不妊治療の“教科書”に最適な本です

不妊治療について

不妊治療がよくわかる本

著者:辰巳 賢一(梅ヶ丘産婦人科院長)
出版社:日本文芸社
価格:1,404円
発売日:2011年1月25日

不妊治療は「治療」と呼んでいるものの、世間一般にイメージされている「治療」とは相当に様子が違います。また、保険診療ではなく、自由診療であるため、施設やドクターによって、治療に対する考え方や進め方が異なることが珍しいことではありません。そして、命にかかわる病気ではないため、どんな治療を、どれくらい続けるかは、患者が決めることになります。そのため、不妊治療を受けるにあたっては最低限の「知識」が必要になります。この本はそんな場合の最適な教科書になると思います。

納得のいく治療を受けるために

この数年、体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療の進歩と普及によって、不妊治療の選択肢は以前に比べてとても増えました。それに加えて、ネットやソーシャルメディアの普及で、不妊に関する情報が爆発的に増えました。さらに、そもそも、不妊治療には先の見えないつらさがつきまとうものと言われています。

そんな状況では、不妊に悩むカップルが納得のいく治療、後悔しない治療を選択するために必要なのは、まずは、信頼のおける情報に接すること、だと思います。

私が考える信頼のおける情報として必要とされる要件は、「偏りのないこと」、「科学的な根拠があること」、そして、「最新であること」だと思います。また、不妊治療は複雑なところがありますから、「わかりやすいこと」も大切なことだと思います。

さらには、不妊症は、一刻を争う、命にかかわる病気ではありませんから、「自分たちの価値観に基づた選択を支援するヒントが得られること」も重要なことだと思います。

この本は、おそらく、それら全てを満たす本だと思います。

妊娠を望まれるカップル、不妊治療を受けようかどうか迷っているカップル、現在進行形で不妊治療を受けているカップル、そして、不妊治療のやめどきを考えているカップルにとって、最適な教科書だと思います。

(推薦者: 細川忠宏)