妊娠中のオメガ3脂肪酸補充は早産リスクを低減

生活習慣・食事・サプリメント

2018年11月17日

Cochrane Database of Systematic Reviews

妊娠中の食事やサプリメントによるオメガ3脂肪酸の摂取は早産や低出生体重児のリスクを低くするのに有効であることがコクランメタ解析によって明らかになりました。

妊娠中に魚を食べたり、サプリメントを服用したりして、オメガ3脂肪酸を積極的に摂ることが、早産を減らすことができるのかどうかについて、コクランシステマティックレビューが更新されました。

今回のレビューでは、70篇の無作為化比較対照試験(総被験者数:19,927名)が抽出され、解析されました。

その結果、オメガ3脂肪酸のサプリメントを服用していた女性がしていなかった女性に比べて、37週未満の早産リスクは11%低く(RR 0.89, CI 0.81 0.97; 高いエビデンスレベル)、34週未満の早産リスクは42%低い(RR 0.58, 95% CI 0.44 0.77;高いエビデンスレベル)ことがわかりました。

また、低出生体重児のリスクも10%低い(RR 0.90, 95%CI 0.82 0.99; 高いエビデンスレベル)こともわかりました。

このことから妊娠中のDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸の補充は早産や低出生体重児のリスクを低くすることが明らかになりました。

コメント

日本産婦人科学会では、早産とは正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日まで)以前の出生のことをいい、日本では妊娠22週0日~妊娠36週6日までの出産を早産とされています。

日本では早産は全妊娠の約5%で増加傾向にあり、新生児死亡の75%、長期神経学的後遺症の50%を占めることから早産予防はとても大切です。

早産を予防する確実な方法はありませんが、これまで、早産の原因の一つに「炎症」があることから、「抗炎症」作用のあるオメガ3脂肪酸の補充が注目されてきました。

2006年にオメガ3脂肪酸の補充の早産のリスク低減への有効性を検討した、初めてのコクランシステマティックレビューが実施、発表されてきましたが、今回のアップデイトで高いエビデンスレベルで有効性が示されました。

筆者は、500〜1000mgのオメガ3脂肪酸(DHAを少なくとも500mg含む)を妊娠12週から開始するのがよいとしていますが、いずれも海外の研究を対象にしたレビューであり、食習慣や文化が異なる日本にそのままあてはめるがよいかどうかはわかりません。

ただし、厚労省の国民健康栄養調査では日本人の魚の摂取量は減少傾向にあり、オメガ3脂肪酸の摂取量も減っていると考えられます。

妊娠前からの葉酸やビタミンDに加えてオメガ3脂肪酸を補充することは意味がありそうです。

主な供給源は魚の油ですから、魚をあまり食べない女性は特に大切です。