鍼灸でPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の症状が緩和される可能性

代替医療

2009年09月03日

American Journal of Physiology - Regulatory, Integrarive and Comparative Physiology

鍼灸治療によって、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)による月経不順が緩和したり、テストステロンレベルが低下する可能性のあることが、スウェーデンで実施された試験で明らかになりました。

84名のPCOSの女性をランダムに3グループ、低周波の電気鍼による鍼灸治療を4か月受けるグループ(33名)、心拍数のモニターを与えられ、週に3回の運動に取り組むグループ(34名)、そして、運度と食事改善の重要性を指導されただけで何もしなかったグループ(17名)に分けたところ、鍼灸治療を受けたグループと運動に取り組んだグループの女性は、筋交感神経活動が低下し、鍼灸治療を受けたグループの女性は、他のグループの女性に比べて、さらに、月経不順が改善されたり、テストステロンが低下が確認された女性の割合が高かったとのこと。

PCOSの女性の中には、自律神経のバランスが崩れていることがあり、今回の試験では鍼灸治療で交感神経の優位が緩和されることで、症状の改善につながる可能性が示されたとのこと。

コメント

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは、卵巣にたくさん卵胞ができるのにもかかわらず、卵巣の表面が厚く、排卵できない状態の卵巣をいい、排卵障害により不妊の原因になることがあります。

肥満の女性に起こりやすいと言われていますが、肥満でない女性でも起こることがあり、原因はよくわかっていません。

今回の試験は、過去に自律神経の障害がホルモンバランスに影響し、多嚢胞性卵巣症候群との関連性を示唆した報告があったことから、実施されたようです。

鍼灸治療は低周波電気鍼を使ったようで、それにより、自律神経のバランスが改善され、PCOSによる月経不順も緩和されたとのことです。