ウォーキングを始めてみませんか?

2007年10月08日

今年の夏は本当に暑かったですね。けれども、さすがに、9月も終わりになると、ぐっと、過ごしやすくなった今日この頃、といった感じです。アウトドアが、爽やかで、気持ちのよい、この季節こそ、スポーツを始めるのにはうってつけです。

自力で"落ち込み"や"不安感"から脱出するために

生理がくるたびに落ち込んだり、周囲の干渉や無理解に辛い思いをさせられたりと、人よりもちょっと長い期間、赤ちゃんを待つということは、心を乱されることの連続なのかもしれません。

そして、リラックスすることは大事なことと、分かってはいても、現実には、自分の心の状態を、自分でコントロールすることは至難の技です。そんな時でも、身体を動かすことが、"落ち込み"や"不安感"から脱出できる有効な方法になるかもしれません。最新の報告をご紹介しましょう。

最新の研究が報告するスポーツの"抗うつ効果"

アメリカのデューク大学の研究チームは、スポーツには抗うつ剤と同じ効果があることを実験によって確かめています

202名の男女のうつ病患者を無作為に、抗うつ剤(サリフト)を服用するグループ、週に3回専門の指導により運動するグループ、家で自主的に運動するグループ、偽薬を服用するグループの4つのグループに分けて4ヶ月後に診察しました。その結果、抗うつ剤を服用したグループと運動療法を受けたグループは、同じレベルのうつ症状の改善が確認されたというのです。

運動が脳内の神経伝達物質を増やす

走ることでもたらされる「ランナーズハイ」は有名で、脳内のモルヒネ様物質(エンドルフィン)が増えるからだとされています。セロトニンやノルアドレナリン等の脳内の神経伝達物質が減少することで、うつが発症すると考えられているそうですが、反対に、これらの物質が、運動によって、増加するそうです。今でこそ、運動不足気味だけど、学生時代には運動していたという方はその頃のことを思い出してみて下さい。きっと、それほど、落ち込むことはなかったはずです。本格的な"うつ症状"でさえ改善してしまう効力を秘めているのです。

落ち込みや不安を軽減し、健全感が高まるということは

結局、いつ"その時"が、二人に訪れるのか、私たちにはコントロールできない領域で決まることは間違いない事実です。そうであれば、その時までに私たちに出来ることと言えば、マイナスになるとされていることは避けつつ、過度な期待や悲観を排して、心穏やかに"待つ"ということでしょう。強すぎる期待や不安は、心の余裕を奪ってしまいかねません。そして、大切な判断を誤らないためにも、健全感はとても、とても大切です。健全感を高め、落ち込みから自力で脱出し、不安を軽減し、ストレスと闘うために、運動することは、必ず、強力な武器になります。

自力で"妊娠しやすい"カラダをつくるために

妊娠しやすいカラダづくりに最適なのは、ウォーキングやジョギング、スイミングなどの「有酸素運動」です。

★有酸素運動とは?

有酸素運動とは、一言で言えば、軽く、長く、継続する運動のことで、必要なのは、瞬発力よりも、持久力になります。ですから、必要な酸素をカラダの隅々まで供給する力がついて、
体内の糖の代謝や脂肪の代謝がよくなります。

★有酸素運動がどのように妊娠する力を高めるのか

《有酸素運動のメリットその1》

「妊娠できる力のある卵子が排卵される周期が増えることが期待できる」

卵巣年齢を決める要因の1つが卵巣への血流量です。有酸素運動を続けることによる卵巣への血流量の増加が、質のよい卵子が排卵される機会が増えることが期待できます。

《有酸素運動のメリットその2》

「子宮内に着床環境が良好になることが期待できる」

有酸素運動を続けることで血流がよくなり、子宮内膜の増殖、分化の正常化が着床環境を良好にします。

《有酸素運動のメリットその3》

「インスリン抵抗性による多嚢胞性卵巣症候群の改善が期待できる」

有酸素運動を続けることで、体内の糖や脂肪の代謝がよくなって、インスリン抵抗性が改善されることによって、PCOSによる排卵障害の改善が可能性が期待できます。

ウォーキングがベストな有酸素運動

私たちはウォーキングがベストな有酸素運動だと考えます。なぜかと言えば、
・お金がかからない。
・手軽に始められる。
・夫婦で一緒にできる。
とにかく、誰にとっても、始めるための障害はほとんどありません。

まずは、それぞれのペースで始めてみませんか?毎日、どれくらい歩いているのかは、人それぞれでしょう。いくら、ウォーキングの効能の素晴らしさを並び立てても、実際に、皆さんご自身が、実践し、継続されなければ、無意味です。習慣化するためにも、無理は禁物ですから、目安は、1日1000~2000歩をプラスすることです。そして、徐々に、歩数を増やしていくのがよいのではないでしょうか。なにわともあれ、歩数計を手に入れて、記録することからです。ダイエットに取り組む際には体重計が必須のように、ウォーキングの場合には歩数計ということになります。

