体外受精は子宮内膜症の再発率を高めない

不妊改善・生殖医療関連

2009年08月26日

the 25th annnual meeting of the European Society of Human Reproduction and Embryology

体外受精は子宮内膜症の再発率を高めないことが、イタリアの研究者による試験によって確かめられました。

試験は189名の外科的に子宮内膜症と診断された女性の体外受精後の再発率を、34ヶ月間(中央値)追跡調査したところ、22%の女性が27ヶ月(中央値)後に再発していました。

12か月、24か月、36か月後の再発率は、それぞれ、4、11、20%で、体外受精による再発率の上昇は確認できませんでした。

また、子宮内膜症の程度が重い女性ほど再発しやすく、初めての体外受精時に、手術後のチョコレート嚢腫があった女性のほうが、なかった女性よりも再発しやすいことが分かりました。

そして、体外受精の治療周期数や卵巣刺激への反応性と、子宮内膜症の悪化には関連は見られませんでした。

コメント

子宮内膜症は、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンの影響を受けて増殖することから、不妊治療によるホルモン療法がその程度を悪化させることがあります。

今回の試験は外科的に子宮内膜症を治療(病変の除去)した後、体外受精の際に卵巣刺激を受けても、それによる再発率は高まらないことを確かめたとしています。