ロワ佐奈子のセルフコントロール講座 妊娠しやすいココロをつくる

ロワ 佐奈子

第17回  信じる。

今日は、前回「言霊」の記事でお話しした「ことばとカラダの関係」に私が気がつくこととなったある単語との出会いのお話です。
それは、常夏の島に住んでいたある年に、アメリカから届いたクリスマスカードの表紙に赤い文字で記されていました。

BELIEVE (信じる)

BELIEVEの文字とその横の赤いトナカイのイラストを見ていると、そのカードを送ってくれた友人の顔が浮かんできました。彼女と会ったのはその年の夏がはじめてでした。互いのブログを通してやりとりをすること数年、とても素敵な彼女の感性に惹かれ、「いつか会ってみたい」と思っていたところ、ちょうど彼女の住むアメリカへ行く機会があり会うことになったのです。

ネットからリアルのお友達へ・・・。私にとっては初めてのことでした。私たちはブログでも共通の話題、お互いに好きなお料理や写真のこと、海外での生活のことについて熱心に話していたのですが、あかちゃん待ちのことについてはまったく彼女には話しませんでした。隠すわけでも、避けたわけでもなく、ただその話題には至らなかった、そんな感じでした。楽しい時間を共有した後、お互いの生活が離れたとことで続いてゆき・・・そして数ヶ月後にふわりと届いた一枚のカード。そのころの私は、思う通りにならない自分のカラダに毒づいたり、「私にはあかちゃんなんてできないんだ。」と否定的な気持ちになることが多い日々でした。

そんな時届いたこの一言。夏の楽しい思い出がよみがえると同時に、私の今のこの辛い気持ちなんて知るはずもない彼女が このことばの書いてあるカードを選んで送ってくれたことに、何か不思議な力を感じたのです。
12月。島ののどかな風に、ふと、彼女と過ごしたカリフォルニアの爽やかな都会の風を感じました。そして、いろんなことを信じられなくなっている自分がなんて悲しいことなのかしら、なんともったいないことなのかしら、と気がつきはじめたのです。私には大好きな島での生活があり、会いたいと思っていた友人と出会い、つながり、こうしてカードを送ってくれる大切な人となった。それなのに、私は何を不満に思い、どうして落ち込んでいるの? ちょっぴり自分で自分が恥ずかしくなり、そこに神様がいるのなら「ごめんなさい。」と謝りたい気持ちでした。そして何より、自分を信じてあげられない自分にはさようならをして、カードのメッセージ通り「believe、信じよう。」と思ったのです。

辛いことが重なるとき、思うようにものごとが進まないとき。人は自信をなくし、「どうせ。」とか、「無理なんだ。」といったことばと、つい仲良くなりがちです。その方が慰められたような気持ちになるのでしょう。確かに歯を食いしばって立ち向かったり、静かに現実を受け止める方がエネルギーが必要です。でもこれらの後ろ向きなことばにも、やっぱり「言霊」が宿っているのではないかと思うのです。

望む未来があるのなら、それを自ら信じずに、誰が信じてくれるのでしょう。望む未来を連れて来るのは、他人ではなく自分なのです。大切な存在である自分を、自分のカラダを、信じる。そんな基本に気がつかせてくれた、ある年のクリスマス前の出来事。今でも、このことばとの出会いに感謝する毎日です。

MESSAGE CARD

この島に住んでいた時に受け取ったカード。島の自然に溶け込んで暮らすことのできた贅沢で豊かな日々。よき思い出のひとつです。