効果を現実のものにするための工夫を考える

ただし、何事も"言うは易し、行うは難し"ところはあるものです。そこで、継続するためのいろいろな工夫術を、この半年間、私たちが実践してみて感じたことをご紹介しましょう。

★新しいことを始めるのは難しいけれど

ウォーキングを始めるにあたって、たとえば、忙しい(眠い)朝に、1時間割くというやり方は、決して、悪くはないのでしょうが、長続きしづらい人が多いかもしれません。日常に生活に、全く新しい習慣を、強引に組み込むことは難しいからです。ただ、ウォーキングなどと言ってしまえば、いかにも、新しいスポーツに取り組むかのように考えてしまいますが、考えてみれば、誰だって、毎日、歩いているわけです。

★日常の"歩き"を延長することを考えてみる

そこで、新しいことを始めるというよりも、日常の歩きを延長したほうが、断然、スムースです。たとえば、エレベーターやエスカレーターを使っているところを歩いてみる、また、毎朝のバスを隔日にしてみたり、帰宅時の1駅を歩いてみる等、いろいろなパターンがあると思いますが、要は、これまでは乗り物に乗っていた部分を歩きに変えてみる、または、これまでの歩きを長くしてみるのです。さらに、これまでの歩くスピードや強度を高めてみるだけでもいいでしょう。普段の生活の中で、"こまめに歩数を稼ぐ"という発想です。

★週末に稼ぐという方法も

1日に1000~2000歩プラスするということは、週に7000~14000歩になりますから、平日に出来なかった分を、週末に取り返すのも有りですね。お休みの日であれば、1、2時間割くことは現実的ですし、歩き方のバリエーションもいろいろ考えて、楽しめそうです。

★ウォーキングを楽しむという発想で

何事も楽しくなければ、続きません。私たちのこれまでの経験では、いろいろ試してみましたが、ポイントは"緑と水"に触れることです。例えば、大きな公園があれば嬉しいですが、緑道なんかでも、街中を歩くよりは、癒されます。ちょっとした森林や里山があれば最高ですね。また、水は、海や川ということになります。海辺か川辺ですね。水そのものというよりも、空間的に開けたところです。街中の川辺でも、そこそこの開放感を味わえるものです。近くの緑や水を探してみましょう。最適なウォーキングルートを開発することはとても大切です。

★週末には少し遠出してみる

週末には日帰りの範囲で、遠出してみることです。どんな都会からでも、ちょっと足を伸ばせば、緑や海、川があるはず。日頃のルートでは味わえない風景や雰囲気を楽しめますね。また、子宝神社や子宝温泉巡りを兼ねてみるのもよりいいかもしれませんよ。さらに、遠出が出来ない週末にはおいしいお店探しもいいですね。

★音楽や落語、講演を聴きながら

もう1つ。音楽や落語、講演などを聴きならが歩くことです。最近、アイポッドやデジタルウォークマンのおかげで、自分の好きな音をつくる環境が飛躍的に高まっています。これをウォーキングに組み込まない手はありません。素材は音楽に限りません。落語や講演、また、語学のマスターにもうってつけで、歩く"リスニングルーム"だけでなく、歩く"勉強部屋"になれば、一石二鳥ということになりますね。

ウォーキングのすすめの最後に

いろいろ書いてきましたが、とにかく、ウォーキングをお勧めします。

★ただ、歩くだけで

実際に継続するうちに、それまで思ってもみなかったよさを発見できるはずです。たとえば、頭への血流が増えるからでしょうか、頭がスッキリします。そして、仕事上のちょっとしたアイデアを思いついたり、いろいろな問題について、新たな視点が得られたりするものです。朝のウォーキングで、その日の過ごし方のシミュレーションをすることで、快適で、効率的な1日を送ることが出来たりするでしょう。また、便通が驚くほど、スムースになったりもします。ただ、単純に歩く歩数を増やすだけで、得られるものは計り知れません。

★人間は歩くように出来ている、そうであれば・・・

そもそも、"人間は歩くように出来ている"ことを実感できます。一説によりますと、現代人の平均歩数は数千歩以下なのに対して、江戸時代の人は、少なく見積もっても数万歩以上は歩いていたそうです。ところが、便利な乗り物や機械の出現で、歩く必要がなくなったわけですが、歩くことを増やすだけで、心身の状態がとってもよくなるということは、未だ、人間の身体だけは、そんな文明生活に適応できていないのでしょう。足は歩くためにあり、本来の機能を生かすことで、身体のそれぞれの機能も、本来の機能が高まるのではないでしょうか?生殖器官も、決して、例外ではないようです。

とにかく、ただ、ひたすら、歩け!歩け!です。