本来、ヒトは動くようにできているようです。
つまり、あまり動かなくなると、本来、備わっている「当たり前」な機能がうまく働かなくなってしまうおそれがあるということです。
妊娠、出産は、ヒトに備わった機能の一つなので、そのベースになるのは「動く」ということになるはずです。
ここをおろそかにして、「妊活」に励んでも順番が違うというか、本末転倒になってしまうと言っても過言ではないでしょう。
「動かなければ機能が低下する」のは、動くことで、ホルモンや免疫物質、神経伝達物質をはじめ、あらゆる働きを支えるものを運ぶ血流がよくなり、それが長時間維持されるわけですから、当然と言えば、当然のことです。
ただ、そのことはわかっていても、日常生活なかなか運動する時間がないというのが現実かもしれません。
そこで、「日常のフィールド化」を提言したいと思います。
必ずしも、運動しなくても、動けるのではないかということです。
運動と受け止めると、わざわざ、ジョギングや水泳、サイクリングをはじめたり、スポーツジムに通わなくてはならなくなってしまいます。
そうではなくて、日々の生活の中で「動く」のです。
今の社会は幸か不幸か、自分で動く必要がないようにできていますので、流れに身をまかせていると、結果として、じっとしっ放し、座りっ放しになってしまいます。
そこで、自分が、日々、行動しているところを「フィールド」に見立てるのです。
まずは、日々、当たり前のように使っている機械や乗り物を見直します。
たとえば、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を上り下りする、車やタクシー、バスを使わずに歩いたり、自転車に乗ったり、通勤電車の最後の一駅か二駅を歩いたりします。
また、日中、座っていることが多い場合には、30分毎に立ち上がって歩く、座ってやる作業を立ってやる、座ってやる打ち合わせを歩くながらやる、離れたお店でランチをとる、掃除などの日常のルーチン作業の際に意識してストレッチを併用したり、余分に動いたりします。
とにかく、日常生活で動き続けるのです。
実際にやってみると、すぐにわかりますが、土日の休みだけ運動して、普段、じっとしっ放し、座りっ放しの生活よりも、特別な運動をしなくても、普段の生活からじっとしっ放し、座りっ放しを追放するほうがカロリー消費量や血流改善効果、さらには、ストレス軽減効果は断然大きくなります。
日常のフィールド化は休みだけの運動習慣に勝ります。
自分のカラダを正常に取り扱う、これが最も効果的な「カラダづくり」になるはずです。
もしも、ヒトの取扱説明書があれば、「動かなければ機能が低下するおそれがあります」という注意書きが添えられるのではないでしょうか。