妊娠中の鎮痛剤の服用は男児の停留睾丸のリスクを高める

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2010年11月18日

Human Reproduction

妊娠中の鎮痛剤の服用が男児の停留睾丸のリスクを高めることが、デンマークで実施された試験で明らかになりました。

2,297名のデンマークとフィンランドの妊娠女性を対象に、アンケートと電話調査により妊娠中の鎮痛剤の使用状況を確認し、男児の出生児の精巣の位置を熟練した小児科医によって評価しました。

その結果、妊娠中期の鎮痛剤の使用は、使用しなかった場合に比べて、停留睾丸のリスクを2倍以上になり、同時期に、他の鎮痛剤を同時併用することで、停留睾丸のリスクは16倍に著しく増加しました。

また、一度に2週間続けて服用した場合でもリスクの増加は顕著でした。

コメント

男児では、妊娠3ヶ月頃から9ヶ月頃までに腹腔(お腹)にあった精巣が陰のう(袋)に降りてきます。ところが、その途中で止まってしまった状態を停留睾丸(精巣)と言います。

停留睾丸の頻度は、3~4%、低出生体重児では20%とされており、生後3ヶ月頃までには自然に降りてくるようで、1歳頃には1%程度になるとのこと。

ところが、その後は自然に降りることは期待できなくなり、そのままお腹の中にあることで、精子をつくる働きが不十分になったり、精巣がんのリスクが高まり、手術による治療が必要になります。

妊娠中は鎮痛剤の服用は控えたほうがよさそうです。

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