ビタミンDと子宮筋腫のリスク

不妊原因になる病気

2013年04月20日

Epidemiology

ビタミンDの血中濃度が高い女性、1日に1時間以上日光にあたる女性は子宮筋腫になりにくいことがアメリカで実施された調査で明らかになりました。

アメリカ国立環境衛生研究所の子宮筋腫研究では、1996年~1999年にワシントンDCに住む35~49歳の女性1,036名を対象に、超音波検査で子宮筋腫の有無を診断し、血中のビタミンD濃度と1日に太陽光にあたる時間との関係を調べました。

その結果、ビタミンDの血中濃度が十分(20ng/ml以上)な女性は不足している(20ng/ml以下)に比べて子宮筋腫のリスクが32%低く、1日に日光に1時間以上あたる女性も子宮筋腫のリスクが40%低いことがわかりました。

このことからビタミンDは子宮筋腫の予防効果があるのではないかと結論づけています。

コメント

ビタミンDは脂溶性のビタミンで、カルシウムの吸収を促進し、骨の形成に関わっていることが知られていますが、ビタミンとは言うものの、日光にあたると紫外線の作用で、体内でコレステロールから合成されます。そのため、魚や肉、きのこなどに含まれますが、食品から十分に摂取しなくてえも、日光を浴びてれば不足することはありません。

また、さまざまな細胞に受容体が存在することからステロイドホルモンのような存在で、近年、ビタミンDの働きについての研究が活発になるにしたがって、多彩な働きをしていることがわかってきました。

たとえば、ビタミンD濃度が高い高い人は低い人に比べて大腸ガンになりにくいとか、ビタミンDはインスリンの分泌促進にも関わっていることからビタミンD濃度が低いと糖尿病にかかりやすいとの報告があります。

子宮筋腫との関係では、昨年、ラットにビタミンDを与えたら子宮筋腫が縮小したとの報告がなされています。

日本人女性の9割がビタミンDが不足ている(20ng/ml以下)との報告もありますので、子宮筋腫の女性はビタミンDを不足させないように日光を浴びたり、ビタミンDのサプリメントを摂るのがいいかもしれません。

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