マインドフルネスは不妊症女性患者のストレスを低減する

ストレス

2018年10月20日

Stress and Health

マインドフルネスをベースにしたストレス低減プログラムは不妊症女性のストレスやうつ症状の軽減、健康状態増進に有効であることがブラジルで実施された無作為比較対照試験で明らかになりました。

ミナス・ジェライス連邦大学の研究グループは、マインドフルネスの不妊症女性のストレス軽減への有効性を検証すべく、体外受精を予定している不妊症女性患者を対象に無作為比較対照試験を実施しました。

18〜50歳(平均37歳)の不妊症女性(平均不妊期間7年)99名を無作為に2つのグループにわけ、一方のグループ(62名)にはマインドフルネスをベースにした10週間のプログラムを実施し、もう一方のグループ(37名)は実施しませんでした。

プログラムの実施前後に質問票によるストレスやうつ症状、健康状態をスコア化し、ストレスレベルの指標となる毛髪中のコルチゾールや血中のBDNF(脳由来神経栄養因子)を測定し、比較しました。

その結果、マインドフルネスを行ったグループはストレスやうつ症状が有意に軽減され、健康状態が増進しましたが、対照グループでは変化はみられませんでした。

ただし、毛髪中のコルチゾールや血中BDNFは両グループとの変わりませんでした。

このことから、マインドフルネスをベースにしたストレス低減プログラムは不妊症女性に有効であることがわかりました。

コメント

マインドフルネスとは、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、 評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と日本マインドフルネス学会は定義しています。

「ただ観る」の「観る」とは、「見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る」という意味で、そもそもは、仏教の瞑想をベースにしたストレス低減プログラムがマインドフルネスベースドプログラムです。

このマインドフルネスプログラムの有効性がアメリカで科学的に検証されたことから、グーグルなどの有名なIT企業が研修に採用したこともあって、日本でも関心が高まっています。

このプログラムが平均不妊期間が7年で、体外受精に臨む女性のストレス軽減に有効であることがブラジルの研究で確かめられました。

多少の訓練が必要かもしれませんが、誰でも、どこでも取り組める瞑想です。

最近は多くの書籍が出ていますし、セミナー等もあります。