編集長コラム

細川 忠宏

見えない敵を排除するために

2006年11月18日

サイト版の妊娠しやすいカラダづくりのQ&Aには、毎日、数件のご相談が寄せられます。

きちんと集計したわけではありませんが、不妊治療を受けてらっしゃる方、 もしくは、休憩中の方が、だいたい、6、7割くらい、そして、もしかしたら不妊ではと心配になり出したという方が、3、4割くらいだと思います。

そんな、不妊に悩み始めた方々のご相談に接していて感じることがあります。

それは、友人や知人が妊娠したことがきっかけになって、悩みだした、或いは、悩みが本格化したという方が多いということです。

確かに、自分が、妊娠しにくのかどうかなんて、誰かと比べないと分かるわけがありません。
ですから、友人の妊娠の報に接したことで、それ迄、漠然としていた、なかなか授からないという不安が、突然、ガツンと、明確になってしまうのですね。

人情としては、当然のことなのかもしれません。

ところが、気になるのは、後々まで、焦りや心配の根拠が、友人たちに先を越されたことであり続けることです。

こういうことは理屈ではないようで、二人目不妊と言われる悩みにもよく似た面があるような気がします。

それは、無意識のうちに、一人目の妊娠の時と比べてしまっていて、現在の自分に、不妊の烙印を押してしまうケースです。

人間というのは、話しやデータとしてインプットされたものよりも、自分の目で見て、自分で経験したことの方を、判断材料として、優先してしまいがちなようです。

そして、そのことが、不必要に悩みや不安を大きくしてしまっていることが少なくないようです。

大切なのは、特定の誰かと比べて、一喜一憂するのではなく、全体の傾向と比べて、冷静に、自分たちを客観視することだと思います。

そのための正確な情報を提供していきたいと思います。