飽和脂肪酸の摂取量は男性の精子数や精子濃度に関連する

男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

2013年01月09日

The American Journal of Clinical Nutrition

動物性脂肪に豊富な飽和脂肪酸を多く摂取する男性ほど、精子数や精子濃度が低いことがデンマークの徴兵検査の際の試験で明らかになりました。

2008年から2010年の間にデンマークの徴兵検査を受けた701名のデンマーク人男性を対象に、食事から摂取している脂肪酸と精液の質との関連を調べました。

摂取脂肪酸の量は食物摂取頻度調査、精液の質は精液検査の結果を解析した結果、動物性脂肪に豊富な飽和脂肪酸の摂取量が多い男性ほど、精子数や精子濃度が低く、飽和脂肪酸の摂取量で4段階のグループに分けたところ、最も摂取量の多いグループの男性は、最も少ないグループの男性に比べて、精子濃度が38%、精子数が41%、それぞれ、少ないことがわかりました。

このことから、最近の男性の精子数の減少は食生活の変化により、飽和脂肪酸の摂取量が増えたことが原因の一つかもしれないということ、また、飽和脂肪酸の過剰な摂取を避けることは、健康にも、生殖機能にとっても有益であるとしています。

コメント

肉類の脂肪に多い飽和脂肪酸の過剰な摂取は精子濃度を低下させ、魚油に多いオメガ3系脂肪酸の摂取は正常形態精子を増やすことが、昨年、アメリカのハーバード公衆衛生大学院の研究グループが報告しています。

原因不明の精子数の減少や運動率の低下は、特効薬がなく、治療のしようがありませんが、食生活を見直すことが改善につながるかもしれません。

また、お子さんを望まれる男性にとっては、「当たり前な」健康度を高めることは、生殖能力の問題だけでなく、父親としての責任でもあります。

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