編集長コラム

細川 忠宏

自然にかえるということ

2004年10月02日

メルマガ「妊娠しやすいカラダづくり」は、2003年の9月6日にスタートしました。
これまで、読者の皆さんからの生の声を聞かせてもらうと共に、世界の不妊改善に関する情報をチェックし続けてきました。

そして、今の時点で感じていることは、妊娠のためには、「自然にかえること」が大切である、ということです。

週刊朝日最新号の不妊治療の「いい病院」の特集記事の中で、東京の加藤レディースクリニックの加藤院長のコメントが紹介されています。私は、このコメントが多くのことを象徴しているように感じました。

「やはり、一定以上の経験は必要。不妊治療で深刻なのは経験の伴わない医師が、安易に排卵誘発剤を用いることです。排卵誘発剤を長期間にわたり投与されたために、妊娠がむつかしくなった患者さんもいる。薬の副作用で卵巣が腫れ上がったり、血栓が生じて脳梗塞が誘発される場合もある。1000例以上の経験を積んだ医師はそうした危険を痛感しています。だから、より自然に近い形で妊娠させてあげることが望ましい。体が最高の卵子を選んでいるのですから。」

因みに加藤レディースクリニックは、おそらく体外受精の治療実績数では日本でも有数のクリニックです。

要するに最先端の技術を追求した結果、現時点の結論が、"自然に近い形"が望ましいというわけです。

上記の加藤院長のコメントからは、副作用等をさけるための"自然に近い形"、という意味にもとれますが、"自然に近い形"で排卵された卵子こそが、「体が最高の卵子を選んでいるため」に質が高く、"自然に近い形"のホルモン環境による子宮内膜こそが、「体が最高の着床環境を形成しているため」に良好な状態である、ということを言わんとされているはずです。
自然周期の体外受精法の利点です。

このように、最先端の高度な生殖医療と言えども、あくまで補助、介添えにしか過ぎず、妊娠するかどうかを大きく左右する"卵子の質"や "子宮内膜の着床環境"は、女性のカラダに本来備わった生殖力に頼らざるを得ないということです。

そして、加藤院長が指摘されている "妊娠がむつかしくなった患者さん"というのは、そんな大切な"自然に近い形"を、間違った薬の使い方によって、 不自然な形にしてしまい、結局、本来備わった生殖力を低下させてしまったために、妊娠が難しくなったと言うことだと思います。

もう一つは、"ストレスの低減"です。カラダへの治療ではありません。
直接、生殖器官に働きかける訳ではありません。
心に働きかけるのです。
長期間に渡って妊娠しない、妊娠できないことから感じる不安や焦り、不妊治療を受けることから感じるストレスを取り除くことが、結果として、妊娠率の向上に寄与するということです。

要するに、子供が出来ないということ、そして、恥ずかしい思いや痛い思いをしながら通う不妊治療で、心の状態が不自然になってしまっているのです。

不自然な心の状態は、悲しいかな妊娠を妨げてしまう最大の要因になっているかも知れないのです。

このメルマガでもいで先生の気功を取り入れた生活法、アメリカのハーバード大学の不妊改善のための心理療法プログラムを ご紹介し、いずれも多くの読者の皆さんからの支持を頂いています。

いかがでしょうか?

カラダも心も自然な状態が一番、 そうです、自然にかえる、のです。

私たちが、待ち望んでいるのは、"新しい生命"です。

そして、それは、薬や手術によって作られるものでは決してありません。

不妊治療は妊娠を妨げているものを取り除くことでしかありません。
カラダとココロが自然にかえったときに、"新しい生命"を育む生殖力がもっとも高まるのです。