流産後の処置の方法とその後の妊娠率の関係

その他

2009年10月13日

British Medical Journal

妊娠初期の自然流産後にどのような方法で処置を行うかは、その後の妊娠率や出産率に影響を及ぼさないことが、イギリスで実施された長期間の追跡調査で明らかになりました。

イギリスの研究グループは、13週未満の妊娠初期に自然流産した女性762名を対象に、流産後の処置の方法とその後の妊娠率と出産率を5年間にわたり追跡調査しました。

その結果、83.6%の女性が妊娠し、82%の女性がお子さんを出産していました。

処置の方法別の出産率は、待機療法では79%、薬物療法では78.7%、手術療法では81.7%で、処置の方法による顕著な違いはありませんでした。

その後の妊娠率に影響を及ぼすのは、女性の年齢と過去の流産歴のみでした。

このことから妊娠初期の流産後の処置の方法は、その後の妊娠する力に影響をおよぼなさいと結論づけています。

コメント

流産後の待機療法とは、何も処置を施さないで自然にまかせ経過観察する方法、薬物療法とは、流産のプロセスが早く進むように、ミソプロストールなどの膣剤を処方する方法、そして、手術療法とは、子宮内膜掻爬術(D&C)といって、子宮内膜を内容物とともに掻きだす方法です。

以前は、自然流産した場合、必ず、手術療法を実施していましたが、方法を誤ると、子宮内膜を傷つけて、不妊の原因になるおそれがあることから、最近は、必要が認められなければ、何も処置は施さずに、自然にまかせる待機療法が一般的になっています。

今回の報告は、いずれの処置の方法でも、その後の妊娠する力に影響を及ぼさないと報告しています。