編集長コラム

細川 忠宏

自分が理解できるものだけを実行しよう

2013年02月05日

読者の方々からいろいろなメールをいただくのですが、ご相談内容で多いものの一つに、「○○はやるべきか」というものがあります。

○○は妊娠に効果的だと聞いたけれども、どう思うか?というものです。○○には、いろいろなモノやコトが入るのですが、ある治療法や実際にネットで販売されている商品であることも少なくありません。

もちろん、私たちには、そのことを判断できる立場にありませんし、そんな能力もありません。

正直に言えば、私たちが教えて欲しいくらいなのですが、場合によっては、判断材料であれば提供できることがあります。たとえば、そのコトやモノについての文献など、いわゆる、科学的な根拠のあるなしやそのレベルに関してです。

ただし、しっかりした根拠があるかないかはとても大切であることは間違いないのですが、かと言って、科学的根拠がないという理由だけで否定できるものでもありません。

とにかく、そもそも、自分たちで100%コントロールできないことを、それも、限られた時間とお金のなかで、後々、後悔しないように、何をどう取り組めばいいのか、本当に、本当に、悩ましいものです。

このメルマガをはじめて9年半、配信回数も500回を超えましたが、ずーと、このことを考え続けてきたように思います。

で、先週、新聞を読んでいて、「なるほど!」と思わず、膝を打った記事に出会いました。

投資家として有名なジムロジャースさんへのインタビューで、こんなふうにありました。

「そもそも投資は、自分の頭で考えてやるべきことだ。だから銀行や証券会社の人などに頼らず、自分で理解できるものだけに投資すべきなんだ。」

普通、素人の自分より、専門家のほうが知識も経験もあり、すぐれた判断が出来るだろうと考えてしまいますよね。そもそも、プロなわけですからね。

ジムロジャースも、まずは、こう言っています。

「自分の頭で理解できることは限られている、そんなことをしていたらおカネを殖やすことはできない、と思うかもしれない。」

ところが、こう言うのです。

「自分で理解できるものだけを買えば、少なくとも損をすることはないだろう。人の言うなりに投資をして大損するのと、自分で考えて損も得もしないのとどちらがよいかよく考えてほしい。」

そして、アドバイスとしてこう締めくくっています。

「分からなくなったら専門家に頼らず、窓の外を見てよく考えるんだ。」と。

これ、全く、私たちにもあてはまるじゃないか!、と思ったわけです。

考えてみれば、命が発生し、育まれるメカニズムについては、専門家と言われている先生方も、100%わかっているわけではありません。むしろ、分からないことのほうが多いわけです。

ですから、先生方も妊娠を保障してくれるわけでもありませんし、個別の正解を持っているわけでもありません。

たとえ、治療で迷ったとしても、少なくとも、"自分で理解できる方法"だけを試みるべきではないかと思うわけです。

自分たちで取り組むコトや手に入れるモノについて、そのコトやモノとは何なのか、そのコトやモノは自分たちにどのように役に立ち、また、それはなぜなのか。

さらには、どんなリスクがどれくらいあるのか、自分たちの頭で考えて、理解できるかどうか。

もしも、理解できないところがあるのであれば、そのことについては、情報を収集し、専門家のアドバイスを仰ぐべきでしょう。

それでも、理解できなければやらない、そういう考え方です。

自分たちと悩みを同じくする他の人がやっているからとか、有名な人がやっているからではなく、自分たちが理解できるかどうか、これが唯一の判断基準ではないかと思います。

いかがでしょうか?