曇り時々雨、のち晴れますように

小倉 智子

外国の不妊カウンセリング事情①アメリカ

2015年04月24日

みなさま、
こんにちは!
心理士の小倉です。
春らしくなりましたね~。
まだちょっと不安定な感じですが、
外の樹木は緑色になってきましたし、
地面の雑草がすくすくと育っています!

今回は海外の不妊カウンセリング事情について
お伝えしたいと思います。

現在はネットをみれば海外で
治療をされている方のブログを読むことはできますよね。
なので、海外の不妊事情を知ることは
簡単になりました。

とはいっても海外といっていも様々で、
アメリカ、ヨーロッパ(おもに西ヨーロッパ)
オーストラリア、アジア(の中でもいろいろなのですが)
と一口には言えないので、
今回はアメリカについて書きますね。

アメリカもまた州によって
異なりますが、
おおまかにいえば、まずはGP(General Physician)
と呼ばれる一般医、つまりかかりつけの医者に
診察をしてもらい、紹介状をもって不妊専門の病院に行きます。

そこで治療となりますが、
タイミング、AIHも行われますが、
IVF、ICSIへのテンポは日本より早いかもしれません。
というのは40歳以降になって実子を
望むよりは卵子提供、もしくは養子縁組をすすめる
傾向にあるからです。

とはいえ、みんながみんな、
すんなり卵子提供を受けたり、
養子を迎えているわけではありません。

わりきっているように
みえるアメリカ人もやはり、実子にこだわる人の
ほうが多いのです。
そんなときにカウンセリングを利用する人は
アメリカでは日本より多いと思います。

アメリカでは小さいころから、
カウンセラーは身近にいます。
親が子供のことで心配があれば、
上記したGPがカウンセラーを紹介し、
習いごとのようにカウンセリングに
通うこともよくあります。

思春期になればスクールカウンセラー、
就職を考える際は進路のためのカウンセラー、
働いていれば、産業カウンセラー、
結婚のときはマリッジ(結婚)カウンセラー、
家族の問題があれば家族カウンセラー、
などように、
うつ病でなくても、身近にカウンセラーは存在するので、
不妊で悩んでいるのなら
不妊カウンセラーのところにいく、
というのはアメリカ人には自然なようです。

だからといって、
悩みが解決されている、というわけではありません。
アメリカ人の不妊カップルも
日本の不妊カップルとほとんど同じように
悩んでいます。
友人の妊娠を喜べない、
妊娠できない自分は欠陥品に感じる、
何もできない自分は無力感で一杯というご主人、
子どもがいない自分たちは一人前ではない、
などなど。

文化が異なっていても、
子どもを持つことに関しては驚くほど共通しています。

一方で養子や卵子提供の選択肢もさかんで、
血縁にこだわる感情は
日本とは異なるかもしれません。
それでも
養子縁組にしても
卵子提供にしても
しっかりカウンセリングがおこなわれています。

アメリカでは心理的なサポートは
日本よりはあるようですが、
だからといって悩みの内容は
日本と共通していることも多いので、
サポートがたくさんあれば、
悩みが解決できる、というものではありません。

ただ、サポート先が多いことは、
当事者には心強いことですし、
また、サポートを受けることに対する抵抗感を
和らげます。

日本もかなりカウンセリングなどの
心理的なサポートが増えてきましたが、
まだまだ必要な時に必要なサポート、とまでは
いかないと感じますので、
私もサポート側として、
今後も努力してまいりたいと思います。