妊娠前の葉酸摂取は先天性心疾患の発症リスクを低下させる可能性

生活習慣・食事・サプリメント

2009年12月10日

European Heart Journal

妊娠前から葉酸のサプリメントを摂取することで、先天性心疾患の発症リスクが低下する可能性のあることが、オランダで実施された試験で明らかになりました。

オランダのRadboud University Nijmegen Medical Centreの小児心臓センターの研究グループは、1996年~2005年の間にオランダ北部地域で、遺伝的な要因でない先天性心疾患のお子さんを出産した母親611人と、遺伝的欠損のあるお子さん、また、葉酸に関連しない先天性異常のお子さんを出産した母親2401人の登録情報を、調査分析したところ、1日に400マイクログラム以上の葉酸のサプリメントを摂取することで、先天性心疾患のリスクが葉酸に関連しない先天異常に比べて20%、人口あたりの発症リスクと比べて26%、また、中隔の障害を伴う先天性心疾患ではほぼ40%低下することが確かめられました。

研究グループは、このことから、妊娠前から葉酸のサプリメントを1日400μg以上摂取することで、脊椎二分症などの神経管欠損だけでなく、先天性心疾患の発症リスクを低減する可能性があるとしています。

コメント

先天性心疾患とは、先天的な心臓や大きな血管の構造異常のことです。
さまざまな種類や程度がありますが、新生児100人に1人の割合だとされています。

今回の報告では妊娠前から葉酸を摂取することで、その発症リスクが低下する可能性があるとしています。

先天性心疾患の原因が遺伝的なものから不明なものまで多岐にわたり、葉酸を摂取したからといって完全に予防できるわけではありませんが、すべての女性は妊娠前から葉酸のサプリメントを摂取するに越したことはありません。

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