2栄養カウンセリングの実際
- パートナーズ
- 栄養カウンセリングはどのように行われているのですか？
- 花田
- 当院の栄養カウンセリングは、基本的には希望制です。なかには、体重管理の必要性やインスリン抵抗性の検査結果から医師に勧められて受けられる患者様もいらっしゃいます。1回あたり50分で、何度でも受けられます。
- パートナーズ
- 患者さんは、どのようなことを求めて、栄養カウンセリングを希望されるのでしょうか？
- 花田
- そうですね。食事や栄養について、ご自身で情報収集され、取り組んでいらっしゃる中で、うまくいかないこと、問題に思っていることを、どうにかしたい、解決したいということで栄養カウンセリングを希望される患者様が多いです。
- パートナーズ
- 問題に感じていることを専門家に相談して解決したいということですね。やはり、通院をはじめてすぐに来られるケースが多いのでしょうか。
- 花田
- いろいろなケースがありますが、初診から３ヶ月以内に来られる方が多いです。
- パートナーズ
- 比較的、治療開始後、早い段階でこられるのですね。
- 花田
- そうですね。不妊治療を始めたばかりでよく分からないので専門的なアドバイスが欲しいというご要望が多いです。また、転院してこられた患者様のなかには、前院では個別の栄養カウンセリングがなかったので、これまで疑問に思っていたこと、専門家に聞きたかったことを相談したいとおっしゃる方もいらっしゃいます。
- パートナーズ
- なるほど、栄養カウンセリングを個別に実施しているクリニックは、それほど多くないですからね。
- 花田
- また、ご自身ですでに取り組まれている食事の改善方法について、これでよいのか、さらに改善する点はないかと、助言を求められることもよくあります。
- パートナーズ
- なるほど。今の取り組みに対して、専門家の評価を求められるということですね。
- 花田
- はい。あと、インターネットの検索やSNS、口コミで見たり、聞いたりした情報について、正しいのかどうかを確かめたいというケースも多いです。
- パートナーズ
- 患者様が栄養カウンセリングに求められることは、問題の解決、これまでの取り組みでよいのかどうかの評価、そして、情報の真偽の確認、これらを専門家に聞きたいということですね。
- 花田
- はい。
- パートナーズ
- それでは、具体的にはどういったご相談内容が多いのでしょうか？
- 花田
- 体型や体重に関するものが多いですね。特に、減量したいがどうすればよいかという、ダイエットのご相談です。幼少期から肥満体型の方、年齢とともに太りやすくなった方、不妊治療を始めてから太ったとおっしゃる方、妊娠中の体重増加を見越して今のうちに減らしておきたい方など、様々いらっしゃいます。
- パートナーズ
- それぞれの患者様にとって適切な減量方法についてですね。
- 花田
- はい。反対に、やせ過ぎは妊娠しづらくなると聞き、体重を増やそうと努力しているが増えない、どうすればいいか、というご相談もあります。
- パートナーズ
- 適切な体重管理の方法についてということですね。
- 花田
- そうです。また、インスリン抵抗性改善のための食事についてのご相談も多いです。インスリン抵抗性の検査結果が悪くて、医師から栄養カウンセリングを勧められて来られるケースです。検査結果を見ながら現在のお身体の状況、血糖値とインスリンの関係などをご説明し、その方の嗜好やライフスタイルに合わせた具体的な改善策を提案しています。
- パートナーズ
- 血糖値が上昇しにくい食べ方ですね。
- 花田
- はい。また、パートナーの食事についてのご相談も多いです。精液検査の結果が悪かったので、精子の質の改善のための食事について知りたいとか、偏食を治したい、飲酒量を減らしたい、メタボリックシンドロームの改善のために食生活を見直したいというものです。
- パートナーズ
- 男性の栄養状態は精子の質に影響を及ぼしますからね。
- 花田
- はい。卵子や精子の質の改善に関するご相談が、特定の食品やサプリメントについてのご質問につながることもよくあります。その他には、間食や偏食、少食、朝食抜きなど、ご自身の食生活の問題点を挙げられ、そのせいで栄養状態が悪いのではないかと不安を訴える方もいらっしゃいます。また、料理が苦手なので簡単に作れるメニューや工夫の方法を教えてほしいというご要望もあります。
- パートナーズ
- なるほど。よくわかりました。それでは、実際の進め方について教えていただけますでしょうか？
- 花田
- 初回の栄養カウンセリングで問診票の記入をお願いしています。ご相談内容は、「体重管理」や「現在の治療段階における食生活」「検査結果について」「サプリメントや健康食品について」などの項目からアンケート形式でご回答いただきます。また、「管理栄養士に伝えておきたいこと」として自由記述欄も設けています。カウンセリングは問診票の内容にそって進めていきます。
- パートナーズ
- 栄養カウンセリングは1回で終わる場合が多いのでしょうか。
- 花田
- そうですね。カウンセリングを通して、聞きたいことが聞けて、それがご自身で実行出来そうだと思われれば、1回で終わります。
- パートナーズ
- はい。
- 花田
- 栄養カウンセリングを希望される患者様は、元々、ご自身で調べ、いろいろと取り組んでいらっしゃるからこそ、相談したいことがあるわけで、基本的には意識が高い方が多いのです。
- パートナーズ
- 意識が高いからこそ、疑問も出てくるということですね。
- 花田
- そのため、私からのアドバイスや提案についても、ほとんどの方が積極的に取り入れ、実行してくださっています。
- パートナーズ
- カウンセリング内容に納得されていらっしゃるということですね。
- 花田
- ただし、利用したい方は何度でもお越しいただけるので、2回、3回と、複数回来られる患者様も少なくありません。10回以上来られた患者様もいらっしゃいます。
- パートナーズ
- 10回以上ですか！
- 花田
- はい。