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VOL.727 子宮卵管造影検査による妊娠率向上効果と痛みについて

2017年05月21日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.727 2017/5/21
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・トピックス:子宮卵管造影検査による妊娠率向上効果と痛みについて
・イベント&セミナー情報
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2017年5月21日 最新ニュース
油性と水性の造影剤による子宮卵管造影検査後の妊娠率比較
http://www.akanbou.com/news/news.2017052101.html
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


トピックス May.2017________________________________________________

 子宮卵管造影検査による妊娠率向上効果と痛みについて
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子宮卵管造影検査は、卵管が通っているかどうか、また、卵巣水腫がないかどうか、さらには、子宮の大きさや形を調べる有名な検査です。

検査の方法は、腟からカテーテルで子宮内に造影剤を注入し、造影剤が卵管へと流れる様子をレントゲンで撮影し、映し出された影を観察します。

この検査は不妊症の女性にとってとても重要な検査であるにもかかわらず、正しく理解されていない面もあるようです。

たとえば、検査後の妊娠率向上について、また、検査による痛みについて、などです。

■子宮卵管造影検査後の妊娠率向上

子宮卵管造影検査で使う造影剤には油性のものと水性のものがあるのですが、検査後半年間に妊娠、出産に至る確率は水性よりも油性のほうが高かったという、オランダの27施設で実施された無作為化比較対照試験の結果が、5月18日にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に掲載されました。
http://www.akanbou.com/news/news.2017052101.html

実は、子宮卵管造影検査で検査後に妊娠しやすくなる効果が期待できるのは、水性の造影剤ではなく、油性の造影剤であることはよく知られています。

ところが、そのことが、超がつくほどの一流の医学誌に掲載されたのは、質の高い研究デザインであるということもさることながら、体外受精が当たり前のようになった現代だからこそ、体外受精を受ける前に、女性の身体に大きな負担をかけず、経済的なコストも低い治療で妊娠が期待できる治療にスポットをあてる意味があるということなのかもしれません。

オランダの27の不妊治療クリニックに通院する18〜39歳の不妊女性患者1,119名をランダムに油性の造影剤と水性の造影剤にわけて、子宮卵管造影検査を実施し、検査後半年間の治療成績を比較しました。

その結果、油性では39.7%、水性では29.1%が、それぞれ、妊娠に至り、出産まで至ったのは油性で38.8%、水性では28.1%と、油性の造影剤のほうが成績がよかったことが確かめられました。

そして、妊娠までの期間は油性で2.7ヶ月、水性で3.1ヶ月で油性のほうが全体として早く妊娠に至っています。

また、油性グループの妊娠方法は、73.6%が自然妊娠、24.5%が人工授精、そして、ART治療(体外受精や顕微授精)は1.8%で、ほとんどが体外受精に移行する前に妊娠に至っています。

このように、不妊治療を開始する前に、まずは、「油性の造影剤」による子宮卵管造影検査を受けることによって、早期、かつ、体外受精にステップアップする前の妊娠が期待できるというわけです。

ところが、もしも、油性の造影剤による子宮卵管造影検査を受けなかった場合は、卵管性不妊と診断されて、体外受精を受けて妊娠を目指すことになってしまわないとも限りません。

■子宮卵管造影検査による痛みについて

子宮卵管造影検査と聞けば「痛み」を連想される方が少なくないくらい、痛み、それも、激痛を伴う検査としても知られているようです。

ところが、痛みは検査の方法や医師の技量によって大きな差があるようです。

そのことについて、春木レディースクリニック院長の春木篤先生は、クリニックのサイトの「子宮卵管造影検査が心配な方へ」というページで以下のように解説されています。
http://www.haruki-cl.com/shikyurankanzoei/

この検査による痛みは、「子宮内のチューブの固定」と「造影剤の注入」のよるものとして、それぞれのケースで痛みが出ないようにする方法が説明されています。

まず、子宮内のチューブ固定ですが、その方法には2通りあって、子宮頚部(子宮の入口)で固定するか、子宮内で風船を膨らませるかのいずれかです。

前者は旧式の方法で激痛です。

後者は子宮内で液体を用いて固定用の風船を膨らませるのですが、不用意に行うと、この方法でも激痛が発生します。

そのため、通常は、1〜1.5mlで十分で、当クリニックでは、だいたい1.2mlだけ注入して、まず患者様の様子を観察し、軽い生理痛程度であれば、まず大丈夫です。

ところが、ここで、声が出せないほどつらいようであれば、風船内を一度空にしてからより少量の液体で再度固定します。

次に、造影剤の注入では「極力ゆっくりと造影剤を注入すること」がポイントになります。

特に、造影剤が拡がる様子が直接見えていない場合、つまりX線透視を行っていない場合は、ある一定量を注入しては撮影するという作業になりますが、この場合は、注入するスピードを調節できないため、激しい痛みが出現する可能性が高いと言います。

そのため、透視をしながら(画像をリアルタイムで見ながら)造影剤を注入することで、注入量を最小限にすることができ、かつ、速度も調整できます。

このように同じ検査でも、実施する方法や医師の技量で痛みの程度にはかなりの差があるというのです。

以上、子宮卵管造影検査の検査後の妊娠率や検査に伴う痛みについて、ご理解いただけましたでしょうか。

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6月4日 【相談会】不妊相談会(クリニック主催)
http://www.akanbou.com/seminar/20170604-4573.html


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・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
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・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
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編集後記____________________________________________________________

これからの季節、夜空を見上げて、いろいろな星座を楽しめる季節です。

星座というのは、よくよく、考えてみるとおもしろいもので、それぞれの星座を構成する星たちは、実際の宇宙空間では、とんでもなく離れていたりして、何のつながりも、何の意味もないわけです。

つまり、私たちにとって、たまたま、そのように"見えている"だけなわけです。

でも、だからといって、星座を見て、私たちのココロに浮かぶことやわきおこる感覚や感動は、本物です。

このことは、どんな状況であろうとも、私たちの見方やココロの持ち方で、豊かな時を過ごせるということを教えてくれているように思えてなりません。

現実の世界には、私たちにとって、いいことも悪いことも、嬉しいことも悲しいこと、辛いこと、悔しいこともあります。

そして、悪いこと、悲しいこと、辛いこと、悔しいことのほとんどは、自分にはどうしようもないことばかりなのかもしれません。

であればこそ、その中に星座をみつけて、楽しんでしまえばいいのかもしれません。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行]    VOL.727
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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