喫煙も受動喫煙も不妊症や閉経を早めるリスクを高める

生活習慣・食事・サプリメント

2015年12月17日

Tobacco Control

喫煙も、受動喫煙も不妊症や自然閉経を早めるリスクを高めることがアメリカの研究で明らかになりました。

ロズウェル・パーク・キャンサー・インスティテュートの研究チームは、長期観察研究「Women's Health Initiative Observational Study(WHI-OS)」に1993〜1998年に登録された50-79歳の93,676人の女性を対象に喫煙と生殖能力の関係を調べました。

現在、もしくは、過去に喫煙習慣のあった女性には、喫煙を始めた年齢や1日の本数、喫煙期間を回答してもらい、これまで喫煙習慣のなかった女性にはこれまで喫煙習慣のある人と同居、または、同じ職場で働き受動喫煙の有無とその期間を回答してもらいました。

一方、不妊症は子づくりをはじめて1年以上妊娠に至らず、専門クリニックを受診した場合としたところ、88,372名の被験者から回答が得られ、15.4%の13,621名が不妊症でした。また、自然閉経の平均年齢は51歳で50歳になるまでに自然閉経になった女性は45%の35,834名でした。

喫煙と不妊症や閉経年齢との関係を解析した結果、現在、もしくは、過去に喫煙習慣のあった女性はなかった女性に比べて不妊症になるリスクが14%高く、50歳までに自然閉経を迎えるリスクが26%高いことがわかりました。また、最も早く(15歳で)喫煙をはじめた女性は喫煙習慣も受動喫煙もなかった女性に比べて22ヶ月早く閉経を迎えていました。

一方、自分自身が喫煙していた女性だけでなく、自分はタバコを吸ったことがないけれども周囲の人が喫煙していた受動喫煙の女性も不妊症や閉経が早まるリスクが高いことがわかりました。

子供の頃に喫煙する人と10年以上一緒に生活していた、もしくは、喫煙する人と同じ職場で10年以上仕事をしていた、20年以上喫煙する人と同居していた女性は、受動喫煙がなかった女性に比べて18%不妊症になるリスクが高く、受動喫煙のあった女性の間でも最も長く受動喫煙にあった女性は最も短かった女性に比べて13ヶ月早く自然閉経を迎えていたこともわかりました。

このことから喫煙も受動喫煙も不妊症や自然閉経を早めるリスクを高めることがわかりました。

コメント

タバコを吸うことは妊娠、出産だけでなく、健康においても悪い影響を及ぼすことはよく知られています。ところが、受動喫煙、すなわち、自分はタバコを吸わなくても周囲の人が吸うタバコの煙を吸ってしまうことも同様のようです。

受動喫煙の害はこれまでもいくつかの研究がなされていましたが、今回はこれまでで最も規模が大きく、かつ、最も長期の疫学調査の結果、確かめられたとのことです。

喫煙や受動喫煙の状況や不妊症リスクや自然閉経の年齢は全てアンケート調査の自己申告によるものですので、記憶の曖昧さの問題もあるようですが、喫煙も、受動喫煙も、妊娠しづらくさせ、自然閉経を早めるという明確なデータが出ています。

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