子

男性不妊②:会話を楽しむ

2018年03月16日

みなさま、
こんにちは

3月ももう半ば・・・
すみません、ブログの更新ができていませんでした。

今回は男性不妊のテーマで書きたかったことの二つ目、
夫婦で治療以外の会話を楽しむこと、
です。

男性不妊が原因で不妊治療に取り組むとなると、
それだけで夫婦の関係がぎくしゃくしやすくなります。

夫の要因があるのに、
病院に行くのはほとんど妻。
しかも採卵のための注射や内診など、
負担がとても大きい。

でも妻はそのしんどさを夫に言えない。
言うと夫を責めているように聞こえるのではないかと思うから。
夫も辛そうな妻を見て声をかけたいと思っていても、
どう声をかけたらいいかわからない、
そもそも自分に原因があることで傷ついているが、
その話はとても妻にはできない。

そうなると治療の話をするにしても
費用の話や、表面的な治療内容の確認になりがち。

もともと楽しい話ではないうえに
お互いが遠慮しあったり、
本音を言えず、しっくりした会話にはなりにくいですよね。

でもそれでいいのです。
本音は言い合えないから。

妻は
「あなたが悪いのに、どうして私だけ苦しまなきゃいけないのよ」
とは言えません。

夫は
「俺が悪いって頭でわかってるけど、全然受け入れられないし、でも申し訳ないし、
だからといって俺ができることは何もないし、子供は欲しいけど、頑張れともいえないし」
あるいは
「TESE(などの手術)で痛い思いをしたのに、これ以上どうすればいいんだ」
とは、なかなか言えません。

それはお互いを気遣っているから。
(もし、言っているご夫婦がいらっしゃったらそれはそれでOKです~)

ポイントは本音を言い合えることが、いい夫婦とは限らない、ということです。
お互いを気遣える、思いやれるかがもっと大事です。
本音を伝えることで傷つくことがあるから。
その時でなく、あとで本音を伝えてもいいから。

でも治療真っ最中の会話が重い。
あるいは、楽しめない。
それは当然だと思います。
どうしても治療や赤ちゃんに結びつきがちだから。

そんな時こそ、治療以外の会話を思いっきり楽しんでいただきたいと思います。
そのためには意識して、
違う話題を話す必要はあるし、その会話を楽しむ、
とちょっと努力が必要ですが、
もともと相手に惹かれて一緒になったわけですから、
何かしら会話が弾むテーマがあるはず。

今更そんな気持ちになれない、
と思われるかもしれません。
でも、治療の話や表面的な話をして、
気持ちが晴れないくらいなら、
ちょっと頑張って、以前二人で楽しんだ会話、
映画でも食べ歩きでも旅行でも
思いだしてそれを楽しんでみませんか?

治療の会話は長くても10分以内で。
それが終わったら思いっきり二人が好きな会話、
興味のある会話、
あわよくばそこから何か一緒に行動できると理想的です。
映画の話をして、そのまま映画館に行っちゃう、とか。

治療中は治療の波に巻き込まれがちです。
治療はあくまで生活のほんの一部。
ものすごい影響力がありますが、
自分たちの人生です。
自分たちが楽しめる時間を少しでも増やしていけると
治療とのバランスが取れやすいかと思います。

治療で可能性がある場合は
上記のような会話を楽しめる可能性は十分あります。

ただ、深刻な男性不妊の場合は、
なかなかそれも難しいかもしれません。
そのような時は
やはり本音を語り合う必要はないんだ、
ということだけ、覚えていただけたらと思います。

夫と妻とそれぞれの思いがあると思います。
お互いに伝えたほうがいいかも、
言ってしまったほうが楽かも、
ということもあるかもしれませんが、
それが相手を傷つけるかもしれません。

相談しようにも安心して話す相手がいない場合が多いですよね。
だから心は自由なので
何を思ってもいい、
ということ、
そして夫婦がお互いを気遣いながら、
でも生殖以外のことで
一緒に楽しめることを楽しむこと、
ができれば、
今は難しいかもしれませんが、
男性不妊を夫婦で受け入れていけるのではないかと思います。