編集長コラム

細川 忠宏

食生活、なにをどう見直す?

2023年09月03日

食事は健康な妊娠、出産のベースです。食と生殖機能との関連についての研 究データが蓄積されてきていることからも、食の質を高めることはとても大切なことです。

そこで、食生活を見直す場合、どのような点に着目すればいいのか、なにからはじめるのがよいのか、最近の研究報告をベースに考えてみたいと思います。

ここに挙げた内容は、あくまで、私たちの考えであり、一つの意見であることをご承知おきください。

1)野菜の種類と量を増やす
厚労省が推奨している1日の野菜の摂取量は350g以上ですが、最近の国民健康・栄養調査によりますと、その7割も食べていません。

そこで、1食あたり、もう一皿、野菜の量と種類を増やすことを提案します。

野菜 に含まれている栄養素、たとえば、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの植物性化学物質の含有構成が野菜によって異なるからです。

そのため、食べる野菜の種類に偏りがあると、摂取できる栄養素も偏ってしまい、反対にいろいろな種類の野菜を食べることで、結果として、いろいろな栄養素を満遍なく摂取でき ることになります。

特にポリフェノールは抗酸化作用があり、独自の作用がありますので、極めて重要です。

2)たんぱく質のおかずを含んだ朝食を食べる
もしも、朝食を食べないことが習慣化しているのであれば、せめて、週に5日くらいは朝食、それも、たんぱく質のおかずを含んだ朝食を食べたいものです。

朝食を抜くと、昼食や夕食後の食後の血糖値が高くなる ことが知られています。

食後高血糖は活性酸素の発生量を増やし、それが続くと、糖代謝異常を招きやすく なり、卵子や精子にダメージを与えてしまう可能性が高まります。

3)砂糖入り清涼飲料水を控える
砂糖入り清涼飲料水は、不妊治療の治療成績の低下に関連することがわかっていて、砂糖入り清涼飲料水を多く飲む女性は、そうでない女性に比べて採卵数や良好胚数が少なく、1日に1本以上飲む女性は飲まない女性に比べて体外受精で出産まで至る確率が16%低いという報告がなされています。

飲み物に限らず、精製された砂糖、特に空腹時に飲んだり、食べたりするのは、血糖値の急激な上昇を招き、よい卵や胚をつくる のに「大敵」です。

4)魚を週に3回は食べる
動物性タンパク質源は、肉よりも魚を中心にするのが、妊娠や出産には適しているようです。目安としては週に3 回以上です。

ところが、実際には、このところの傾向としては、肉の摂取量が増え、魚の摂取量が減っています。

実際に魚をよく食べることは不妊治療の治療成績によい影響を及ぼすことが明らかで、魚を週に3回食べる女性は2週間に1回しか食べない女性に比べて、体外受精で出産まで至る確率が40%も高いという研究報告がなされています。

5)加工度の低い食材を選ぶ
最後に全体的なことですが、加工度の低い食材を選ぶということです。

加工度をあげることで、本来、その 食材に含まれていたさまざまな微量栄養素を捨ててしまうことになり、食材から摂れる栄養素のバランスは 悪くなってしまうからです。

せっかく、バランスのよい食生活を心がけていても、一つ一つの食材や食品に 含まれている栄養素のバランスが悪ければ、元も子もありません。

以上ですが、決して、誤解しないでいただきたいのは、あくまでも程度の問題であり、バランスの問題であるということです。