男性の精子に対する抗酸化サプリメントの有効性

生活習慣・食事・サプリメント

2024年06月04日

Front Endocrinol (Lausanne) . 2022; 13: 810242

抗酸化サプリメントの摂取として、L-カルニチンは精子運動性や正常形態の改善に、オメガ3脂肪酸は精巣濃度の改善に効果的であり、コエンザイムQ10は、精子運動性や精子濃度の改善により効果的であることが示されました。

近年では、原因不明の不妊症の男性に対し、抗酸化サプリメントが治療として用いられることが多くなっています。
しかし、そのエビデンスはまだ不十分であり、精液検査の各数値に対する改善の効果や、妊娠率改善に対しての有効性はまだ明確でない部分があります。
そこで中国の研究者らは、過去の論文データから、10種類の抗酸化物質(Lカルニチン、L-カルニチン+L-アセチルカルニチン、コエンザイムQ10、オメガ3脂肪酸、セレン、亜鉛、ビタミンE+ビタミンC、葉酸、N-アセチル-システイン)を用いた、23件(被験者の合計:1,917名)の研究を抽出し、データを解析しました。

データ解析の結果、L-カルニチン、L-カルニチン+L-アセチルカルニチン、コエンザイムQ10、オメガ3脂肪酸、セレンは、精子パラメーター(精子運動性、精子濃度、正常精子形態など)の改善効果があることがわかりました。
また、L-カルニチンは精子運動性と正常精子形態率の改善に、オメガ3脂肪酸は精子濃度の改善に、それぞれ最も有効でした。

一方で、妊娠率については、上記抗酸化サプリメントとプラセボ(偽の粒)の比較では、有意な効果は認められなかったとのことです。

まとめとして、L-カルニチンは精子運動率や正常精子形態率の改善に、オメガ3脂肪酸は精子濃度の改善にそれぞれ有効であり、コエンザイムQ10は、精子運動率や精子濃度の改善に、より有効であることが示されました。

ただし、今回の研究に使われたデータは限られたものであり、抗酸化物質の有効性に関して、さらにたくさんのデータを収集し、検証していく必要があります。

コメント

今回の研究により、精子の運動率にはL-カルニチンやコエンザイムQ10、正常形態率にはL-カルニチン、精子濃度についてはオメガ3脂肪酸やコエンザイムQ10の摂取が改善に有効との結果が示されています。

男性の精子に対する抗酸化サプリメントの有効性については、今までも多くの研究がなされており、さらに精液検査ではわからない、DFI(精液中に存在するDNAの損傷した精子の割合)を主な指標とする、精子の「質」の改善にも抗酸化サプリメントが有効との報告も多くなされています。

男性の精子に対して個人ができる対策としては、タバコや飲酒を含めた生活習慣の改善や食事改善、運動などがありますが、あわせて抗酸化サプリメントの摂取も検討するとよさそうです。