脂肪の摂取と精液の質との関係

男性の妊娠させる力に影響を及ぼすもの

2012年03月15日

Human Reproduction

肉類の脂肪に多い飽和脂肪酸の過剰な摂取は精子濃度を低下させるおそれがあり、魚油に多いオメガ3系脂肪酸の摂取は正常形態精子を増やすことが期待できるかもしれないことがアメリカのハーバードメディカルスクールで実施された試験で明らかになりました。

マサチューセッツ総合病院の生殖医療センターで検査を受けたカップルの男性99名を対象に、食品摂取頻度調査によって、普段の食事から、どんな脂肪をどれくらい摂取しているのかを調べ、精液検査の結果とどのように関連するのかを分析しました。また、その内23名の男性は精子と精漿中の脂肪酸レベルを測定しました。

その結果、肉類の脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸を多く摂っている男性ほど総精子数や精子濃度が低いことがわかりました。

総脂肪摂取量を多い、普通、少ないの3グループに分けたところ、多く摂取していた男性は少なかった男性に比べて、総精子数が43%少なく、精子濃度が38%少なかったとのこと。

一方、精子中の飽和脂肪酸レベルが高いほど精子濃度が低かったことから、脂肪の摂取量と総精子数や精子濃度との関連は飽和脂肪酸によるものではないかとしてます。

また、オメガ3系不飽和脂肪の摂取が多いほど正常形態精子が多いことも明らかになりました。

オメガ3系脂肪酸摂取量を多い、普通、少ないの3グループに分けたところ、多く摂取していた男性は少なかった男性に比べて、正常形態精子が1.9%が多かったとのこと。

コメント

肉類に多い飽和脂肪酸の摂取を少なくして、魚の油に豊富なオメガ3脂肪酸を積極的に摂ることは、そもそも、トータルの健康に貢献します。

結局、男性に健康的な食生活は、精子の健康にも寄与するということに他なりません。

男性の食生活は精液の質に大きな影響を及ぼすことは多くの試験で検証されています。