曇り時々雨、のち晴れますように

小倉 智子

不妊治療と仕事

2015年06月25日

みなさま
こんにちは。
心理士の小倉です。

6月も後半となりましたね。
雨が降るのはいいのですが、
予想外の降り方をされると、
雨の季節とはいえ、
困ることも多いのではないでしょうか?
人間はずっとこの自然をコントロールしようと
努力してきましたが、
やはり難しさを感じますね。

さて今回は不妊治療と仕事について。
女性にとって仕事は男性に比べると
様々な意味があるようです。
経済的なこともあれば、
自己表現として、
あるいは社会とのつながり、
という方もいるでしょう。

そんな中で
不妊治療をしている方が
仕事をしていると
治療とのスケジュール調整がむずかしく、
いっそやめたら、
と思い、でもやめたのに子どもが授からなかったら
自分に何が残るのか?
あるいは、治療費のために働かなくてはいけない、
など、簡単にやめられない気持ちがありそうです。

一方で、今現在は働いていない方は、
逆に働いたほうがいいのではないかと
迷います。
治療のことばかり考えてしまい、
仕事をすれば気分転換になる、
「いつも何しているの?」という問いに答えられる、
治療費の足しになるかも、
など。
でも、働くと治療に専念できなくなるし、
急な休みがとれる職場はないだろうし、
そもそもちゃんと働けるだろうか、
という不安もあるし。

最近の日本ではとくに女性に求める役割が
増えましたね。
少子化だ、と言って
子どもをもっと産む、
経済的成長のために、と言って
もっと働く、
子どもができれば
虐待や過保護にならないように、と言って
「望ましい母親」になる、
などなど。

しかも子どもを産むには20代~40代前半と
期間限定。
結婚もしないといけない、
その前に相手も見つけなければいけいない、
でも仕事はどんどん忙しくなる。
負担だらけ、
ですよね。

気付けはば30代後半~40代前半。
不妊治療という選択肢はありますが、
自分でその道を選んだわけではない・・・

ですから
今仕事をされている方には
あらためて自分にとって
仕事とは何かを
考えるといいかもしれません。
今の仕事がいいのか、
自分のキャリア(経歴)に
アイデンティティー(自分らしさ)を感じるのか、
あるいはシンプルに経済のためなのか。

そこを考えると、
もしかすると
仕事をやめても
自分らしさを失うわけではない場合もあります。
その時は
もし治療に専念したい、のであれば
仕事を休む、やめるのも一つの選択肢と
なるでしょう。

逆に今の仕事をやめるわけにはいかない、
やめたくない、
のであれば、治療との両立ができる
病院選び、治療法、を優先することになるでしょう。
関東圏ではかなり病院の数がありますが、
地方だとそれが難しいかもしれませんが、
それでも自分の希望が言える病院探し、
はある程度可能だと思います。

不妊治療と仕事の両立は難しいのですが、
治療で不安定になった気持ちを
仕事で達成感や充足感を感じることで
心のバランスをとることが可能です。
また、すべての仕事は
自身の経歴になりますので、
それは自信になると思います。

仕事をやめない、
という場合には
治療の休止・終結も
視野に入ることもあるかと思います。
自分の人生、ライフスタイルを
見直す機会にもなるかもしれません。

悩むことがたくさんあるでしょうし、
迷うこともあるでしょうし、
わからなくなることもあると思います。
当然です。
子どもを授かるために、
あまりに多くの選択肢、可能性があるけど、
結果が保証されていないからです。

時間がかかることもあると思いますが、
必要な時間は
かけることも大事です。