編集長コラム

細川 忠宏

メールマガジン創刊4年目を迎えて思うこと

2006年10月08日

早いもので、このメルマガも、今月から創刊4年目になりました。

発行している当人は、 すっかり、忘れていたのですが(^_^;)、なんと!創刊から購読しているという方からメールを頂きました。

そんな節目ということで、これから不妊治療を始めようと考えておられる方、既に、不妊治療を受けていて、なかなか、うまく行かずに悩んでいるという方に、参考にしていただけるようなお話をさせて頂ければと思います。

不妊治療を受けていて最も悩ましいのは、どのくらい治療を続ければ授かれるものなのか、なかなか、予測しづらいことではないでしょうか。

病気やケガのように、 "全治3ヶ月"なんて言われていれば、あともうちょっと、頑張ろうという気持ちにもなれるものですが、"先が見えない"なんて言われる不妊治療の場合は、もしかしたら、このまま、ずっと、授からないのでは・・・、なんていう不安に苛まれることも少なくありません。

山に登るとき、山頂が見えない中を歩くのは辛いものです。

険しいルートが前方にあったとしても、これさえ乗り越えれば、目的地に到着できるとなれば、人間、多少の苦労は厭わずに、頑張れます。

ところが、あといくつ、険しいルートをクリアすればよいのかが見えないと、同じ険しさでも、相当に、疲れるものです。
それは、自分でペース配分が出来ないからです。

自分たちが主体になるということ

不妊治療は"出口の見えないトンネル"のようだと言われますが、出口がみえない、要するに、目的地にいつ頃着くのかも知らされずに、ただ、他人の運転する電車に乗せられることほど辛いことはありません。

ところが、自分たちで運転してみるという自覚を持てばどうでしょう?

風景は、ガラッと変わるはずです。

いまや、溢れていると言っても過言ではない不妊に関する情報の中から、自分たちに必要な情報を取捨選択しされるでしょうし、優秀なナビゲーターを探し、出会うことでしょう。

そのことで、黙って、おまかせしていた時には、 知らなかった、或いは、あっても気づかなかった、さまざまなルートや方法があることを知ることになるでしょう。

こうなれば、精神的にも、驚くほどタフになれるものです。

不妊治療の特殊性を理解するということ

不妊症と一口に言っても、身体の状態からみれば、一筋縄でいかないことが少なくありません。
なぜなら、不妊の原因は、 検査を受けても、よく分からないことが多く、また、複数で、複合的、変動的であることが少なくないからです。

そうなると、当然、治療の進め方も、言ってみれば、最初のうちは、手探り状態にならざるを得ません。

妊娠を妨げているものがあやふやであったとしても、想定される原因を、順番に、治療し、妊娠を待つことを繰り返します。

また、複数の卵子を排卵させ(過排卵)たり、原因、もしくは、原因と想定されるところを人為的に迂回して、妊娠の確率を高めたりします。

いずれにしても、"賭け"という側面は否めないものです。

そのことを、不満や怒り、悲しみとしてしか、受け入れられないのか、それとも、生命の誕生の奥の深さと、自らを納得させるのか、この、不妊治療の特殊性をどう受け入れるのかによって、気持ちの持ち方に及ぼす影響はとてつもなく、大きいものがあります。

人間として、夫婦として、試されるところかもしれません。

自分たちなりの見通しをもつということ

さて、自分たちが主体になって、そして、不妊治療の特殊性を理解すれば、おのずと、自分たちなりの見通しを持てるようになります。

たとえ、出口が見えなくても、どの方向に、出口があるのかが、そして、自分たちに相応しいトンネルから出る方法が、さらには、一番気になること、出口までの距離が、近いのか、遠いのかということが、おおまかにでも把握出来るでしょう。

いかがでしょうか?

ともすれば、"先の見えないトンネル"であっても、二人が、主体的になって、正しい情報に接することで、自分たちが、今、頂上を目指して、どのあたりを登っているのか、そして、この先、どのルートを選択すべきなのか、ハッキリと、見えてくることでしょう。

そして、どうせ登るなら、夫婦二人で、仲良く、力を合わせて、そして、周囲の草花を愛でながら、楽しく登りたいものです。

「妊娠しやすいカラダづくり」は、 創刊4年目に入っても、これからも、続けていくつもりですが、多くの方々が、1日も早く、"卒業"されることをお祈りしています。

私たちは、妊娠は保証できませんが、よめば、頭の中のもやもやが晴れて、気持ちが、軽く、前向きになる、そんなメルマガにしていきたいと、心から、思っています。