編集長コラム

細川 忠宏

心地よさの追求こそが

2008年11月24日

度々、経験することなのですが、妊娠しやすいカラダづくりというと、禁欲的な生活を連想されることが少なくありません。

確かに、自然に近い食材を選び、自分で調理し、バランスよく食べる、間食、特に、甘いものを控え、ジャンクフードなどもってのほかとなると、どうしても"我慢"するという印象が強くなってしまうのも、その通りです。

また、遅くとも12時までには寝なさいと言われた日には、禁欲的なだけでなく、非現実的な生活になってしまいそうですし。なので、差し迫った状況でなければ、"分かってはいるんですけどね・・・"で、往々にして、流されてしまうことになります。

私も、その口です。

ただ、差し迫った状況がなくても、アンチエイジングへの関心の高まりを反映してか、食生活や運動習慣、ストレスマネージメントは、健全な妊娠や出産だけにとどまらず、その後、どれだけ自分の望み通りの生活を送れるかどうかに、大きく影響を及ぼすことを指摘する研究報告が、ますます、増えています。

どれだけ自分の望み通りの生活を送れるか、すなわち、QOL(クオリティオブライフ)、生活の質ということですね。

つまり、目指すべき、そして、こだわるべきは、身体の状態ではなく、どのように生活するか、ということなわけです。

そういう観点で考えると、今の欲求を満たすのか、それとも、健康をとるのかという設問そのものが、不自然というか、間違っているということに気付きます。

欲求を満たすかどうかではなく、欲求そのものの"質"について、考えてみる必要があるようです。

例えば、添加物まみれで、栄養バランス崩れたジャンクフードか、手間と心をこめた料理が美味しく、嬉しいと思うのか、毎日の運動習慣で、毎朝の快便、身体の軽さを、気持ちよさを欲求するのか、早寝早起き、そして、十分な睡眠時間を確保することで、快適な朝を迎え、回転のよい頭で仕事に臨むことを欲するか、要するに、本当の意味での"心地よさ"にこだわるということでしょうか。

そのように、思考を切り替えると、最初のうちは、ストイックさや我慢が必要かもしれませんが、徐々に、身体や心の心地よさを、実感できてくるようになると、健康習慣は、簡単に習慣化しているはずです。

そして、そんな"心地よい"と感じている身体や心こそが、
妊娠しやすいカラダやココロであると信じてやみません。