排卵誘発剤で排卵誘発することで卵子が早くなくなってしまいませんか?

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排卵誘発剤で排卵誘発することで卵子が早くなくなってしまいませんか?

AMH(卵巣年齢検査)でどれだけ卵巣に卵子が残っているかを推定するといった表記を良くみかけます。

体外受精の為に排卵誘発し、10個~20個採卵したとしたら、すぐに卵子は底をついてしまうのでは?、と疑問を持ちました。

現在38歳でタイミング療法中です。

年齢的に心配な分、少しでも卵巣に良い血液が届くよう、生活・体質改善に努めていますが、ステップアップを考える上で、正しい知識と希望を持ちたいと思ってます。

AMHに関する様々なサイトを見て有益な情報だと私が感じたのは↓

・原始卵胞は初潮で30万個、目覚めている卵は20個くらい
・原始卵胞が目覚め、発育卵胞/前胞状卵胞の状態でAMHが分泌される
・AMHの数値は目覚めている卵胞の数に比例する。

これらのことから、正に「卵巣年齢診断」であって、AMHの数値が卵子の残数に直結するわけではないという印象を持ちました。

下記の考え方は正しいでしょうか?

・年齢と共に原始卵胞は減少し続け、増える事はない。
・AMHの低下は目覚める卵子が減ることによるもので、卵巣機能の低下を示す。
・卵巣機能が改善されれば、発育する卵胞が増えることも考えられる。
・排卵誘発剤を使用して大量に卵胞を発育→成熟させたとしても卵巣機能が低下していない限り、
 次の原始卵胞 が発育し、枯渇することはない。

間違っていたらご指摘いただけるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

お名前:ルーシー  性別:女性  年齢:38
結婚歴:8年  不妊期間:0年5ヶ月  不妊治療期間:0年5ヶ月
これまでに受けた検査:ホルモン検査/精液検査(ご主人)  これまでに受けた治療:タイミング指導

Answer【回 答】妊娠しやすいカラダづくり 細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)

体外受精のために排卵誘発し、複数の卵子を採卵したとしても、卵巣内に残っている原始卵胞の減少を促進し、閉経を早めてしまうことはありません。

このことは、体外受精だけでなく、タイミング指導や人工授精に伴う排卵誘発剤の使用においても同様のことです。

その理由は以下の通りです。

女性の出生時には体内に原始卵胞が約200万個プログラムされてますが、初潮の頃には、おっしゃるように約30万個と言われています。
排卵の3ヶ月くらい前にはそこから約1000個の卵子が選ばれ、成熟を開始します。
月経がはじまる頃には、その中から約20個が選ばれ、さらに、その中から1つだけ(主席卵胞)が選ばれ、排卵するわけです。
結局、排卵前の3ヶ月に目覚めた約1000個から1個だけが排卵し、残りは消滅してしまいます。

そして、その消滅する運命にあった卵子に排卵誘発剤が働きかけて、拾い上げるのです。

ですから、排卵誘発剤を使っても、使わなくても、毎月、1000個ずつ減っていくというわけです。

一方、自然に選ばれる卵子が質の良い卵子かどうか、よく質問されますが、必ずしもそうとは限りません。

選ばれたのは、偶然、つまりは、"たまたま"ということです。

ですから、自然に選ばれた卵子で妊娠に至らずに、排卵誘発剤の刺激で、発育、成熟しら卵子で妊娠することがあるのです。

体外受精の際に、卵巣を刺激し、出来るだけ多くの卵子を採卵しようとするのは、そうしたほうが質のよい卵子に出会う確率が高まり、妊娠率が高くなるからです。

このように、不妊治療は年齢との闘いという側面が宿命的にあるわけです。

また、最近は、不妊治療を開始する際に、血中のAMH(アンチミューラリアンホルモン)濃度を測定するクリニックが増えてきました。

おっしゃるように、AMHは発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、原始卵胞から発育する前胞状卵胞数を反映すると考えられています。
そのために卵巣予備能(卵巣にどれくらいの卵子が残っているか、卵巣年齢)の目安になります。

卵巣予備能は年齢に伴い低下していきますが、個人差が大きいものです。

従来、卵巣予備能を知るにはFSHが用いられていました。
ところが、FSHは変動が大きいのに対して、AMHは月経周期中の変動がなく、そのため、最近は、AMHが卵巣予備能の目安を知るために用いられるようになりました。

AMHによって排卵誘発剤への反応度合を予測することが可能なため、AMHが年齢の割に低ければ治療(のステップアップ)を急ぐ必要があるということになり、卵巣刺激法や治療方針を決定するうえで最も信頼できる目安になります。

ご参考になりましたでしょうか?

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