祈れば妊娠率アップ?
2005/1/8
 

3年前に「The Journal of Reproductive Medicine」という生殖医学誌に掲載された論文が、
今、アメリカで大変話題になっています。

どんな論文かと言いますと、
「祈れば妊娠率アップ」というテーマで、
体外受精を受けている女性を2つのグループに分けて、
一方のグループの女性にだけ、
あるキリスト教徒の団体が、
妊娠祈願の祈りをささげた(祈祷のようなもの?)ところ、
祈ってもらった女性グループの妊娠率は約50%、
祈ってもらわなかった女性グループの妊娠率が約25%と、
要するに、祈ってもらうことで妊娠率が2倍になったというのです。

このような、ある意味、ショッキングな調査研究結果が、
コロンビア大学の著名な研究者によって、
権威ある生殖医学雑誌に発表されたものですから、
発表直後から、専門家からは、
論文の内容は“でっちあげ”との批判や非難が続出し、
大変な騒動になったという訳です。

コロンビア大学や論文を掲載した医学雑誌は、
それぞれの権威にかかわることとして調査に乗り出したほどです。

最近になって、コロンビア大学の研究者は、
自分は、直接、実験の実施に関わった訳ではなく、
ただ、論文の監修者として名前を貸しただけであると釈明し、
論文から自分の名前を削除したことで、
一応、調査は一区切りしたようです。

この実験に関しては、宗教団体の宣伝が目的だったのか、
本当に医者が信仰の力で妊娠率が上がると信じたのか、
報道からだけでは、その真相は、よく分かりません。

ただ、心の状態が及す妊娠への影響という観点から考えると、
単に、“オカルト的なもの”として、
一刀両断に切り捨ててよいものでしょうか?

過度に心配することや治療のストレスが、
妊娠には明らかになっているものの、
それでは、どのように対処すれば良いのか、
肝心の“心の持ち方”に関して、 誰も教えてくれません。

そんなふうに、心の領域に関することが置き去りにされているのは、
全くの片手落ちと言わざるを得ません。

子宝温泉につかり、子宝神社にお参りするのはまだしも、
わけのわからない子宝グッズが、
まことしやかに法外な価格で飛ぶように売れているのは、
自分たちの努力だけでは、どうしようもないことに、
何を、どうすれば良いのか、
よく分からないからに他なりません。

不妊治療の専門医も妊娠への秘訣として、
必ず、“心の持ち方”を指摘します。

それにもかかわらず、
患者に施すのは、カラダへの治療のみ、 というのが現実です。

今年こそは、そんな渾沌を整備して、
多くの方々のお役に立てればと強く思う次第です。

 
     
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