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VOL.670 就寝前のブルーライトをシャットアウトしてみたら

2016年04月17日

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 妊娠しやすいカラダづくり No.670 2016/4/17
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今週の内容__________________________________________________________

・更新情報
・トピックス:就寝前のブルーライトをシャットアウトしてみたら
・編集室から:妊活セミナー「ご夫婦一緒の妊活ライフを楽しもう」
・当社製品&サービス
・編集後記


更新情報____________________________________________________________

サイト版「妊娠しやすいカラダづくり」の更新情報です。
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2016年4月16日 曇り時々雨、のち晴れますように
思考パターン最終回!フィルタン
http://goo.gl/0mGlk8
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記事についてのご質問は下記のアドレス宛お寄せ下さい。
info@akanbou.com


今週のトピックス Apr.2016___________________________________________
 
 就寝前のブルーライトをシャットアウトしてみたら
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よく眠れるということは、妊娠力を維持するのに必須の要件と言っても過言ではないかもしれません。

ただ、いろいろな理由で、たまに、寝付けないことがあるとか、ついつい、夜更かししてしまうことがあるとか、そんなことは、さほど大きな問題ではないように思います。

人間の身体はそんなやわなものではないと思うからです。

それよりも、毎日、知らず知らずのうちに、少しずつ睡眠の質を低下させ、そのことが体内時計の働きに影響を及ぼし、そこから妊娠や出産に関与するホルモンの分泌に問題が生じ、卵の発育や成熟の障害になり、妊娠する力が低下してしまうかもしれない、こっちが問題だと思います。

妊娠力の低下を招いてしまうドミノ倒しの起点は「スマホ」です。厳密に言えば、スマホから放たれる「ブルーライト」です。

━ 夜のスマホやタブレットの影響は?

夜にスマホやタブレットをみることで、睡眠にどんな影響があるのかを調べたハーバード大学による研究があります(1)。

12名の健康な男女を無作為に2つのグループにわけ、一方のグループにはタブレット端末で、もう一方のグループには紙の本で、就寝前に読書をしてもらい、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌や睡眠の状況を比較しています。

その結果、タブレット端末で読書したグループでは紙の本で読書したグループに比べて、メラトニンの分泌量が少なく、分泌のタイミングも遅かったそうです。

また、寝付くまでかかった時間はタブレット端末グループは紙の本グループに比べて平均10分余計にかかっています。

さらに、タブレット端末グループは紙の本グループに比べて、夜は眠くなりにくく、朝の眠気がとれなかったそうです。

夜に寝る前にタブレットで読書することはメラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させるのですね。

そして、それはタブレットからの人工的な光である「ブルーライト」が原因であると考えられるわけです。

━ ブルーライトとは?

ブルーライトとは、ヒトの目で見ることのできる光の中でも、もっとも波長が短い青色光のことで、強いエネルギーを持っており、角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達する(2)のだそうです。

そして、スマホやタブレットなどのディジタルディスプレイからこのブルーライトが発せられているのですね。

ヒトの目の網膜には、光の色や明暗を感知する視細胞の他にサーカディアンリズムをコントロールする役割を果たしている「第3の視細胞」が存在していて、この視細胞はブルーライトのような強いエネルギーを持つ光にのみ反応することがわかっています。

つまり、ブルーライトこそ、体内リズムを整え、健康を維持する上で重要な役割を果たしている光だというわけです(2)。

━ 体内リズムと妊娠する力

生殖活動を見えないところで支えているのが「体内時計」です。もしも、「体内時計」に多少でも「誤差」が生じてしまうと、ホルモンの分泌異常をはじめ、その「誤差」は連鎖的に生殖システムを伝わり、妊娠のプロセスを滞らせてしまいかねません。

卵胞の発育や成熟、排卵などの妊娠のプロセスが進むのは、脳の視床下部と呼ばれるところが「司令塔」として、「卵を育ててください!」とか、「排卵させてください!」というような指令を、それぞれの臓器(持ち場)にホルモンによって伝えているからです。

この司令塔は、ただ単に、指令を出すだけでなく、体の外や内の環境を敏感に「察知」し、妊娠に有利な時かどうかを「判断」し、生殖機能を「コントロール」するという役割も担っています。

