編集長コラム

細川 忠宏

カロリスが私たちに教えてくれること

2009年12月07日

細胞の"若さ"は、環境が決定する

カロリスってご存知でしょうか?

カロリーリストラクションのことで、食事のカロリーを制限することを意味します。

今、このカロリスこそが、老化を遅らせる最も確実な方法として、抗加齢医学の研究者の間で大変注目されています。
ショウジョウバエでも、マウスでも、そして、アカゲザルを使った実験でも、とにかく、カロリーを制限するだけで、長生きするというのです。

それも、外見や中身、そして、頭も、若々しく、です。

おそらく、私たち人間にもあてはまるだろうというのが、専門家の一致した見解のようです。

昔から言われている"腹八分目"というのは、そのカロリス効果を、長い間の経験から知り得た生活の知恵なのかもしれません。

それにしても、生き物のエネルギー源を、"プラス"ではなく、"マイナス"にすることが、細胞を長期に渡って活き活きした状態にする・・・。

これは、いったい、どういうことなのでしょうか?

食べる物が豊富で、簡単に手に入り、欲求のおもむくままに、好きなだけ食べられる、一見、とても恵まれた状態なのですが、細胞とっては、必ずしも有利な状況ではないようです。
反対に、ちょっとお腹が空いている状態のほうが、細胞のポテンシャルが発揮できるのかもしれません。

専門家によりますと、いつも食べ物が豊富にあるとは限らない自然界で、サバイバルするために備わったメカニズムではないかとのこと。

いずれにしても、細胞の"若さ"は、環境が決定するということに他なりません。

環境を最適化するということ

確かに、カロリスには老化を遅らせる効果があるのですが、妊娠中の女性はもちろん、妊娠を望む女性にもお勧めすることができません。

なぜなら、摂取カロリーを制限することで、子どものためではなく、自分の身体の維持のために、エネルギーを優先して使ってしまうため、妊娠中のリスクにつながったり、妊娠しづらくなってしまう可能性があるからです。

ただし、カロリスは、私たちに、とても大切なことを教えてくれています。

それは、生殖細胞、すなわち、卵子や精子の元の細胞も、例外なく、環境次第で、その質がよくも悪くもなるということです。

つまり、妊娠に至る力を備えた卵子や精子を育むには、何か特別なものに頼ることよりも、体内環境こそを最適化するのが大切だということ。

すべての細胞は元気になりたがっている

考えてみれば、私たちが、卵子や精子を育てているわけでもなく、ましてや、つくっているわけでもありません。

私たちの体内環境で、卵子や精子の元の細胞が自ら育っているのです。

私たちに出来ることと言えば、"質のよい卵子をつくる"ことではなく、"生命力のある卵子や精子に育つような環境をつくる"ことです。

私たちが提唱するカラダづくりに取り組んだから、また、私たちがお勧めするサプリメントをお摂りになったから、そして、プレマタニティビクスを実践されたから、妊娠するということではありません。

もしも、妊娠しやすいカラダづくりに取り組んで、また、サプリメントをお摂りになって、そして、プレマタニティビクスを実践されて、
妊娠することができたなら、それは、それらが体内の環境を向上させて、そのことで、卵子や精子にスイッチが入ったからなんだと思います。

そして、あと、私たちに出来ることは、待つこと、祈ること、見守ること、そして、感謝すること、そう思うのです。

すべての細胞は元気になりたがっているはずですから。