編集長コラム

細川 忠宏

「頑張り」ではなく「楽して」改善する

2023年04月03日

このサイトでは、食事のこと、運動のこと、睡眠のことなど、さまざまな生活習慣と妊娠や出産との関係について、学術論文から得られた知見をもとにした情報をお送りしています。

ただし、そんな情報も活用されて、すなわち、実際に生活習慣に取り入れ、心や身体の状態が変化し、そして、妊娠や出産の結果にプラスの影響を及ぼして初めて、意味があるというものです。

もちろん、情報の送り手は、受け手がその情報をどのように受け止め、どのように使おうが、コントロール出来ませんし、それこそ受け手の勝手じゃないかと言われればそれまでなのですが、このメルマガを読まれるのは、楽しみではなく、妊娠や出産にプラスになることが目的だと思うので、やはり、実践や実行が伴うことが必須です。

そこで、その障害になるのは「わかっちゃいるけどやめられない」問題ではないでしょうか?

弊社のサプリメントを購入いただいた際に配布させていただいている小冊子「YFP(Yell From Partners)」の2023年1月号から「管理栄養士によるお悩み相談」の連載をはじめました。」

1月は「朝に食欲が湧かず抜いてしまう」、2月は「なかなか体重を増やせない」、そして3月は「甘いものがやめられない」というお悩みに管理栄養士の榊玲里先生に回答いただいています。

これらの悩みは、「わかっちゃいるけど、やめられない」問題で、この問題を「意志が弱いから」で片付けず、「方法論」として考えたいと思い、この連載をはじめました。

そもそも、自分も含め多くの「普通の人々」は、それほど意志が強いとは思えません。であれば、意志が弱いから続かないということになれば、もたらすのは問題の解決ではなく、罪悪感のみということになってしまいかねません。

そこで、意志の力をあてにせず、極端に言ってしまえば、意志が弱くても、水が高いところから低いところに流れるごとく、楽して改善できる方法はないものかと考えた次第です。

つまり、「甘いものがやめられない」というお悩みに対して「意志の力」で解決しようとすると、ひたすら「我慢」ということになります。そうではなく、まずは甘いものを食べたいという欲求を受け入れた上で、問題の解決を考えてみようということです。

具体的には、問題は「甘いものを食べたい」という欲求そのものにあるのではなく、求めすぎること、すなわち過剰な欲求に対して、なぜ過剰な欲求をもってしまうのか、ここをじっくりと考えていこうというものです。
たとえば、甘いものへの過剰な欲求は、食事全体の満足度が低いからなのではないかという仮説を立てます。

解決策としては、食全体の満足度に着目し、まずは、3回の食事でお腹も心も満たすように心がけてみます。

具体的には、単品もので済まさず、定食スタイルにしたり、もう一種類おかずやスープをプラスするなど、3回の食事を充実させ、満足度が高まるように工夫します。

その結果、それまでの甘いものへの過剰な欲求が和らいでいくようあれば、甘いものを求めすぎていたのは、食全体の満足度の低さへの代償だったことになります。

また、甘いものがやめられないことを問題に感じてしまうのは、「身体に悪そう」という認識があるのかもしれません。であれば、甘いものの選び方を見直してみるのも一つの手段です。

この場合は、甘いものの健康度に着目し、身体によさそうな甘いものを楽しめばいいわけです。たとえば、フルーツや焼き芋、甘栗などの自然な甘みを楽しむように心がけます。

その結果、腸内環境を整える食物繊維や体調を整えるビタミンやミネラルを補充することになります。

このように、無理なく改善するために必要なものは、「強い意志」ではなく、「正しい情報と柔軟な発想」、そして「楽しむ心」ではないでしょうか。