その「司令塔」に「時」を知らせるのが「体内時計」です。

妊娠を望むカップルにとって、「体内時計」を正常に保つことほど大切なことはないと言っても決して過言ではないのです。

その体内時計が「ブルーライト」の影響で簡単に狂ってしまうのです。

━ 当社スタッフによる実験結果

ブルーライトによる睡眠の影響を実際に確かめてみようということで、スマホの無料アプリ「SleepMeister」を使い、スタッフの睡眠の変化を評価してみました。

まずは、普通にスマホやタブレットを就寝直前まで使うという「いつもの生活」で1週間計測し、次の1週間は就寝前2時間はスマホやタブレット、PC、テレビなどのブルーライトをシャットアウトする生活で1週間計測し、比較しました。

以下は就寝前にブルーライトを浴びた1週間とブルーライトをシャットアウトした1週間の平均を比べたものです。

◎スタッフKの場合
・睡眠時間:6時間35分 → 7時間31分
・寝付き:40分 → 23分
・中途覚醒:0 → 0.6
・眠りの深さ:68% → 52%
・睡眠効率:90% → 93%

寝付くまでの時間が短くなり、夜早く眠くなることで睡眠時間も長くなりました。

◎スタッフSの場合
・睡眠時間:4時間33分 → 5時間40分
・寝付き:12分43秒 → 12分7秒
・中途覚醒:1.6 → 0.9
・眠りの深さ:49% → 65%
・睡眠効率:93% → 94%

普段から寝つきがよい方なので寝付きまでの時間はそれほど短縮されませんでしたが、中途覚醒が減り、眠りの深さが深くなりました。

━ 就寝前はブルーライトをシャットアウトする

就寝前はスマホやタブレットをみないようにするだけで、睡眠の質が改善されることがわかりました。いや、スマホやタブレットのブルーライトが睡眠の質を低下させていたことを知ることができたというべきでしょう。

要するに、夜にスマホやタブレットを「当たり前」に使った生活をしていると、本人の自覚がないまま、ブルーライトの強いエネルギーによって視細胞が刺激され、メラトニンの分泌が抑制されているわけです。

そして、それが続くことで生殖能力が低下してしまうおそれがあるということになります。

いかがでしょうか?

いろいろと妊娠のためのカラダづくりに取り組み、コストと労力をかけて不妊治療を受けていても、スマホやタブレットでブルーライト攻撃を受け、妊娠する力を低下させていては、元も子もありません!

夜だけでも、スマホやタブレットを遠ざけることは、なんの費用も労力もかかりませんし、リスクはゼロです。

今晩からはじめましょう!

文献:
1)Proc Natl Acad Sci U S A. 2015; 112: 1232-1237.
2)ブルーライト研究会のサイトから

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編集室からのお知らせ_______________________________________________

 妊活セミナー「ご夫婦一緒の妊活ライフを楽しもう」
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来る5月22日の日曜日、妊活セミナー2016「ご夫婦一緒の妊活ライフを楽しもう~妊活は"夫婦そろって"が成功のカギ~」が開催されます。

鈴木おさむさんや細川モモさんなどの妊活セミナー、専門の医師による不妊治療の最前線などをお話しがあり、参加料は無料です。私たち(パートナーズ)もブース出展する予定です。

◎開催概要(参加料は無料です)

開催日程:2016年5月22日(日)
開催時間:10:00~17:30
開催場所:コクヨホール(東京都港区)
品川駅港南口から徒歩5分
参加人数:700 名(予定)*20~40 代の未婚・既婚者の方
主催:株式会社メディエンス

◎詳しい内容は以下のサイトをご覧ください。

・妊活イベントサイト
http://ninkatsu.main.jp/event2016/index.html
・参加申込フォーム
https://main-ninkatsu.ssl-lolipop.jp/event2016/form.html
イベントに関するお問い合わせ先:
sato@mr-net.org


当社製品&サービス________________________________________________

・サプリメント:BABY&ME~新しい命のための環境づくり
 http://babyandme.jp/

・翻訳書:妊娠しやすい食生活
 http://www.akanbou.com/shoku/

・妊娠しやすいカラダづくり BOOK GUIDE
http://www.akanbou.com/bookguide/


編集後記____________________________________________________________

ブルーライトはよくないということを聞いてはいましたが、実際に研究結果をみて、そして、自分たちで経験してみると、その影響に改めて驚きました。

この強力なエネルギーをもつ人工光に対しては、人間は本当に脆いことを実感しました。

ぜひ、今晩からブルーライトから身を守っていただきたいと思います。

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妊娠しやすいカラダづくり[毎週末発行] VOL.670
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発 行:株式会社パートナーズ
編 集:細川忠宏(日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー)
サイト:http://www.akanbou.com/
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・自社配信: 1,800部
・まぐまぐ: 3,731部
・合計部数: 5,531部(4月17日現在)
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